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Doraneko&Donuts

おすすめの本と映画と音楽をお茶を飲みながらまったりと語るブログ

涙なしには読めない本 史記・武帝紀

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史記 武帝紀 1 (ハルキ文庫 き 3-16 時代小説文庫)

※2014/9/05 リライトしました。

 

ドラねこ書店 おすすめの本10

ちわ!ドラねこです。(=´▽`=)ノ

みなさん元気に本読んでますか? 

 

そろそろ秋が近づいてきていますね。

そうなるとやはり読書したい季節になりますよね。

そこで今回は、秋の読書におすすめの史記・武帝紀の本についてのご紹介しましょう!

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史記 武帝紀

史記武帝紀(文庫判完結全7巻セット) (ハルキ文庫 時代小説文庫)

史記武帝紀(文庫判完結全7巻セット) (ハルキ文庫 時代小説文庫)

 

前回は北方謙三の「水滸伝」をオススメしました。

 

しかし「水滸伝」は何と言っても現在進行形の物語で、

「話も長いし、登場人物も多すぎて読みにくいよ!

という人の声が聞こえてくるように思えます。

そこで今回は、北方謙三文学の中でももっと入りやすい、史記 武帝紀を紹介します!

 

史記とは、司馬遷が中国の歴代の皇帝・尭(ぎょう)や舜(しゅん)、漢王朝を設立した高祖・劉邦などの物語や、家臣たちの逸話を綴った歴史書のことである。

しかし、北方版史記 武帝紀はそうした歴史書ではなく小説の体を成している。

つまり司馬遷の史記を元に、当時の漢王朝の様子を小説にした本なのである。

 

司馬遷が生きていた時代は、

漢の武帝・劉徹が、卑賤の身から成り上がった衛青(えいせい)霍去病(かくきょへい)という名将を得て、当時、漢最大の宿敵・北辺の蛮族「匈奴(きょうど)」を打ち破るために、北方へ進出する時代である。

 

物語はその対匈奴との激戦の歴史を、衛青や司馬遷の目線で話は進んでいく。

 

皇帝の寵愛を受けた姉を恨んだ皇后に殺されそうになった衛青(えいせい)は、あわやというところでその危機から脱し、その活躍を耳にした武帝は衛青に興味を覚え、彼を召しあげる。

半ば死兵のごとく衛青を試すように、武帝は衛青とその甥の霍去病を将軍として抜擢し、匈奴との戦に当たらせた。

 

しかし二人は武帝の思いの外、幾度と無く匈奴を打ち破るという快挙をなしとげる。そこから衛青の立身出世の物語は始まる。

 

狂い始める「武帝」とその人々

読んでいておもしろいのは、この物語はそうした衛青の出世する物語が全てで終わっているところではないということである。

 

この北方版史記は、物語も半ばで大活躍する衛青霍去病(かくきょへい)は早々に退場してしまう。

そこら辺は読んでいて少し物足りないところであった。

 

しかし、この史記は水滸伝みたいに血沸き肉踊る戦闘シーンが少ない代わりに、物語の中心は漢の皇帝・劉徹や李陵(李陵 - Wikipedia)や蘇武(蘇武 - Wikipedia)などにも話が移っていく。

その後は王朝の隆盛には多大な犠牲が払われた結果、匈奴は衛青によって国土の10分の1を失いながらも北に追いやられ、衛青も右腕として戦の天分を発揮した天才・霍去病も命を落としてしまう。

 

ここからの武帝・劉徹の人生は暗転を始める。

 

それ以後漢は、李陵などの獅子奮迅の活躍で匈奴相手に善戦したりもするが、決定的なダメージを与えられずに、李陵は匈奴に捉えられ投降してしまう。そんな李陵へ、劉徹は一族皆殺しという厳罰を与えた。

ココらへんの下りは読んでいて、なんとも酷いというか、涙を流さずには読めない悲惨なエピソードである。

 

しかもこれは小説オリジナルの創作ではなく、史実のお話なのだ。

昔の中国の将軍も大変だったのだなぁとしみじみ思ってしまう。

宮仕えも大変だw(;´∀`)

 

その他にも読んでいて非常におもしろかった蘇武のエピソードがある。

蘇武は匈奴に和平の使者に立つが、捕らえられ北の地に追いやられてしまう。

北の地で一人で辛酸を舐めながら生きていくことになる蘇武は、それでいても匈奴には最後まで屈せずに、細々としたそれでいながら素朴に生きていく描写が、読んでいて胸に迫るものがあった。

 

わしはこの史記の中でも、蘇武が北の大地で懸命に生きていくシーンが好きだ。

李陵や蘇武など、武帝の周りにいた人間の人生が、物語の訪販では少しずつ狂い始めるのだった。

 

司馬遷の恐るべき執筆根性

そんな中、司馬遷は一人「史記」を書き続けていくことになる。

 

知人であった李陵を弁護したことで死刑を命じられ、減刑の結果、

宮刑を受けた司馬遷は「男ではなくなって」しまう。

しかしそんな屈辱に見まわれながらも司馬遷は、父親からの遺言を守り、史記を書き上げる決意をする。

 

司馬遷の、その歴史を綴る執念たるや恐るべきものだ。

 

わしは、どこにそんな情熱が湧き上がってくるのかと、一人のこうした文章を書く者としては興味を覚えてしまう。

 

漢王朝最大の発展から一転、皇帝・劉徹の人生は暗転の勢いはとまらず、それからも異常なほどの不老不死への執着や、巫子(ふこ)の罪による政事の乱れなど、漢王朝はその版図が最大になるのに反比例して、腐敗の兆しを見せ始めていく。

 

そんな物語を1ページ1ページ読み込んでいくと、漢たちの熱い物語はワシの血となり肉となったような気がした。

 

こんな物語が、本当にあったのだ…(´;ω;`)

涙なしには読めない本、それがこの史記・武帝紀である。

 

感慨深けにため息をついて、わしは本をそっと閉じた。

 

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