(※この記事は2017/4/25に更新しました)

ちわ、乱視の猛虎ことおいさんだよ。
キミはビッグデータを知っているか?
あの今流行のやつだろう?


大きなデータ?
ポ?


…なんて、御大層な文章から始めてしまったけど、今回はビッグデータについての本を紹介してみたいと思うよ。
なんか今回は情報技術っぽい感じなんだな。


そうなのじゃ。当ブログも時代の波に飲み送れないようにこうした最先端の知識を仕入れていくのじゃ!
そこでドラねこ読書ノート第133回目はビクター・マイヤー=ショーンベルガーの「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」を紹介するよ。
ビッグデータの正体
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大きい情報、大きい情報……
去年辺りから巷で囁かれていたこの言葉に、一体それが何をさすのかずっとギモンに思っていた。
先日津田大介氏と池上彰の共著を読んでいたらこちらの本を紹介されていたので図書館で借りて読んでみた。
読んで見るとびっくり。
どうやらこのIT化社会の果てに、どうやらわしらが普段何気なく排出している情報が、思わぬお宝に化けるようだ。
集める情報は正確でなくていい。
とにかく大量のデータを集めてそれを独自の分析方法で従来のやり方では考えられないような結果が得られる。
それまでの正確だけども狭い情報よりも、広く雑多な情報から新たな結果を見つける。
因果関係よりも相関関係を重視する分析法、それがビッグデータ。
本書ではそうしたビッグデータを使った分析方法をコレでもかと紹介している。
それまでの常識では考えられないような変化がこの世の中に起こるのではないかと期待を持たせてしまう。
ビッグデータの危機感
こうした技術系の翻訳ものを読んでいるといつも思うのだが、ホントに本書に書かれているようなバラ色の未来がやってくるものなんだろうか?
IT革命だスマートフォンだ21世紀になってから色んな技術が登場したが、そうしたものがもたらす恩恵も確かに感じているが、むしろ情報が第三者に筒抜けなようで非常な危機感も抱いている。
本書の第8章「リスク」と銘打たれた章に、そうしたビッグデータの弊害が詳しく書かれているので詳しい解説は本書に譲るが、ここに書かれているものを読んでいると衝撃を超えて戦慄を覚える。
個人に関する価値のないクズ情報も大量に集めれば個人を特定できてしまうというところや、ビッグデータ社会が行き過ぎてしまった結果「マイノリティ・リポート」のようなまだ犯罪が起こっていないにも関わらず犯罪者予備軍を特定して制裁を与えてしまう「確率にとる制裁」など、ジョージ・オーウェルの世界のようなことが現実も起こり得るかもしれないなど、「情報の産業革命」が引き起こす未来はあまり喜ばしいものではないようだ。
わしはプラスの側面よりも、そうしたマイナスの側面の方がより強調されていて、
こうした変化は手放しに喜べない気がした。
ビッグデータは所詮大企業や国のモノ?
素人考えで申し訳ないが、何しろこうしたビッグデータというものは一部の大企業やそれなりの情報分析の機関を備えた当局などでは扱えないのではないだろうか。
ハッキリ言って素人の一般人ではビッグデータなるものを集めることも出来ないし、集めれたとしてもそれを分析する方法もわからない。
そうした情報技術の核心は、どうやらわしのような凡人は蚊帳の外みたいだ。
なので触れないものを手放しで喜べないように、扱えないものに対して本書でその有用性を絶賛するような気持ちになれないのがわしが本書を読んで抱いた本心というものである。
確かに「情報の産業革命」やAIやロボット工学などですごい変革が訪れるのかもしれないが、そうしたものに明るい部分だけを見いだせないのが、これからの未来なのだろう。