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紫のカバーに輝く「銀河鉄道の夜」を紐解く

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ドラねこ

こんちわ、おいさんだよ。

キミは銀河鉄道を信じるかい?

銀河鉄道って宮沢賢治のアレか?

まいける
リク

みやざわけんじってだあれ?

ポポポ?

ポコたん
ドラねこ

エラいおじさんだ。

お前……漠然としすぎてるだろ。

まいける
クロ

誰でしゅか?エラいおじさんって!

他にも銀河鉄道999とか色々あるぞ。

まいける
ドラねこ

まあ、とにかく日本では銀河鉄道っつったら宮沢賢治が思いうかぶわな。

そこで今回紹介する本がこちらなのじゃ!

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜 」?

まいける
ドラねこ

そうじゃ。

またなんで急に宮沢賢治なんだよ?

まいける
ドラねこ

そうした諸々のことはあとで語るとして、

それではドラねこ読書ノート第155回目は「新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)について語ってみるのじゃ。

銀河鉄道の夜

本屋で見かけて一目惚れだった。

今年の9月、歯医者の帰りにたまたま立ち寄った本屋さんで新潮社文庫のフェアみたいなものをやっていた。

そこで見かけたこちらの新装版の「銀河鉄道の夜」が、紫のカバーはかっこよかったので思わず手にとったのだ。

 

後に知ったが、この「銀河鉄道の夜」は新装版ではなく夏限定のプレミアムカバーであったことが発覚した。

新潮社から出ている「銀河鉄道の夜」は本来なら下の写真のとおりのものなのだという。

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その時は何気なく手にとるも、持ち合わせがなかったので買わずにそのまま本棚に戻してしまった。

しかし、家に帰ってみるとどうしてもあの紫のカバーの「銀河鉄道の夜」が気になって夜も10時間くらいしか眠れない。

 

そこで次の週、またしても歯医者の帰りに思い切って買おうと本屋に立ち寄ってみたもの、本屋がたまたま棚卸しをしていて買えずじまい。

翌々週に棚卸しが終わり新装開店になった本屋を尋ねるも、もうその時にはあのプレミアムカバーの紫の「銀河鉄道の夜」は姿を消してしまった。

 

Amazonや楽天で探してみるも本屋さん限定のカバーなのか売ってはいず、新潮社のHPを見てみるも夏限定で本屋になければもうすでに生産終了とのこと。

 

ガーンΣ(゚Д゚)

 

もう、もうあの紫のカバーには会えないのか……

力尽きてうなだれるも諦めきれずにそのご3件も本屋さんを探し回り、とうとう家から遠いショッピングモールで一冊だけあの紫のカバーを発見したのである!

 

ああ、よかった。

これでもう出会えないのかと思った。

少しカバーがよれているけど気にしない。なぜならもうこの一冊しかないからだ。

すぐレジに持っていって即購入!

 

この秋、じっくりと読んでみることにしたのだ。

 

銀河鉄道の夜って有名だけど

銀河鉄道の夜」って実はわしあんまりしっかりと読んだことはない。

中学の国語の教科書に乗っていたけど、途中からしか読んだ記憶がない。

全部をしっかりとストーリーを読んだのが今回は初めて。

 

しかしこの本は「銀河鉄道の夜」だけではない。

短編集なので「よだかの星」「シグナルとシグナレス」「オツベルと象」「猫の事務所」「セロ弾きのゴーシュ」など14編の童話が収められている。

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以前このブログでも宮沢賢治の言葉を詰め込んだ本を紹介したことはあるが、ここに収められている短編はほとんど読んだことないw

せいぜいセロ弾きのゴーシュくらいなもんである。

 

そんな宮沢賢治素人のわしにとって「銀河鉄道」はしかし縁のないものではない。

わしが初めて銀河鉄道なるものを知ったのは「映画ドラえもん のび太と銀河超特急」が最初だった。

その時観た印象から銀河鉄道ってかっこいいな。という深い感慨を覚えたくらいで、今ではわしの中でドラえもんの映画で一番好きな作品になっている。

 

その他にもわしは「銀河鉄道」と聞くとなぜかビリー・ジョエルの「Allentown」を思い出してしまう。

なぜこの曲が思い浮かぶのかというと、大学時代、町田の図書館で借りたビリー・ジョエルのライブ盤「ビリー・ザ・ライヴ~ミレニアム・コンサート」に収められている「Allentown」を聞いて「あ、なんだか宮沢賢治の銀河鉄道みたいだな」と思ったからである。

 

初めてこの曲を聞いたときには「アメリカにもこんな叙情的な曲を作り人がいるんだ!」とびっくりしたのを覚えている。

その時は英語はわかなかったけど、調べてみると実際は「Allentown」は閉鎖された鉄工所のことを歌った歌で、銀河鉄道とはまったく関係ない

しかし、その頃はなぜかこの曲を聞いて銀河鉄道を思い浮かべてしまったんだよね。

 

まあ、曲の冒頭で鉄工所で鉄を叩いている音がするからそれで鉄道を思い浮かべたのかもしれないけど。

とにかく、そんなうらぶれた鉄工所のある町と銀河鉄道がつながって自分の中では鮮やかなイメージを残していったのであったが、今回始めて冒頭から「銀河鉄道の夜」を読んでみてジョバンニが住んでいる街の雰囲気とかが当たらずとも遠からずな感じがしていて少しびっくりした。

 

さすがに鉄工所は出てこないけど、うらぶれた街に住む貧しい孤独な少年(ジョバンニ)が、祭りの日に夢の中で親友と旅をする……という孤独な境遇がなんとなく似ていなくもない。

 

この列車に乗り込む人々はどこまでも風変わりで、孤独、そして寂しさ・悲しさを何かしら抱えこんでいる人々ばかり。

そんな銀河鉄道に乗って様々な風変わりな人々とともに車窓から見えるふしぎな風景に心を奪われながら、貧しい孤独な少年は親友とどこまでもどこまでも大空を進んでいく。

 

しかし、その先に見えるのは誰もいないまっ黒な世界。

 

読む前は「銀河鉄道」なんていうくらいだからもっと美しい童話なのかと思っていたけど。

なんだか読みすすめていく内に、ジョバンニの孤独と自分の孤独が一つになったような気がして、ふと目が冷めたらこれも夢なんじゃないか?と思わず本を読む手を止めて、何度もあたりを見渡してしまう。

 

そんなふうに、「銀河鉄道の夜」は自分の中の孤独を見せつけられずにはいられない不思議な童話であった。

これって子どもが読む童話なのかな?

子どもが読むにはちょっと複雑で朦朧としてそのイメージをなかなかつかみにくい。

童話って書かれているけど内容は恐ろしく深く、大人になっても読める話なのではあるが、子どもがこれを理解するのはちょっとむずかしいかな?と感じてしまう。

 

宮沢賢治の元素図鑑

特に賢治の童話を難しくしているのは物語の中に頻繁に出てくる元素の名前だろう。

賢治自身も自分は化学者だと思っていたらしく、またそうした勉強をたくさんしているため、彼の彼の物語には盛んに元素の名前が登場する。

 

これが読んでいる内に何がなんだかわからなくさせてしまう原因の一つである。

 

そこでわしはこんな面白い本を借りてきた。

宮沢賢治の元素図鑑ー作品を彩る元素と鉱物」という本だ。

これには賢治の童話に出てくる元素がたくさん載っていて、それを一つ一つ丁寧にどの元素がどのようなものかを解説してくれる。

 

これを片手に読んでいると難解だった賢治の物語も格段に理解がしやすくなる。

川のむこう岸が赤くなりました。

柳の木や何もかもまっ黒にすかし出され見えない天の川の波もときどきちらちら針のやうに赤く光りました

(中略)

ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりも美しく酔ったやうになってその火は燃えているのでした。

「あれは何の火だろう。あんなに赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう」ジョバンニは云いました。

「蠍の火だな」カムパネルラが又地図を首っ引きして答へました。

一見して「リチウムよりも美しく」なんて言われてもなんのことかわからない。

だけどこの本を紐解いてリチウムの稿を読んでいくと、なるほどリチウムの出す火というのはこんな色をしているのか、と改めて賢治の表現の豊かさを感じることができる。

 

この本はもちろん銀河鉄道の夜だけではなく、賢治のいろんな作品に出てくる元素や物質を解説してくれて非常に読み応えのある本である。

 

なので宮沢賢治初心者のキミもこの本を片手に銀河鉄道の夜を紐解いてみてはいかがだろう?

 


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