プロモーション

東大教授2人のポップな雑学トークが楽しい理由

2017年6月1日

  1. HOME >
  2. Books >
  3. エッセイ >

東大教授2人のポップな雑学トークが楽しい理由

2017年6月1日

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
ドラねこ
ドラねこ

ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!

キミは佐藤君と柴田君は好きかい?

『佐藤君と柴田君』って、教授のエッセイ? 東大の先生のエッセイなのか?

まいける
まいける
ドラねこ
ドラねこ

そうじゃ!

東大の翻訳&英語講師が語る文化論と雑学がおもしろいエッセイなのじゃ!

でも東大って難しいんじゃね?

まいける
まいける
ドラねこ
ドラねこ

それがどうじゃ。

ビートルズからオナラ学まで、ポップに飛び回っておるのじゃ。

へえ、そんな無茶な話が面白いのかね?

まいける
まいける

\ ココがポイント!/

ドラねこ
ドラねこ

『佐藤君と柴田君』は、東大在籍の知識人・佐藤良明と柴田元幸によるリレー形式のエッセイ集なのじゃ!!

日常の大学裏話から翻訳論、60~70年代ロック、そして「オナラ学」に至るまで、雑多でありながら一貫した“知的ユーモア”の軸を通している。佐藤の文体はドロンコ好きで混沌愛、一方柴田はナップザック背負いながら齧歯動物のように駆け回る大学事情を軽妙に描写 。若者も抵抗なく読める軽さながら、文化批評や社会批判の“ちくり”も含んだバランスが絶妙。翻訳・音楽・学問に関心のある読者はもちろん、知的な雑談を楽しみたい人にとってもうってつけの一冊である。

佐藤君と柴田君

いやぁ、おもしろいねぇw

こんなにおもしろいエッセイがあるんだ。

 

元々外国文学に興味があって、柴田君(失礼)の訳した本とか「生半可な學者」とかはいくつか読んでいたんだけど、こんな風にもう一人の學者さん(佐藤君)と交互にエッセイを書いている本は始めてだ。

といっても、わしはこっちよりも最初に続編の「佐藤君と柴田君の逆襲!!」の方を先に読んでしまったんだけど、柴田君の方はしっていたけど佐藤君が誰なのかイマイチわからなかったw

 

一応説明しておくと両方共「東大の先生」で、英米文学を教えているんですね。

佐藤君こと佐藤良明氏はトマス・ピンチョンやグレゴリー・ベイトソンなどを翻訳している學者さんで、柴田元幸氏はご存知、盟友・村上春樹氏とともに数々の翻訳を手がける現代日本を代表するすごい翻訳者である。

 

ピンチョンつったら名だたる研究者や文学者がこぞって論じ合う20世紀を代表する大小説家だし、柴田先生の方はポール・オースターなどの翻訳で特に有名だ。

そんな「天下の東大」に勤めている二人が、本書で柴田氏が「ボーン・イン・ザ・工業地帯」なんて文章を書いていて、めったに人に頭を下げなくていい結構な身分のはずなのに……まったく學者らしくないw

 

いや、これは悪口じゃないよ。ホントに良い意味ですよw

 

普通東大っていったら日本の超頭脳が集まるものすごい場所というイメージがあって、そこに勤める教授といえばそれはもうスゴイ博学な天才たちといった印象なのに…

 

変わり者の二人・・・でも

それがどうであろう。

この本で紡がれる二人の東大教授の文章は、なんとも権威主義とは無縁なポップな様相を呈していて、読んでいて非常に飽きない。

 

特に柴田氏に限っていえばどこまでも謙虚というか、卑屈なくらいに謙遜をしていて、逆に佐藤氏は東大の先生らしからぬアバンギャルドさと行動力で、アカデミズムの激烈な競争を勝ち抜いて天下の東大に務める人はこんな人達なのかと半ば呆れつつ、性格が対照的な二人を読んで知っていくと非常に親近感が湧くw

こんなおもしろい學者先生は世間に滅多にいないだろうw

それでいて本書の巻末のあとがきで池澤夏樹氏も指摘しているように、やっぱりこのふたり、東大の文学の先生というだけあって文章はウマいし、音楽や文学、そして時折垣間見せる英米ポップスの知識にも精通していて、そうしたふたりのときにアカデミックな文章を読んでいると、最初「こんな人達がホントに東大の先生なのかな?」とびっくりしてしまった印象は薄れていき、やっぱりちゃんとした先生なんだなという安心感を覚えながら最後まで読み通せてしまうw

 

つくづく東大って、懐の大きな大学なんですね(;´Д`)

 

続編を読んでも軽快なグルーヴ

最初の本である「柴田君と佐藤君」の方は、けっこう力の抜けたエッセイが中心であっという間に終わってしまったのと対象的に、続編の「佐藤君と柴田君の逆襲!!」の方では、主にお二人が翻訳している文学をたくさん紹介&解説をしてくれているが、こちらも読んでいて味わい深いというか、なんとなくやはり普通のエッセイとは違った独特のグルーヴ感にいつの間にか飲み込まれ、引き込まれてしまう。

 

とにかくおもしろい!

佐藤先生の人を食ったような文章がぐんぐんと読者を読み進めていってしまうドライブのある文章だとすると、柴田先生はとても優しく親切に読者に丁寧に敬意を払っていただきながら、知的で示唆に富んだ文章で笑わせてもらえる。それがこの本の絶妙なコンビネーションを生んでいるのだ。

 

こうした本は文章を書く際に大変勉強になる。

たくさん読めば文章、きっとおもしろい文章を書くのに役に立つだろう(たぶん)

それくらいおもしろい二人の東大教授の掛け合いに、アメリカ文化や懐かしの90年代の様子が垣間見えて、なんだかちょっとうれしくなった。

 

二冊ともおもしろいので、是非両方ともしっかりと読んでもらいたい。

 

良いところ

あらすじ

本書は佐藤良明(アメリカ文学・ポピュラー音楽研究)と柴田元幸(英米文学翻訳者)という東大の元・現教授が順に書いたエッセイをつなげたリレー形式のエッセイ集である。〈自転車&ザ・ナップザック〉〈京浜工業地帯〉〈ウッドストックの脅威〉〈給食おばさんのトップ40〉など全20章近くが並ぶ 。大学の日常風景や裏話、学生とのエピソードを交えつつ、翻訳論、ロックへの造詣、社会風刺、果てはオナラの科学まで、縦横無尽のトークが展開される。形式は対談ではなく、文章リレーによる“掛け合いライク”な構成。雑誌・新聞掲載のエッセイを収録しており、軽快なテンポで楽しめる一方、教養や批評性も随所に垣間見える。

読後には東大教授2人の素顔と知的遊び心を覗いた気分が残る一冊である。

では以下に良いところを挙げていこう!

知性とユーモアが融合した「大人の教養」

本書最大の魅力は、東大教授でありながら「高尚」さに固執せず、軽妙な語り口で知識とユーモアを行き来する点である。

佐藤のアメリカ文化・ロック音楽への造詣は深く、それを難解な学術語ではなく、日常のことばで綴る。柴田の翻訳と文学への視点も、決して堅苦しくならず、ちょっとした世間話に混ぜ込まれている。この知と笑いのバランス感覚こそが、読者を引き込む原動力であり、現代における“教養の再発見”とも言えるだろう。

雑談形式がもたらす読みやすさと親しみ

文章はリレー形式でありながら、あたかも二人が交互に会話しているかのようなテンポで進む。

テーマは多岐にわたるが、文体は一貫して軽妙で、まるで大学の休み時間に教授たちが立ち話しているのをこっそり聞いているような錯覚を覚える。この親密さが、専門性の高い内容すら「わかる」「面白い」に変えている。読書慣れしていない人でもすんなり読める構成は、間口の広さという点でも秀逸だ。

ポップカルチャーから社会批評まで網羅

ロック、翻訳、映画、日常、政治、食文化、はてはオナラまで。

扱われるテーマは驚くほど広範囲であるが、全てにおいて共通しているのは「日常から世界を見る」視点である。それぞれの話題が一見雑多に見えても、どこかで現代社会への批評性を宿しており、読者に「考えるきっかけ」を残してくる。

この視座の広さと深さは単なる雑談やエッセイを超えた読み応えを持っている。

気になった方はこちらからどうぞ

悪いところ

では以下に悪いところ挙げていこう。

前提知識がないと理解しづらい箇所も

ときおり翻訳論やアメリカ文学、60年代ロックなど、専門的知識が前提の話題が登場する。

知っていれば面白いが知らない読者には「何のこと?」と感じる部分もあるだろう。特に若年層や文系以外の読者にとっては、その文脈に乗りきれない可能性がある。

まとまりに欠ける印象も

リレー形式で各回のテーマがバラバラなため通読して「ひとつの作品を読んだ」というまとまりにはやや欠ける印象がある。章ごとの完成度は高いが、章をまたぐ流れやストーリー性を求める読者には物足りなさを感じるかもしれない。

一部のユーモアが世代的に古い

教授たちの冗談や比喩には、970〜80年代の文化背景が強くにじんでいる部分があり、若者にとっては「古い」と感じるユーモアもあるだろう。年配読者にはノスタルジーとして刺さるが、世代ギャップは確実に存在する。

そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まいける
まいける

まとめ

こんな人におすすめ!

  • 雑談風エッセイから知的刺激を得たい人
  • 文学・翻訳・ポップカルチャーに関心のある人
  • 東大教授の“素顔”や大学生活に興味がある人

『佐藤君と柴田君』は、教養と雑談が交差するユニークなエッセイ集である。二人の東大教授がそれぞれの得意分野を持ち寄り、文化・社会・日常を自在に語る様は、まさに知的な“井戸端会議”とも言えるだろう。文章は親しみやすく、それでいて示唆に富む。読み物として軽快でありながら、読後にしっかりと残る“考える種”があるのは、著者たちの知見と経験が裏打ちされているからだ。読み手の知的好奇心に柔らかく火をつける一冊であり、今後の読書の「広がり」へとつながる起点にもなるだろう!

ドラねこ
ドラねこ

ふたりの教授の語らいは、まるで星を見ながら話す深夜のラジオのような心地よさなのじゃ。


LINEスタンプ販売中!
f:id:Doraneko1986:20140213211017p:plain

  • この記事を書いた人

ドラねこ(おいさん)

「運も人生も、自分で掴み取れ!」をモットーに、吉方旅行をきっかけに運気を上げる旅や、旅先で本当に使える便利アイテム・ガジェットを中心にレビューしています。 「旅と運を味方につけたい人」に役立つ、リアルでちょっとお得な情報を発信中。 お気に入り登録・SNSフォロー大歓迎!

follow us in feedly