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Doraneko&Donuts

おすすめの本と映画と音楽をお茶を飲みながらまったりと語るブログ

「保育園落ちた日本死ね!!!」の解決法は保育園義務教育化なワケ

おすすめの本

今週のお題「プレゼントしたい本」

保育園義務教育化

 

こんちわ、おいさんだよ。

今日も読んで面白かった本を紹介していくよ。

 

今回紹介する本は、古市憲寿氏の「保育園義務教育化

たまたま本屋で手に取ってみたら現代の少子化について非常に興味深いことを書いていたので今回ここで取り上げてみるよ。 

 

そんなドラねこおすすめ書店・第105回目は保育園義務教育化を紹介します(*´ω`*)

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保育園義務教育

保育園義務教育化

保育園義務教育化

 

もう随分前のことになってしまっただけに、多くの人が忘れてしまったかもしれない。

現在の日本の保育園問題について悲痛な叫びが社会問題になったことが。

anond.hatelabo.jp

そんな働く女性の悲痛なまでの叫びも、その後国が保育園を作ろうとしても一向に進まず、待機児童の問題が未解決なままである。

わし自身もそうした問題に過去にいろいろ本を紹介しつつ、言及してきた。

www.doraneko86.net

そんな状況に一石を投じる本に先日出会った。それがこの「保育園義務教育化」である。  

 

読んでみると「なるほど」というような目からウロコな視点が多い。

著者・古市氏が指摘するような改善方法を実施すれば現在の待機児童の問題も、働きたいのに働けないお母さんの苦しみや、日本の経済までもよくなるであろうことが本書には書かれている。

 

でも、社会学者である古市氏がなぜいきなり待機児童の問題に興味を持ったのだろうか?

(前略)そんな風に「赤ちゃん」や「子ども」を遠いものだと思っていた僕が、この『保育園義務教育化』という本を書くことになったのは、本当に偶然のことだった。

椎名チカさんのまんが『37・5℃の涙』をお風呂で読んでいて、あまりにも子育てをするお母さんの環境が理不尽だと思ったのだ。

「37・5℃」とは、一般的に言われる子どもを保育園や幼稚園に預けられる体温のボーダーライン。子どもがその体温を超えてしまうと、親(多くの場合、お母さん)は仕事中であろうが、保育園まで我が子を迎えに行かないとならない。

そんなときに「病児保育」という制度があることを知っていたし、その先駆けが友人のい社会起業家である駒崎弘樹さんだということも知っていた。だけど『37・5℃の涙』を読んだ時、急に実感を持って「子ども」をめぐる世界の異様さに気づいたのだ。

なぜ労働力不足と少子化の時代に、働きたいといってくれているお母さんたちが、ここまで苦労しないといけないのか、と。

p184 

確かに現状のお母さんの置かれている状況は理不尽なものが多い。

 

この本を読んで色々驚かされたのが、過剰な母性を強要する日本の社会状況や、科学的根拠の怪しい「母乳教」など様々な不合理で理不尽な状況に晒されつつも、歯を食いしばって働こうとしている女性たちの姿がリアルな数字を持って克明に紹介されている。

 

なぜ日本の女性たちがここまで虐げられながら子育てをしなくてはいけないのか? 

 

なによりも本書のあとがきで紹介されている「37・5℃」という、一般的に言われる子どもを保育園や幼稚園に預けられる体温のボーダーラインなどというものがあることすら、未婚のわしには知らなかった。 

日本で女性の働いている割合が最も少なかったのは、1975年のことである。

だから戦後日本で、外で働いた経験がもっとも少ないのは、団塊世代の女性ということになる。団塊の世代とは、1974年から1949年に産まれた人たちのことだから、今だいたい60年代後半の人々。ビートたけしさんや小倉智昭さん、泉ピン子さん世代である。

ということは、男性は「サラリーマン」として外で働き、女性は「専業主婦」として家事と育児に専念するというモデルには、たかだか週十年の歴史しかないということになる。

というか、それは経済に余裕のある時代にのみ成立する生き方だ。事実、1990年には、専業主婦がいる世帯の数は、夫婦共働き世帯の数に追い抜かれている。

「サラリーマン」と「専業主婦」は1960年から1990年頃の、日本経済が好調だった時代の産物だったのだ。それは日本の伝統でも何でもない。

p100

やはり実際に子どもを持ったことのない人間には、現状の子育てのリアルな状況がわからない。それは自分の経験を押し付けてくる「おじさん」たちとなんら変わらないだろう。

 

早期乳幼児教育の大切さ

そんな中、本書でも再三強調されているのが早い段階での乳幼児への教育の大切さだ。

 

古市氏は1960年代アメリカで行われた「ペリー幼稚園プログラム」を例に乳幼児教育の重要性を指摘する。

「ペリー幼稚園プログラム」とは、直接的な頭の良さを計る「IQ」や「学力」とは違った、「人間力」や「生きる力」といった「非認知能力」を向上させることに主眼をおいたプログラムだ。

アメリカでは長いことこうした科学的根拠の基づいた実験において 「非認知能力」が高いものほど社会でも成功が高いという結果が出ているという。

確かに、この社会、「学力」だけでは生きていけない。むしろ「やり抜く力」や「意欲」や「根気がある」といった「非認知能力」が重要になる局面は多い。

ヘックマン教授らの研究によれば、人生における「成功」は筆記試験で図れるような「賢さ」よりも、この「非認知能力」が重要になることがわかっている。

意欲や、長期的計画を実行できる力、他人と働くために必要な感情の制御が、大学進学率や年収、健康、犯罪率に大きく関係するというのだ。

p71

これは多くの方が社会において実感されていることだろう。

詰め込み教育を施された「頭でっかち」ほど社会において役に立たず、「やり抜く力」や「意欲」のある人間の方が出世したり、周囲の人間とうまくコミニュケーションを取りながら仕事をすすめることができる場面に多く出くわしたことはないだろうか?

 

わし自身もそうした現場に多く見てきたし、この指摘は決して間違っていないと思う。

そして何より、こうした「非認知能力」が高い人間は、将来、社会に出ても感情の制御が効いて、大学に進学する割合も高くなり、年収が高い仕事に就けたり犯罪率も低下することがわかっているという。

ちなみに女性の労働力率を上げるには、子ども手当てを支給するのではなく、保育園を整備したほうが効果的なこともわかっているという。

「経済成長」が大好きなおじさんたちは、「東京オリンピック」や「リニアモーターカー」といった話題は大好きだ。そのくせ「少子化」や「待機児童」といった話題には、「なんとかします」といいながら、あまり興味がなさそうである。

しかし実は、「保育園義務教育化」は、少子化解消のみならず、日本の経済成長にも貢献するアイディアだったのだ。

p123

こうした良い事ずくめの「非認知能力」の大切さをこうまで説かれたら、親御さんは是が非でもこの力を高めたいと思うのではないだろうか?

 

草食系でも大丈夫?

しかし、そうした少子化問題もおっさんたちによって「若者のセックス離れ」みたいなことで批判されることがある。

しかしそうしたことは現在の少子化においてまったく根拠のない的はずれな議論であることを本書では指摘する。

また国立社会保障・人口問題研究所(国もきちんとこういうことを調べているのだ)が2010年に実施した調査によれば、20歳から24歳の未婚男性のうち、セックスの経験がない人は40・5%だった。

ちなみに30歳から34歳の未婚男性でセックス経験のない割合は26・1%だった。また、30歳から34歳の未婚女性でセックス経験のない割合は23・8%だった。要は、30代前半で独自の男性と助成は、4人に一人は童貞なのだ。

(中略)

やはり若者のセックス離れが進んでいるのは本当なのだろうか。

しかし統計を見えるときの基本は過去と比べることである。日本性教育協会の調査を見てみると、大学生のセックス経験率は確かに2005年と比べれば下がっているのだが、バブルが始まりかけていた1980年代後半のほうが今よりも経験率は低い

1987年の男子大学生のセックス経験率は46・5%、それより前の1981年では32・6%、1974年にいたってはわずか23・1%だった。昔の若者のほうが、今と比べればはるかにセックスをしていなかったのである。同様に高校生のセックス経験率も昔のほうが低い。

p128・129

なぁーんだ、そうだったのか(*´ω`*)

確かにおっさんどもはやたらに現在の社会の状況を「若者の◯◯離れ」とやたらに押し付けてくるが、そうした状況は現在の待機児童問題でも少子化の問題でも議論のすり替え、責任転嫁以外の何物でもない。 

そしてなにより、昔の若者の方が(若い頃のオレ達の方が)、今の若者に比べてセックスをしていたというのが、恥ずかしいほどの嘘であることがリアルな数字をもって証明されている。

 

こういうところは、おっさんたち、ダサいよねwww(*´ω`*)

重要なのは、今よりも若者がセックスをしていなかった時代のほうが、今よりも子どもの数が多かったし、出生率も高かったということである。

1974年には大学生の17%しかセックス経験がなかったが、当時は第二次ベビーブームの真っ最中。一年で約200万人の赤ちゃんが産まれていたし、合計特殊出生率も2を超えていた。

さすがにバブル期にはその頃より子どもの数は減るが、それでも1987年には135万人の子どもが産まれ、合計特殊出生率も1・67だった。当時の未婚の20代の童貞率は36・5%、処女率は59・0%で今よりも高い(2010年は男子32・8%、女子34・7%)。

そして昔よりはセックスをする若者が増えているはずの現代。一年間の出生数は2014年はついに100万人にまで減った。

「草食男子が増えたから子どもが減った」という説明は、まるっきりの嘘だということがわかる。

あたり前だが、セックスを何回もしたところで一生のうちに女性が産める子どもの数は限られているし、コンドームやピルなど様々な避妊法がある時代に性欲と子どもの数が直接的に関係しているわけがない。

僕が知っている夫婦は「そういう気分になれないから」と、体外受精で子どもを産んでいた。不妊治療を受けることは当たり前になりつつある。

「セックスをすること」と「子どもを持つこと」はイコールではないのだ。

p142・143

よく考えてみれば、この避妊の意識が浸透し、セックス経験の低年齢化を起こしている現在において、セックスをすれば子どもが産まれるという考え方は底の浅い考えだ。

「セックスをすること」と「子どもを持つこと」はイコールではない」という言葉に、おっさん政治家どもはそろそろ気づくべきだ。

 

そして安倍ちゃんはじめ、経済成長を強く訴えるおっさんどもほど、少子化対策が何よりの重要な経済対策であることをまるで理解していない。

日本では、子供が生まれても働き続ける女性の割合が未だに少ないが、実はそれは相当な生涯賃金の損失になっているというのだ。

たとえば年収350万円だとしても、出産後25年間働き続ければ、退職金や年金をあわせて約1億円の収入になる。女性が大卒で、もっと条件のいい会社に勤めていれば、この金額は2億円以上になる可能性がある。

 

一方、夫に対して「今より2億円多く稼いで」というのは、至難の業だ。

 

「私が内助の功で旦那を支える」という人がいるかも知れないが、夫の生涯賃金を2億上げるのはそれはもう一大プロジェクトだ。

それよりも、自分も働いて男女共働きになれば、世帯の生涯賃金は確実に上がる(もちろん、そのためには男性が育児・家事を積極的に関わるのが必須だ)結婚して男女がともに働くことは「最大の保険であり、最大の金融商品だ」と瀬地山さんは言うのである。

(中略)

同時に瀬地山さんは、「結婚はゴール」という幻想に対しても突っ込みを入れる。

瀬地山さん曰く、結婚を「永久就職」と呼ぶのは、「倒産率3割の会社に入って喜んでいるようなもの」だ。

厚生労働省の調べによると、現在の日本は結婚しても3組に1組が離婚する時代だ。「もし週刊誌などで「倒産確率3割」と噂されている会社に入れて喜ぶ人はいないだろう。互いにリスクヘッジのためにも、やはり男女共働きのほうが合理的」と瀬地山さんはいう。

p155・156

年収350万円でも25年働けば1億円以上の収入になり、女性に能力があって「条件のよい会社に勤めれば2億円」の収入になるというのは驚きだ。

 

つまり働かずに専業主婦に女性が増えれば、

国はその分だけ経済的マイナスを被ることになる。

 

それじゃアベノミクスをいくらやっても経済はよくならなし、消費も増えない。

女性が安心して働ける環境を整えることこそ、経済を潤滑に回していく起爆剤となるのだ。

 

それをおっさんどもはまるで理解していない。

付ける薬がないほどのバカとは、このことである。 

日本は、世界的に見ても若者や子育て世代に、ほとんどお金を使っていない国だ。

OECD諸国と比べると、高齢者向けの社会保障支出は「平均なみ」なのだが、現役世代向けの社会保障支出が「平均より全然下」ということがわかっている。

要するに、高齢者に対する介護や医療にはきちんとお金を出しているのに、この本で散々見てきた通り、子育てや育児に対する国からの支援が本当に少ないということだ。

就学前の子供には年間約100万円しか支出されてないのに、100歳の高齢者に年間約500万円が支出されているという試算もある

もちろん、誰もが高齢者になるのだから、安心して老後を迎えられる国を作ることには反対しない。

しかし、高齢者の生活のために現役世代の生活が犠牲にされるのも違うだろう。

そして当然ながら、現役世代に対する社会保障支出が多い国ほど、出生率が高くなることがわかっている。

p175

就学前の子供には年間約100万円しか支出されてないのに、100歳の高齢者に年間約500万円が支出されているという試算もある。」

 

これはどう考えてもおかしな話である。

 

年金も高齢者の介護や医療も現役世代の負担のおかげで成り立っている。

それなのに若者や子育て世代には社会保障支出が回らず、増えていく老害にばかり金をかけるこの日本社会の歪さに、現在の若者はそろそろ気づかなくてはならない。

やはり票にならない少子化対策よりも、高齢者に顔が向いてる方が自分の利益と直結する分、どうしても現役世代の待機児童問題などを後回しにしてしまうのだろう。

 

「保育園落ちた日本死ね!!!」の問題は、世にはびこるおっさんと若者たちの無知にあったのだ。 

 

その根本的な問題の解決方法が、この「保育園義務教育化」かもしれない。

 

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