
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは猫の秘密をどれだけ知っているんだい?
猫って気まぐれで、何考えてるかわかんねーだろ


それは人が猫の“秘密”を知らぬからなのじゃ
おめーに秘密なんてねーだろ。


バカモノォ!わしはねこではない!
山根明弘が書いた『ねこの秘密』を読めば、その考えは変わるのじゃ!
オレ、うさぎだからなあ⋯
どうでもいいんだよなあ⋯

\ ココがポイント!/

『ねこの秘密』は、獣医師であり動物行動学の専門家の猫という生き物の「本当の姿」に迫る一冊なのじゃ!!
ただ可愛いだけの存在ではない、猫の行動や心理、進化の過程までを平易な言葉と具体的なエピソードで解き明かしていく。
最大の魅力は、科学的知見と深い愛情のバランスにある。著者は単なる研究者ではなく、猫と日々向き合う臨床家であり、語られる言葉には血が通っている。
また読者の感情を揺さぶるような猫との別れや、奇跡のようなエピソードも多数盛り込まれており、読み物としての完成度も高い。
猫をより深く理解したい、猫との暮らしをもっと豊かにしたいと願う者にとって、この本はまさに「教科書」ではなく「共感書」である。
猫を「知る」ことで私たちは猫と「つながる」ことができる。そんな一冊である。
ねこの秘密
これは以前も何度も書いたけど、わしは子供の頃、多くのネコを飼っていた。
わしがかつて飼っていたネコの数は最大で18匹。
どれも強烈な個性の持ち主で、いつもそんなネコたちと暮らしながら時に遊んだり、喧嘩したりを繰り返して、わしはけっこうなかよく過ごしていたと思う。
そんな生活を長いことしていたから、わしはネコについて多くのことを知っているつもりだった。
しかしこの本を読んでそれがとんでもない思い間違いであったことがよくわかった。
あんなに身近にいたネコを、わしはなんにも知らなかったのだ。
そんなねこについての歴史とちょっとした豆知識を少し解説していこう。
ねこと人間の共生の起源
今から9000年から1万年前に、キプロス島から地中海を隔てたメソポタミア周辺(現在にイラクあたり)で、農耕と定住が始まりました。古代エジプトよりも数千年も古い時代です。
この年代がキプロス島のシルロカンボス遺跡の時期にみごとに一致しています。このことから、農耕が始まり同時にネズミ対策も必要となったメソポタミア周辺で、ねこへの家畜化が始められ、それがキプロス島を含む周辺地域にも持ち込まれたのではないかと推察されています。
p24
ねこと人間の付き合いは古い。
「今から9000年から1万年前に、キプロス島から地中海を隔てたメソポタミア周辺」にねこたちと人間は共存生活を営むようになったと本書はいう。
犬の方がそれよりもきっと狩猟採集生活をしていたころから付き合いはあっただろうからねこよりも長いだろうけど、それでもねこも負けず劣らず人間との長い共存をしてきたのだ。
だが、ねこはいつもマイペースで飼い主のことなんか知らんぷりで生きている。
そこがネコの一つの魅力であるw
ミステリアスと崇められていたねこたち
人間の側からの一歩的な思い込みであるとはいえ、古代エジプの時代には、ねこは尊敬され、讃えられ、そして現在の私たちには信じられないほど大切にされていまいました。
それはこの時代の人々がネズミを退治してくれるという、ねこの実利的な価値をはるかに超えて、ねこの持つ「美しさ」や「しなやかさ」、「多産なこと」、そしてなにより「ミステリアス」な部分が非常にポジティブに受け入れられていた結果だと思います。
p29
そんなネコも意外に古代エジプトでは崇拝され、「現在の私たちには信じられないほど大切にされていまいました」のだという。
ちょっと現代では想像もつかないけど、なんでもその「ミステリアス」な部分に多くは魅せられていたのだという。
へぇ、昔は今よりも信じられないくらい可愛がられていたのか。
古代の人にとってネコとはなくてはならない存在だったんだね(^^)。
ねこの視力は人間の10分の1。
視覚:人間とねこが同じものを見ていても、その目から見える景色は人間とずいぶんと違ったもののようです。
ねこの視力は、人間の10分の1程度と言われています。目から15メートルより近いものはよく見えません。一番良く見えるのが2〜6メートル離れたものとい言われています。
また、20メートルを超えると、動くものでなければあまり認識できないようです。
p109
知らなかった。ねこって案外視力が悪いんだねw(;´∀`)
わしもだいぶ悪いけど、「人間の10分の1程度で、一番良く見えるのが2〜6メートル」というのはわしも同じくらいかもしれない。
確かにねこはこのくらいの距離に近づくと途端に警戒しだすもんね。
それ故に交通事故にも合いやすいんだろう。
チョコレートがダメ
また、お菓子のチョコレートに含まれている成分も、ねこにとっては毒になります。昔から、アワビを与えるとねこの耳が落ちると言われていますが、これもあながちウソではなさそうです。アワビやサザエの特に内蔵に含まれるある成分が、日光にあたると有毒化するようです。毛が密ではなく、日光に当たりやすい耳などでは、その毒物質のために炎症が起きてしまうようです。
その他にも竹輪や蒲鉾などの練り物や、人間用の缶詰などの加工品もなるべく与えないほうがいいようです。人間が食べ物の味付けや、保存に使う塩の濃度は、ねこにとっては濃すぎるからです。
p138
チョコレートは昔飼っていたネコたちに普通に与えていたかもしれない。
アワビやサザエなんて高いものは与えたことがないけど、当時は色んな餌をネコに与えていて、ネコってなんでも食うんだなぁと関心していたっけw
でもネコは炭水化物から栄養を取ることができないので、あまりねこまんまもあげるのはよくない、とこの本には書かれている。
やはりネコには肉食獣らしく肉や魚などのタンパク質を与えるのがベストなんだとか。
という感じで、この他にも本書には身近によく存在するのに意外と知らない「ねこの秘密」が、他にも色々書かれている。今回抜粋した部分は本の一部分だが、ネコ好きの方にはたまらない内容だろう。
わし自身もこの本で色んなことを学ばせてもらった。
今後もしネコを飼うことがあったら役に立ちそうだ(*´∀`*)
ネコ好きの方に強くおすすめする良書である。
良いところ
あらすじ
本書『ねこの秘密』は猫がなぜ人と共に生きるようになったのか、どのような感情を持ち、なぜそのような行動をとるのかを、科学的根拠をもとに解説する作品である。
猫が喉を鳴らす理由、狩りをしない室内猫がなぜ狩りのような動きをするのか、しっぽの動きにどんな感情が込められているのか——そんな日々の小さな疑問に一つずつ答えてくれる。
と同時に、著者自身が体験した多くの猫との出会いと別れも描かれており、読む者の心に温かさと切なさを残す。
猫は人の感情を敏感に読み取り、ときに寄り添い、ときに距離を保つ。その行動にはすべて理由があり、本書はその理由を一つひとつ解き明かしてくれる。
単なるペット本ではなく、人と猫の「関係性」を深く掘り下げた知的かつ情緒的な一冊といえる。
では以下に良いところを挙げていこう!
科学的な解説がわかりやすく、信頼できる
動物行動学という専門的な知見をベースにしながらも本書は難解な言葉を使わず、誰にでも理解できる言葉で語られている。著者が現役の獣医であるため、実例が豊富であり、「なぜ猫はこうするのか?」という日常的な疑問が明快に解消されていく。猫の行動には意味があるという視点が、一貫して読者に寄り添ってくる。
感情に訴えるエピソードが心を打つ
本書の中には猫との出会いや別れ、奇跡的な回復や飼い主との絆の物語がいくつも登場する。これらは単なる事例紹介にとどまらず、読む者の心に深く響く。「猫は感情を持たない」などという誤解を見事に打ち破り、「共に生きる存在」としての猫を再認識させてくれる。涙する読者も多いだろう。
猫との暮らしにすぐに役立つ知識が満載
猫の体調の変化のサインやストレスサインの見極め方、快適な環境作りのポイントなど、実践的なアドバイスも数多く収録されている。ただ読むだけで終わらず、すぐに自分の生活に取り入れることができる点は非常に大きい。猫を飼っている読者にとっては、生活の質が確実に向上する情報ばかりである。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
猫好き以外には刺さりにくい
内容はほぼ猫に関する情報に特化しており、動物一般の行動学や心理学に期待する読者にとっては少し狭く感じるだろう。犬派や他の動物に興味がある読者にはやや物足りない内容となっている。
文体がやや感傷的すぎる部分も
科学的解説と感情的エピソードが混在しているため、人によっては「涙を誘いにきている」と感じる箇所もある。客観性よりも感性に重きを置いた章では、好みが分かれる可能性がある。
既に猫関連書籍を多く読んでいる人には目新しさが薄い
猫について詳しい読者や他の動物行動学の本を読み慣れている層には、既知の内容が多く見受けられるだろう。そのため「目からウロコ」の感動はやや薄れるかもしれない。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 猫との暮らしをもっと深めたいと思っている人
- 猫の行動や心理を理解したいと感じている飼い主
- 動物に対する愛情と科学的好奇心を両立したい読者
『ねこの秘密』は猫の不思議な行動に秘められた意味を明かしながら、私たち人間と猫の関係性に深く迫る良書である。
科学的裏付けのある知識は信頼性が高く、かつ実生活に活かせる内容が満載だ。そして何より、猫への深い愛情と尊敬に満ちた語り口が、読み手の心を温める。
日々そばにいる猫たちがこんなにも多くの感情と意図を持っていたのかと気づかされると同時に、よりよく付き合っていくヒントが得られるだろう。
猫を理解したい、もっと近づきたいと願うすべての人にとって、本書は欠かせない一冊である!

猫はただそこにおるだけで、世界をやさしくしてくれる存在なのじゃ。