
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは戦争は好きかい?
戦争が好きなヤツなんかいないだろ!


それが思考停止の始まりなのじゃ!
あーん、どういうことだ?


正義とは時に、刃をもって守るものになるということなのじゃ。
うーん、まぁそうかもしれないがなあ。

\ ココがポイント!/

『ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論』は、現代日本に蔓延する“平和主義幻想”に真っ向から反論を突きつける一冊なのじゃ!!
戦争は常に悪なのか?正義とは何か?国家を守るとはどういうことか?そういった問いに対し、小林よしのりは徹底的にリアルな視点で切り込む。
本書の目的は、戦争を賛美することではなく、戦争という現実を直視し、その意味と責任を引き受ける覚悟を問うことにある。戦争を語るには覚悟がいる。だが、語らないまま平和を叫ぶことこそ、無責任なのではないか。本書は読者に“思考”を強いる。
その意味で最も知的で最も危険な戦争論である。
新戦争論1
かなり月日が経ってしまったような感じがするけど、今回改めて紹介するマンガは小林よしのり氏の「新戦争論」
これはわしが初めて買った電子書籍の本なんですが、やっぱり買ってよかったw
というのもゴー宣は大体いつもページ数が厚くて、紙の本を持って読んでいるといつも手が痛くなるんだけど、今回わしが買ったのは電子書籍だから非常に楽である。
「新戦争論1」は正直、大ベストセラーになった「戦争論」に比べて大したことがないんじゃないかと思っていたからだ。
しかし読みすすめるうちにその予想は大きく覆されることになる。
ここまで現在の日本の置かれている危機的な状況を、冷静に言い当てているマンガはそう見当たらないからだ。
小林よしのり氏の筆の冴えはすでに第一章「ウォーボット・ゲーム」から始まる。
「ウォーボット・ゲーム」はこれからの戦争は、人間が人間を殺す時代ではなく、ロボットが人間を殺す時代を描いている。
しかもそのロボットたちを操るのは敵国の兵士たちではない。子供たちなのである。
この悪夢のような世界は、わしにはまるで「ガンダムW」のような世界を思い出させた。
いつか人類はネットを通じてスマホのアプリなどで、ゲーム感覚で人を殺していく時代に突入するかもしれない。
そんな描写から始まった一章はそれがとても絵空事とは思えないリアルさで読者に訴えかけてくる。
もう10年くらい経つと、実際に世間に居場所のない少年たちが、日常の空白を埋めるようにアプリを通じて中東などの戦闘地帯で殺人ゲームに参加するのが現実となるかもしれない。
そんな恐ろしさがこの章では語られていた。
英霊が守りたかった「クニ」
第13章「靖国神社を守るのか、英霊が守りたかった日本を守るのか?」も読んでいて非常におもしろい章だった。
自称保守は不戦の誓いなどと言って札束外交を展開する安倍ちゃんを養護するが、それがいかに的はずれであるかを非常にわかりやすく懇切丁寧に解説してくれる。
これを読めば靖国神社に参拝しただけで「保守」などという戯言は成り立たないということがよく分かる。
英霊たちが守りたかったものが一体何であるか?
それをもう一度考えたい。
少女たちの想い
「 新戦争論1」は思わず涙なしには読めない部分もある。
第14章「国民の手本、少女学徒隊」で、まだ10代の少女たちが如何に国に尽くして死んでいったか、その壮絶な生き樣は涙なしには読めない。
「私達の卒業証書は靖国神社の入場券になる」という言葉を残して死んでいった少女たちの思いを、今の全日本人が深く胸に刻むべきだろう。
詩人の素直な言葉と日本の喪失
そしてなによりも読んでいて心が震えたのが、最終章「葛藤の果てに「ひょん」と死ぬる」の23歳で戦死した竹内浩三という青年の「詩」である。
竹内は天性の詩人としての素直なことばで実際の「戦争」とその戦争を語った文学や映画などのニセの戦争の違いを綴りながらこう語る。
あの敗戦で日本人が失くしてしまったもの。
戦前の日本人なら誰もが持っていた「日本人としての魂」を、竹内は自らの言葉でしっかりと語っている。
その言葉は驚くほど戦後日本の低たらくな現状を言い当てている。
戦争に行った一人の青年が、これほどまでに現在の日本を的確に予言していたという事実に、わしは思わずその想像力には恐れいってしまった。
そんな竹内が現在の日本をみたらどう思うであろうか?
それを想像してわしは心が暗くなる思いだった……。
「人は信じたい情報しか信じない。」
この一言を読んで、現在の日本は本当にそんな感じに陥ってしまって、みんなが自分の頭で考えることを放棄してしまっているなと感じてしまう。
それがいかに恐ろしいことであるか?
ニヒリズムがいかに国を滅ぼすか?
もう少し、わしらはそのことを真剣に考えてみるべきではないかと本書を読んで思った。
いつの日も思考を停止させてはいけない。
良いところ
あらすじ
『新戦争論』は、ゴーマニズム宣言シリーズの中でも特に政治的・思想的に重厚なテーマを扱う作品である。
主軸は「戦争=絶対悪」という日本社会に蔓延する価値観への挑戦。小林よしのりは、戦後日本の平和主義が“思考停止”に陥っているとし、歴史・国際関係・個人の覚悟という3つの視点から再構築を試みる。イラク戦争、9.11、靖国神社問題など当時の具体的事件を交え、国家と個人の関係性を浮き彫りにする。また戦争を「美化」するのではなく「引き受ける覚悟」を強調することで、読者に考える“責任”を迫る構成になっている。
マンガという形式を用いながらも内容は極めて骨太な思想書である。
では以下に良いところを挙げていこう!
思考を促す挑発的メッセージ
本書の最大の魅力は、読者に“考えること”を強いる点だ。
平和=正義という一元的思考を疑い、読者に問いを投げかけることで、思考停止からの脱却を促す。プロパガンダ的な押しつけではなく、論理と問いの積み重ねで構成されており、真剣に読むほどに読者自身の思想の輪郭が見えてくる。
マンガ形式で読みやすく深い
政治思想書としては異例とも言えるマンガ形式を採用し、難解なテーマも視覚的・感情的に理解しやすくしている。
特に、人物の表情や場面のテンポにより、議論の空気感を直感的に伝えることに成功している。
活字では読み飛ばしてしまうような議論も、視覚的な導入で深く刺さる。
タブーに切り込む勇気と覚悟
靖国、愛国心、自衛戦争、そして“死”の意味。
これら多くの人が語ることすら避けるテーマに対して、小林よしのりは真正面から向き合い、自らの言葉で綴っている。これは賛否を呼ぶだろうが、だからこそ読む価値がある。思想的にどちらの立場であれ「戦争を語る」ための材料を提供してくれる稀有な作品である。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
誤読を招きやすい構成
挑発的な表現が多いため、一部読者に「戦争賛美」と誤解されるリスクがある。文脈を無視した引用や部分読みでは危険性すら孕んでいる。
中立性に欠ける主張
強い思想を持つがゆえに客観的なデータや対立意見の紹介が少なく、「信じるか否か」で読者が分かれる構成になっている。思想的バランス感覚を重視する人にはやや一方的に映るかもしれない。
当時の時事性が強く、今読むと古さも
2003年のイラク戦争や9.11など、当時の時事問題をベースにしているため現代の文脈と照らすと古く感じる部分もある。ただし本質的議論は今でも十分通用する。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 「戦争は悪」とだけ教わってきた人
- 政治や思想について自分の意見を深めたい人
- タブーを恐れず本音で語りたい人
『新戦争論』は思考停止に陥った“平和主義”に対する鋭利なカウンターである。
戦争を礼賛するわけでも平和を否定するわけでもない。ただ現実に向き合い、考えることをやめるなと訴えている。平和を願うならこそ戦争について考えるべきだ。本書はその出発点となるだろう。難しいことを簡単に語らず、しかし難しすぎない言葉で届けてくれる。
マンガという形式を最大限に活かした“思想書”として、一読の価値は間違いなくある。

平和とはただ願うものではない…守る覚悟こそが、本物の平和を築くのじゃ。