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Doraneko&Donuts

おすすめの本と映画と音楽をお茶を飲みながらまったりと語るブログ

あなたの雇用は大丈夫?まったく効かない「金融緩和の罠」

おすすめの本

金融緩和の罠 (集英社新書)

※2016/10/26 リライトしました。

 

ドラねこ書店 おすすめの本67

こんちわ、今世紀最大のリッチメンになりたいドラねこです(*´∀`*)

今日は個人資産7000兆円を持つわし(ウソ)が、お金に関するおもしろい本をご紹介しましょう。

 

ようやく選挙も終わって、フタを開けてみたらやはり自民の圧勝でしたね。

このままアベノミクスは継続するのでしょうが、これからも金融緩和は続くのかな?

しかし金融緩和と言っても、わしらはそれがどんなものなのかよく知らないでしょう。

そもそもナゼ金融緩和が必要なのか?

これに明確に答えられる一般人は少ないのでは?

 

そこで今回は アベノミクスに見る金融緩和とはなんなのか?

そしてその問題点について考えてみよう(*´∀`*) 

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金融緩和の罠

金融緩和の罠 (集英社新書)

金融緩和の罠 (集英社新書)

 

選挙が終わって一段落。

これでまたアベノミクスに見られる景気対策は続く。 

しかしわしはこの選挙戦の間、ずっとおもしろい本を読んでいた。それがこの金融緩和の罠」である。

 

読み始めたきっかけは、

衆院選が始まる前に起こったアベノミクスに対する疑問からだった。

 

そもそもアベノミクスはなぜ金融緩和をするのか?

よく聞く金融緩和というものが、なんなのかもよくわからない。

そこでわしはアベノミクスというものを理解するために本書を読んでみることにしたのです。本書を読んでいくと日本を長いこと覆っているデフレというものにまず疑問を抱いてしまう

 

中でも著者である萱野稔人さんと三人のエコノミストが対談形式でかわされる会話の中から、金融緩和の危うさをこう指摘している

 藻谷 (前略)何より最大の問題は、金融緩和の始まった90年代後半以降の日本の景気低迷は貨幣の供給量の不足が引き起こしているわけではないということです。足りないのはモノの需要です。

いまの日本では貨幣を増やしてもモノの需要を増やすことにはなりません

(中略)

リフレ論はそもそも「供給されたお金はかならず消費にまわる」という前提に経って構築された理論ですから。「人はお金さえあれば無限になにかを買い続ける」というのが、特に実地に証明された話ではないのですが、彼らの理論の基盤になっているのです。

金融緩和の罠p22

藻谷浩介氏は「日本の景気低迷は貨幣の供給量の不足が引き起こしているわけではない」と日本のデフレの正体を足りないのはモノの需要です。」と指摘する。

 

確かにこれには大いにうなずける節がある。

身の回りを見渡してみても、わしの家は普通の中流家庭より少し下程度なのに、既に別に欲しいものは何もない。

自分でも不思議なくらい物欲がないのだけれども、実はこうした感覚を抱いているわしだけではないだろう。

いわゆるミニマリストと言われている人たちにもきっとこうした、生まれてからずっとモノに囲まれて生きてきた世代には共通する、ある種の物欲のなさがあるはずである。

 

つまり世の中が豊かになりすぎたがゆえに、

喉から手が出るほどほしいと思うようなものは既に存在しないのだ。

 

藻谷氏は日本がこうした「欲しいものがない世の中」に構造的に変わってしまったことが長引く不況の原因であるという。

つまり、そうした欲しいものがない社会では、リフレ論者が言うように「お金を刷って消費を促す」ということをしても無意味なのだ。

 

金融緩和以外の景気回復策

では日本の景気を良くする方法はないのか?

藻谷氏はこうした方法を提示する。

 藻谷 国の借金が1000兆円というけれど、日本の国債を買っているおもな層は、1400兆円の金融資産をもつ個人資産家、つまり高年齢の富裕層たちです。

この層が、もっている金融資産の1%14兆円でも消費にまわしてくれれば、日本の小売販売額はバブル期を軽く上回って、国内経済はドラスティックに浮揚するんですけどね。

しかし、この層がまったくお金をつかわないから、内需は縮小するばかりなんです。

p51・52

日本の個人資産を一番持っているのは高年齢の富裕層たち、つまりは「団塊の世代」と呼ばれる人たちだ。

こうした人達は消費をしようとせずに老後のために資産を蓄えようとする

そうした資産を個人の消費にわずか1%(14兆!)でも使ってくれれば、たちまち国内経済は浮揚するという。

 

にわかに信じられない話かもしれないが、確かにわしの親父を含む「団塊の世代」たちは金をつかわない。そして信じられないほど金に執着する。

使いもしない金を「老後のため」といって蓄えていると、確かに景気悪化の原因にはなるだろう。というか多くの人たちがこうした富裕層にどうやってお金を使わせるか頭を抱えている。

 

だからといって、振り込め詐欺みたいにムリヤリ高年齢の富裕層からお金を巻き上げるのは言語道断だが、そうした富裕層妬ましいが故にああした事件は後を絶たないのだろう。

……少し話がズレてしまったw(;´∀`)

 藻谷(前略)輸出額があろうが金融緩和しようが、彼らは少なくともこれまででは国内での消費を増やさなかった。だから設備投資も人件費増加もおきず、雇用者報酬も増えなかった。そのためにモノも売れなかった。

これはまさに金融緩和の罠というべき問題ですよ。お金をばらまいても、生産年齢人口が減少する日本では高齢富裕層のところでとまってしまい、消費意欲の強い現役世代にはいきわたらない。したがって、需要は回復しませんそれどころか、国債の信用毀損というよけいなリスクまで引き起こしてしまっているということです。

p77

日本はデフレで苦しんでいると言っているが、本書に出てくるエコノミストたちの意見は、少子高齢化で人口が減少している現在の日本において、高年齢の富裕層の消費なくして景気回復は望めない。

そもそもそうした富裕層が消費をすれば、金融緩和なんてリスクのあることをしなくても瞬く間に景気は良くなると言っているのだ。

 

アベノミクスが見落とすお金の本質

本書ではそれとは別に、

小野善康氏によると「お金に対する欲望」が金融緩和失敗の原因になると指摘している。

小野 (前略)モノを売る側にとっては、同業他社の商品ではなくお金がライバルなのです。このお金の魅力にとりつかれて、モノに比べたお金の価値がどんどん上がっていくこれがデフレです。

お金の価値とは一定額でどれだけモノが買えるかということです。デフレで物価が下れば、一定額で買えるモノの量が増える。それはつまり、お金の価値が上がるということです。

言いかえれば、デフレとはお金の価値が上昇し続けるバブルなのです。

p170・171

この高度経済成長を遂げた成熟社会に突入した日本では、

リフレ論者が言うような「モノに対する欲望」よりも「お金に対する欲望」が勝ってしまい、いくらお金を刷っても消費には向かわないという構造がある。

 

確かにそもそも欲しいものがない世の中で、しかも消費が旺盛な現役世代よりも「高年齢の富裕層」が世の資産のほとんどを持っているのでは、だれもアベノミクスによる異次元の金融緩和をしても、お金を使って消費をしようなんて思わないだろう。

小野 それほどお金への欲望は強いもの、下がりにくいものだということです。

(中略)

ビールを1杯飲み、おいしくて2杯目を飲む。その1杯の差がもたらす満足感と、9杯目が10杯目になったときに感じる満足感はちがいますよね。99杯飲んだあとにもう一杯となれば、もういらない、勘弁してくれ、となります。

ビールでなくとも、モノへの欲望には限度というものが存在します。モノの効用は下がりやすい。

しかし、お金に関してはどうでしょう。

最初にもらった1万円と、99万円のあとにもらう一万円では喜びに差はあるかもしれない。しかし、ゼロやマイナスにはならないでしょう。金額がいくら増えてもお腹は一杯にならず「もういらない」という量はないいくら貯めてももっとほしいという気持ちが残っています。

p173

そう、モノに対してお金はかさばらないし、いくら持っていてももういらないという気分にはならないからどんどん貯めこんで世の中にお金が金融緩和によって出まわっても、だれも成熟社会では消費しないのだ。

小野 金融緩和とは(中略)お金が足りないから、人々はお金を貯蓄にまわして消費をしない。だから、お金を刷ってばらまけば、人々のお金への執着も弱まり、消費も投資も活性化して、需要不足は解消する。そうすれば景気が浮揚する、と。

この考え方は財政拡大を主張する人たちにも共通していて、財政でお金を配れば需要が増えると思っています。

p175

しかし、いくら政府がベーシック・インカムなりその他のバラまき政策なりお金をバラまいても消費は活性化しない

それはお金を異次元の領域で刷ることでも同じである。 

したがってこのまま景気が悪くなることはあっても良くなることはないのだろう。


30分で判る 経済の仕組み Ray Dalio - YouTube

今の日本では、選挙の大勝の傍らで密かにスタグフレーションの足音が忍び寄りつつある。 

 

www.doraneko86.net