

ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは星座占いは好きかい?
星占いってさ、なんか当たってる気もするけど、結局フワッとしてんだろ?


ふむ、それが浅読みというものじゃ。鏡リュウジの本を読んでみるのじゃ。
どうせ“優しくて頑固”とか、テンプレな星座の紹介だろ?


違うのじゃ。
これは魂の設計図を読む書なのじゃ。
ハァ?大丈夫か?

\ ココがポイント!/

『牡牛座の君へ』は、単なる星座占い本ではないなのじゃ!!
鏡リュウジが占星術の奥義と心理学的知見を融合させ、「牡牛座とは何か」という問いに真摯に向き合った精神の書である。
本書は牡牛座に生まれた者が自分の内面に宿る本質と可能性を静かに見つめ直すための鏡となる。地に足のついた感覚、五感の喜び、そして変化を恐れぬ内なる力──これらがどのように人生に作用するのかを、神話や哲学を織り交ぜて丁寧に導いていく。星を手がかりにして自分という存在を再定義する旅。本書を読んだあと、牡牛座の人間はより深く自己を理解し、受け入れる力を得るだろう。
占星術に懐疑的な読者にこそ読んでほしい本である。
牡牛座の君へ
茶色の表紙に小さな男の子が帽子を抑えてこちらを見つめている。
そんな可愛らしい表紙に惹かれながら本書「牡牛座の君へ」を手にとった。
なんとなくわしはこういう本を読むのが好きである。
10年前、にっちもさっちもいかなくなって宮崎で祖母と暮らしていた頃、近所の図書館でこういった本の類をしこたま読んでいた。
その当時は自分のままならない状況にうんざりして、なんとか自分とはなにか?ということを知ろうとして、とりあえず占いの本などを片っ端から読んでいたのだ。
占星術家の鏡リョウジの名前は以前から知っていた。
Yahooの無料占いなどでも頻繁に見かけてはいたのだが、著書を買ったのはこれが初めて。
一体どんなことが書かれているのか?
と恐る恐る手にとって読んでみると、なんというかふしぎな内容で一読下だけでは内容が頭に入ってこない。
ただここに書かれていることはふしぎと自分が普段から考えているようなことで、普段の生活についての感性。夢や目標・やる気。仕事・役割・長所など違和感のないことが書いてあった。
自分って一体なんだろう?
牡牛座って一体なんなんだろう?
こうしたものを読めばそうした疑問に少しでも近づけるのだろうか?
明るい未来が見えてくるのだろうか?
そんなことを期待して読んだ本書はどちらかというと普段見聞きして感じていることをやんわりと肯定されたという感じの文章が、自分のこころにそっと触れて染み込んでいくような感覚を覚えた。
当たり前すぎてつかめない
あまりにも普段考えて行動していることと違和感のない当たり前のことが多く書かれていて、僅かな時間ですっと読めてしまう。
それでいて、「ん?」一体この本には何が書かれていたんだろう?と首をひねってもう一度本を開いてしまう。
まるで自分に本文で書かれていることが理解できていないみたいに思えるが、たぶんこれでいいのだろう。
この本は何度も開いて自分に向き合うことが重要なのだ。
だから一読してなんとなく理解できなくても、時間が立った時にもう一度読んで見ればいい。
そして自分の立ち位置を何度も確認すればいい。
そうすれば自分が求めている自分らしい人生が歩めるようになるはずだ。
この本はそうして人生に道標を無くした時に静かに手をとって開いて読んでみる本なのだ。
牡牛座についてもっと別の人の見解も知りたくて動画でこんなものを見つけた。
牡牛座なメモ
何を考えているかわからない/マイペース/ガンコ
スイーツが好き/プレゼント好き/お金大好きw
なるほど、確かにあたっているw
ああ…なんとも自分が情けなくなるが、そんな自分なんだから仕方ない。
その他にもこんな内装の美しいお店に食事会に行く?それって高級レストランですか?
なかなかわしの経済力では難しいんだけど……
そんなわしみたいな牡牛座がどんな人を恋愛対象にすればいいのだろう?
あなたが愛すべき人
子猫のようにあちこち動き回る人。きまぐれでひらめくままに突っ走る人。
自分たちとは違った人に出会うと、見ていてハラハラしたり落ち着かない気持ちになる。
でも、同時にあなたはそんな人たちに対して、どこか憧れのようなものを抱いているのでは。
(中略)
守護性が金星である牡牛座は、とにかく人の話を聞くのが得意。
話を聞くことで、相手の中にある何かを引き出すこともできる。
相手の良さを引き出すことで、あなた自信も今いる場所より高く、遠い場所へ行ける。
ただし、根本的に肌が合うかというのもすごく重要。
1番わかりやすいのが、一緒に食事をとること。
一緒に食事をしてもイヤじゃない。楽しめる人。
そんな人となら、いろんな違いも超えていい関係を築いていけるだろう。
「牡牛座の君へ
」P 88・89
自由な人が好きなんだね。自由すぎる人。

わしの周りには誰もいないけど、いるのかな?そんな人。
ここでもまた「食事」が出てくるんだね。

良いところ
あらすじ
『牡牛座の君へ』は占星術研究家・鏡リュウジによる「12星座の本質に向き合う」シリーズの一冊である。
単なる性格診断ではなく、牡牛座というサインに秘められた神話的・心理的意味を丁寧にひも解いていく構成となっている。本書では牡牛座の象徴であるヴィーナス、五感の価値、そして「変化への抵抗」と「変容の力」といったキーワードが繰り返し現れる。著者は、牡牛座の「動かない強さ」と「美と快の感受性」に焦点を当て、それらが人生をどう形作るかを掘り下げていく。図や占星術の解説も交えつつ、過剰な専門性に陥らず、読者の心に寄り添う文体が特徴的である。
読むことで「牡牛座として生まれたことの意味」を見つめ直すことができる内容である。
では以下に良いところを挙げていこう!
星座の本質に踏み込む深い思想性
本書の最大の強みは牡牛座という星座を単なる性格分類ではなく、一つの“象徴的存在”として解釈している点である。
著者は占星術を「魂の地図」と捉え、牡牛座に生まれた人々がなぜ五感を大事にし、なぜ変化を恐れ、なぜ愛に敏感なのかを神話や心理学とともに語る。表面的な記述に終始せず、“自分とは何者か”を探る読書体験に仕立てているところに、鏡リュウジの真骨頂がある。
美しく詩的な文章が自己探求を促す
文体は平易でありながら詩的で美しい余白を持つ。
占い本にありがちな「当てに行く」断定的な口調ではなく「自分自身の意味を問い直す」ための静かな問いかけが続く。このため自己肯定感が揺らいでいる読者や、占いに懐疑的な人であっても、優しく自分に向き合える構成となっている。読後感がやわらかく、余韻を残すのも特徴だ。
実用性と哲学性のバランスが絶妙
章ごとに整理されたテーマは日常の中で実際に「牡牛座的性質」がどう働くのかを考えるヒントに満ちている。
恋愛、仕事、人生の選択など、それぞれの場面で牡牛座が持つ傾向や癖をどう扱うべきかが具体的に示されている。かといって即物的な指南に堕することはなく、星座を通して人生の本質にアクセスしようとする構えが終始貫かれている。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
占星術の知識が前提にある部分も
全体的にはやさしく書かれているがチャートやアスペクトに触れる場面ではやや専門的な語句が飛び出す。完全な初心者には一部、読解に引っかかる箇所があるかもしれない。
自己啓発的要素を期待すると肩透かし
「星座で人生が変わる!」という劇的な効果を期待すると、本書の語り口は少々おとなしく感じられるだろう。あくまで“静かに内面に寄り添う本”であり、モチベーションブーストを求める読者には物足りない可能性がある。
星座の境界にいる読者への配慮が薄い
本書は牡牛座の核となる性質に集中しているため、境界日(4月20日・5月20日付近)の読者にとっては「自分に当てはまらない」と感じる箇所もあるだろう。双子座寄り・牡羊座寄りといった性質に触れる補足があれば、より幅広い読者に訴求できたはずである。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 自分の星座を深く知り、人生に活かしたい人
- 牡牛座的な性格(感性・頑固さ)に悩んでいる人
- 占星術を自己理解の道具として活用したい人
『牡牛座の君へ』は占い本というよりも“自己理解のためのエッセイ”に近い。
星が示すのは運命ではなく、傾向である。そしてその傾向は、使いこなせば人生の武器になる。牡牛座の特性──美的感性、五感の豊かさ、変化への慎重さ──は現代社会において軽視されがちだが、じつは最も人間らしい魅力なのだ。本書はそれを再発見する旅に読者を誘ってくれる。
占いに距離のある読者にも届く言葉と構成で魂の輪郭を柔らかく照らす一冊である。

牡牛座の歩みは遅くとも確かなるもの。
焦らずともよいのじゃ。星はすでにおぬしの強さを知っておる。