
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは西洋哲学は好きかい?
哲学とか思想とかさ、要はムズいことだろ?


いや、そうとは限らんぞ?
哲学とは意外と身近なものなのじゃ。
なんだよ、んなこと言ったって哲学ってだいたい小難しいことを難解な言葉で書いてあったりするじゃねえかよ。


それならこれはどうじゃ?
齋藤孝 著「ざっくり!西洋思想」なら笑いながら哲学を学べるのじゃ!
へぇ…本当かよ?

\ ココがポイント!/

『齋藤孝のざっくり!西洋思想』は、難解な西洋哲学を「笑いと例え」でズバリ解説する超実用的教養書なのじゃ!!
ヘーゲル、ニーチェ、マルクスといったおなじみの巨人たちを、まるでテレビの漫才のようなテンポと口調で語り直すことで、読者の“理解のハードル”を一気に下げている。特筆すべきは、齋藤自身が「難しさ」ではなく「面白さ」を優先している点。学問の敷居を下げながら、思想の核にはきっちり迫る構成は、まさに“思考の筋トレ”として最適。思想が教養として語られる時代に、本書は最初の一歩を踏み出す強力なガイドになるだろう。ざっくり、だが本質は逃さない。そのギャップこそが読者の心をつかんで離さない。
齋藤孝のざっくり!西洋思想
前回が宗教なら、今回は哲学がテーマになっている。
この「齋藤孝のざっくり!西洋思想」では西洋の賢人・アリストテレス、プラトン、ソクラテス、カント、デカルト、ニーチェなど数々の哲学者たちが、その時代にどういった思想を展開していったかを時代にそって事細かに解説してくれる。
こうして本書を読んでみると、西洋人はすごい思考をしていたんだなぁ・・・(;´∀`)
ワシら日本人は西洋人と比べると思考がやや曖昧である。
日本人はやはり曖昧さを好む民族なんだろう。
しかし、西洋人は昔からロジカルに緻密な思考と言葉を積み重ねて哲学というものを磨いてきた。
欧米人は全てにおいてロジカルに解明しようとこころみる。
そういった考えが近代合理主義を生み自然科学を生み、人類はそうした科学の発展とともに現代まで多大な恩恵を得てきた。それは確かに素晴らしいことだろう。
しかしだからといって、そうした姿勢は全てにおいて優れているわけではない。
それは現代の文明と呼ばれるわしら日本の姿を見ても感じずにはいられないものがある。
また西洋的思考が欧米以外の様々な国の文化や習慣を壊してきたのも事実である。
時に他国の伝統や文化・価値観を封建的なものであるとして、様々な地域で弾圧し、切り捨ててきたりもした。
そうした西洋の他国に対する排外的な姿勢は、第二次大戦中の日本や、現代ならば中東などに今でも行き過ぎた西洋の横暴を見ることができる。
そういう排他的な攻撃性を、西洋の哲学は併せ持つと本書では述べている。これも紛れもない事実だろう。
近代合理主義の弊害
近代合理主義。
それは西洋の考えから生まれた文明という、現代社会に多大な発展をもたらし、さらには古き良き伝統を破壊する「諸刃の剣」でもあるのだろう。
西洋文明は綺羅びやかな発展の歴史とともに、白人以外の人種を蹂躙し搾取してきた暗黒面も併せ持つ。
「奴らと俺たちはちがう。」
この合言葉とともに、白人は19世紀以降、アジアの人間たちを自分たちの思うままにイタズラに傷つけ、搾取してきた。アヘン戦争などがその良い例である。
それが行き過ぎた結果、第二次大戦で欧米列強の仲間入りをした日本ともぶつかりあうことになったのだろう。
そうした西洋の哲学から発展した文明というものは、度々他国の文化や人を平気で傷つける。
ワシはそうした西洋の貪欲な姿勢に、大きな驚異とともに違和感を覚えずにはいられない。
もちろん断っておきたいが、全ての西洋人がそういった考えの人間でないとは思う。しかし印象として、少なくともアメリカ人などは、言葉ですべてを語りたがるように思える。すべてを説明しないと気が済まない。そんな印象だ。
でも、それは不自然じゃないだろうか?
この世には言葉に表せないことだっていっぱいある。
そういったことを感じることも大事なんじゃないだろうか?
惻隠の情とソリの悪い「近代合理主義」
我々日本人が持っていた他人(ひと)を思いやる心「惻隠の情」などは今でも世界に名だたる日本人の誇り、美徳だとわしは思う。
しかし、アリストテレス、プラトン、ソクラテスから始まったロジカルな西洋文明では、そうした「惻隠の情」は育まれない、いや育まれにくいのではないだろうか?
それが第二次大戦に見る、西洋列強の覇権主義、現代の中東などで見られる混沌とした世界情勢からも未だに感じられる。
西洋人は、哲学の発展と文明の進歩とともに、一体なにを学んだのか?本書を読んで、わしはそうしたことに深い興味が湧いた。
そして、東洋は、日本人は何を学ぶべきなのか?
目には見えないあいまいなものを感じる心。
またそうしたものを表現する言葉・文化・習慣。
それがいわゆる和の心というものだろうか?
もしくはいわゆる、えーと……風流ってやつですか?w
そうしたものも決して悪いもんじゃないなぁと、この本を読んで思ったのだった。
まぁそんな「和の精神」なんて、最近はどこ吹く風のようだけど…(;´∀`)
良いところ
あらすじ
本書は西洋思想をテーマに、ソクラテスから現代思想までをざっくりと一望する入門書である。
哲学史を「人生をどう生きるか?」という視点で再構築し、各思想家が何に悩み、何を訴えたのかを、会話や比喩を使いながら平易に解説している。プラトンは“理想のカリスマ”、デカルトは“論理のストイック”、カントは“理性のガチ職人”としてキャラクター化され、現代人の目線でも理解しやすくアレンジされている。章ごとに人物が変わるため読みやすく、各章の最後には齋藤なりの「活かし方」が記されており、思想が“実用的”な知識として定着するよう工夫が施されている。硬派な哲学書では味わえない“親しみ”と“納得感”が最大の魅力だ。
では以下に良いところを挙げていこう!
誰でもわかる、軽快な語り口
齋藤孝の最大の武器は“話し言葉”である。
難解な専門用語や厳密な定義に頼らず、ユーモアと日常的な例えを駆使することで、初学者でもぐいぐい読める。たとえばカントの「純粋理性批判」を「“頭でっかちな哲学部生”みたいなもの」と語るあたり、そのセンスは圧巻である。
学問を“閉じた世界”から“開かれた話題”へと導く力がある。
思想家が“人間”として描かれる
多くの哲学書は思想の体系を語るが、本書では思想家の“人間臭さ”に焦点が当てられる。
ニーチェの孤独や、マルクスの苛立ちといった情動に触れることで、読者は“思考の背景”まで立体的に捉えることができる。これは思想を“覚える”のではなく“感じる”読書体験へと昇華させている証左である。
教養としてすぐに使える構成
本書は各章が独立しており、特定の思想家だけを拾い読みできる構成になっている。
また、最後のまとめでは「現代でどう活かすか」まで踏み込んでおり、読後すぐに日常会話や議論の場で活用できるのも強みだ。「この前読んだ本にこう書いてあったよ」と語るときに“重すぎず軽すぎない”ちょうどよさがある。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
次に悪いところを挙げていこう。
本質を端折りすぎる危険
“ざっくり”であることは魅力である一方、哲学の核心部分が省略される場面も多い。そのため、しっかりした理解を求める読者には物足りなさが残るだろう。あくまで「入り口」であることを忘れてはいけない。
ネタ感が強く、学問的な重みは薄い
例えや比喩のセンスは抜群だが、それが逆に“軽すぎる印象”を与える場面もある。とくに哲学に敬意をもって取り組む層にとっては、冗談が過ぎると感じる可能性がある。
著者の主観が強く出る箇所がある
齋藤孝の視点を魅力と捉えるかどうかは読者次第だが、思想家の紹介において「断言」が多いのはやや危うい。あくまで“齋藤解釈”として読む姿勢が求められる。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 難しい哲学書に何度も挫折した人
- 西洋思想をざっくり把握して教養として話したい人
- 大学生や社会人で“知的雑談”のネタがほしい人
『齋藤孝のざっくり!西洋思想』は、西洋哲学を初めて学ぶ人にとって絶好のスタート地点である。
“ざっくり”という言葉に甘んじることなく、要点を鋭く抉り出すその手法はまさに教養の“導火線”となる一冊だ。思想を難しいと感じていた読者は、この一冊で一気に“知の世界”へ踏み出すことができるだろう。過度な専門性にとらわれず、それでいて本質から逸れない絶妙なバランス感覚が光る。齋藤孝の語りは軽妙洒脱でありながら、読者の知的欲求を確実に満たす。
手元に置いて何度も開きたくなる、そんな一冊である。

哲学を笑いながら学べる時代が来たのじゃ!