
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
天体戦士サンレッドは好きかい?
サンレッドってヒーローなのに全然戦わねーだろ
むしろ敵のヴァンプ将軍の方が生活力があるのじゃ
そうそう、怪人たちがメシ作ったり主婦力高すぎて笑えるんだよな。
カリスマ主婦なのじゃ!
ヒーローがだらしなく、悪の組織が人情味ある。これが逆転の妙なのじゃ
しかも川崎市の日常描写がリアルで、地元感あるのがウケるわ
\ ココがポイント!/
『天体戦士サンレッド』は、従来のヒーロー物の概念を根底から覆した革命的作品なのじゃ!
ニコニコ動画で731本もの関連動画が投稿されるほどの人気を誇り、2008年から2期に渡ってアニメ化された本作は、正義と悪の境界線を曖昧にした日常系ギャグの傑作。最大の特徴は、悪の組織フロシャイムの怪人たちが極めて礼儀正しく、地域社会に溶け込んでいる点にある。一方、正義のヒーローであるサンレッドは定職につかないニート気質で、恋人のかよ子さんに依存している設定が斬新である。神奈川県川崎市との地域コラボレーションも積極的に行われ、リアルな地域密着性が作品の魅力を倍増させている。この逆転の発想こそが、20年近く愛され続ける理由であり、現代のコンテンツクリエイターが学ぶべき要素が詰まった作品といえるだろう。
正義のヒーロー⋯⋯?
ずっと神奈川にいた時に見ていた。
神奈川にいた時である。
当時、吾輩は大学生。
色々あって自立の道を模索し始めていた頃。
リーマンショックでアルバイトも見つからず、悶々とする日々を過ごしていた。
そして、ただ図書館と家を往復する日々が続き、家でダラダラとTVを見ていた時である。
アイツに出会ってしまったのだ。
そう、赤いマスクのアイツ。天体戦士サンレッドである!
神奈川に住んでいた時によく見ていたのじゃ!
これがおもしろいんじゃのう。
って言っても、アニメの方じゃなくて今回は漫画の方だろ?
そうじゃ!
今回はアマゾンのKindleセールで大量に全巻セットの漫画を買ったのでそれをレビューしていくのじゃ!
感想
では、まず本書のあらすじを要約してみよう!
あらすじ
神奈川県川崎市を舞台に、正義のヒーロー「天体戦士サンレッド」と悪の秘密結社「フロシャイム川崎支部」の戦いを描くコメディ作品。
しかし、この作品の真の主人公は悪役たちである。フロシャイム川崎支部を率いるヴァンプ将軍をはじめ、カーメンマンやアーマータイガーなど個性豊かな怪人たちが、世界征服という大義名分を掲げながらも、実際は近所付き合いを大切にし、料理や掃除に精を出す日常を送っている。対するサンレッドは確かに強いヒーローだが、定職につかず恋人のかよ子さんのヒモ状態で、性格も荒っぽく決して模範的ではない。毎話15分という短尺の中で、怪人たちの心温まる交流、サンレッドの日常生活、そして時折挟まれる戦闘シーンがテンポよく描かれる。川崎という具体的な地名や実在の商店街が頻繁に登場し、リアルな地域性も作品の大きな魅力となっている。
サンレッドにハマったのは大学時代だった。
当時吾輩は本来なら大学四年生になっているはずだった(大学中退)
その時代はリーマンショックで職がなく、家でゴロゴロしている日常が続いていた。
そう、まるでこの漫画の主人公・サンレッドのようにw
そしてそんなある日、TVをつけてみたらたまたまtvkでやっていた「これ」を見てしまったのだw
凶悪なレッド「さん」

そうTVアニメ版「天体戦士サンレッド」であるw
当時はわしも若かったのじゃ!
てゆーか、今とそんなに生活態度は変わんねえだろ。
うるさいわい!
そんな状態故にシンパシーを感じたのかすぐにこのTVアニメにハマってしまった。
この天体戦士サンレッドは川崎に住むヒーロー・サンレッドと世界征服を企む「フロシャイム」の善と悪の壮絶な戦いの様子を描いた物語なんだが、このヒーローであるサンレッドがマジでエグい。
なんというか、ヒーローを通り越してもう「ヤカラ」なのであるw
そして個人的に特にお気に入りなのは、「アニマルソルジャー」
その見た目からは想像できないような「極悪さ」も強烈であるw
ピーちゃんが可愛いよ。
あちしは「ウサコッツ」がスキでしゅw
恐るべきアニマルソルジャー

もうね、なんなんだろう?この可愛さはw
この可愛い生物(?)たちが川崎に住んでいる御当地ヒーロー「サンレッド」抹殺を企てているアクの秘密組織「フロシャイム」の一員だなんていう設定は秀逸すぎる!
ちなみにわしは「ヘルウルフ」ではない!
知ってるよ!
…でも似ているよな、見た目がw

そのキュートな見た目からは想像できないような凶悪さを秘めているのだが、その詳細は本書に譲るとして…
彼らの日常を見ているだけで癒やされる…じゃなかった旋律するのだが、この漫画は出てくる怪人たちがどこか人間味(?)があってそれがなんとも言えないおかしみを誘う。

特にカリスマ主婦と称されるヴァンプ将軍が素晴らしく、どこか売れない芸人たちのような冴えない怪人たちをこと細やかにあ叱咤激励、じゃなく家政婦さんのように毎日慌ただしく働いているw
その様子を眺めているだけで日々の日常は過ぎ去っていくのだが、それこそがこの神奈川で繰り広げられる善と悪の壮絶な戦いの中身なのだ!
いや、戦ってねえじゃん。
普通に細々と暮らしているじゃん!
いや家事・炊事は立派な戦いじゃ!
これこそ世界征服のための大切な日常茶飯事なのじゃ!
ヴァンプ将軍のさっと一品もあるよw

そしてこの漫画にはおまけマンガとしてヴァンプ将軍の「さっと一品」も収録されている。
このさっと一品がおもしろいのじゃ!
マジで簡単に出来てしまう料理ばかりなのじゃ。
どれもこれも簡単すぎる料理ばかりだぜ。
…っていうか、ほとんど手抜き料理だろ?これ全部!
いやぁ、このさっと一品のおかげで食卓が豊かになるなあ!
簡単にさっとできるのがポイントなのじゃ!
良いところ
では以下に良い点を挙げていこう!
従来のヒーロー物を覆す斬新なキャラクター設定
本作最大の魅力は、善悪の価値観を180度ひっくり返したキャラクター造形にある。悪の組織フロシャイムの怪人たちは、世界征服を目指しながらも極めて常識的で礼儀正しく、近所の住民との交流を大切にしている。特にヴァンプ将軍の人格者ぶりは際立っており、料理上手で掃除好き、近所のおばちゃんたちとも良好な関係を築いている。一方、正義のヒーローであるサンレッドは短気で粗暴、定職につかずギャンブル好きという設定で、従来のヒーロー像からは程遠い人物として描かれる。この逆転の発想により、視聴者は自然と怪人たちに感情移入し、「悪役なのに応援したくなる」という独特の視聴体験を得ることができる。「なぜか怪人たちを応援したくなる」というキャッチコピーが示すように、この設定の妙こそが作品の核心部分であり、他のヒーロー作品では味わえない新鮮さを提供している。さらに、この設定により善悪の概念について改めて考えさせられる哲学的な側面も持ち合わせており、単なるギャグアニメを超えた深みのある作品として評価されている。
川崎市との地域密着性による圧倒的なリアリティ
神奈川県川崎市との積極的なコラボレーションにより、本作は単なるフィクションを超えたリアルな地域性を獲得している。作中には実在する商店街や駅、ランドマークが頻繁に登場し、川崎市民にとっては「あ、ここ知ってる!」という親近感を、市外の視聴者には「川崎ってこんな街なんだ」という新鮮な発見を提供している。川崎フロンターレとのコラボアニメ制作や高津区による区セールス事業など、行政レベルでの連携も積極的に行われており、アニメが地域振興に貢献する成功事例としても注目されている。この地域密着性は作品の世界観にも大きな影響を与えており、怪人たちが近所の商店街で買い物をしたり、地域のイベントに参加したりする様子が自然に描かれている。実際の地理や文化を丁寧に描写することで、ファンタジーでありながら妙にリアルな日常感を演出することに成功している。また、聖地巡礼の観点からも優秀で、ファンが実際に川崎市を訪れて作品の舞台を体験できる仕組みが整っている。
ニコニコ動画での爆発的人気とネット文化への影響
2008年にニコニコ動画で配信開始された本作は、ネット配信アニメの先駆的存在として大きな話題となった。関連動画が731本投稿されるほどの人気を博し、MAD動画やファンアートの制作も活発に行われている。15分という短尺アニメという形式も、ネット視聴に適した長さとして好評を博し、気軽に視聴できる手軽さが多くの視聴者を獲得した要因の一つである。また、作品の持つシュールなギャグセンスがニコニコ動画のコメント文化と相性抜群で、視聴者同士がコメントでツッコミを入れ合う楽しみも生まれている。特に「レッドさんマジ鬼畜」「ヴァンプ様マジ天使」といったコメントが定番化し、一種のネットミームとしても機能している。さらに、本作の影響を受けた二次創作やパロディ作品も数多く制作されており、インターネット文化に与えた影響は計り知れない。
正義のヒーローであるはずのレッドさんがまったく悪人なのがとてもいいのじゃw
怪人たちとの掛け合いも楽しいのう。
まぁ、普通の戦隊もの漫画とは全然違うなw
そこは以外だったぜ。
全然違うのじゃ!
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪い点を挙げていこう。
1話15分という短尺による物語の深掘り不足
本作の大きな欠点として、1話あたり15分という短い尺による制約が挙げられる。この短尺設定により、キャラクターの背景やエピソードの掘り下げが十分に行われない場合が多く、せっかくの魅力的なキャラクターたちの潜在能力を完全に引き出せていない印象がある。特に個々の怪人たちの詳細な設定や過去の経緯、サンレッドがヒーローになった経緯などは断片的にしか描かれず、より深い物語を求める視聴者には物足りなさを感じさせる。また15分という尺では複雑なストーリー展開や感動的な場面の構築も困難で、基本的にはギャグと日常描写に終始してしまう傾向がある。長期的な物語の伏線や大きなクライマックスの構築も難しく、単発のエピソードを積み重ねる構成にならざるを得ない点は作品の可能性を制限している要因といえるだろう。
サンレッドのキャラクター設定による不快感
主人公サンレッドの性格設定は、確かに従来のヒーロー像を覆す斬新さがあるものの、視聴者によっては強い不快感を覚える要素でもある。定職につかずギャンブルに興じ、恋人に依存し、粗暴で短気な性格は、現実社会における問題のある大人の典型的な姿であり、「正義のヒーロー」という肩書きとのギャップが不自然に映る場合がある。特に、かよ子さんに対する態度は時として横柄で、現代の価値観から見ると男女平等の観点で問題があるシーンも散見される。また怪人たちが善良で常識的である分、サンレッドの問題行動がより際立って見えてしまい、作品全体のバランスを崩している印象もある。子供向けヒーロー番組に親しんだ世代には、このようなアンチヒーロー的設定は受け入れ難い場合もあり、作品の対象年齢層を限定してしまっている要因でもある。
地域限定ネタによる普遍性の欠如
川崎市という具体的な地域を舞台にした地域密着性は本作の大きな魅力である一方、川崎以外の地域の視聴者には理解しにくいローカルネタが多用されているという問題もある。商店街の固有名詞や地域特有の文化、方言などが頻繁に登場するため、土地勘のない視聴者には内容の理解が困難な場面も存在する。また、川崎市とのタイアップ要素が強すぎるあまり、時として作品よりも地域プロモーションが前面に出てしまい、ストーリーの流れを阻害する場合もある。全国の視聴者が楽しめる普遍的な要素と地域性のバランスが取れていない部分があり、作品の広がりを制限している側面は否定できない。特に海外展開を考慮した場合、この地域密着性は大きなハードルとなる可能性が高い。
正直、川崎市以外にお住まいの人にはこの面白さはあんまり響かないのかもしれんのうw
まぁ御当地モノのアニメの走りみたいな話だよな。
それにしても意外なクオリティで漫画もアニメも見ていて飽きないぜ。
特に漫画との絵のギャップに驚かされる人は多いかもしれんのう。
まぁそれでも漫画は読んでいて楽しいのじゃ。
まとめ
こんな人におすすめ!
- 従来のヒーロー物に飽きた人: 正義と悪の価値観を覆すユニークな設定で、新鮮な驚きを体験できる
- 日常系アニメが好きな人: 壮大な戦いよりも、キャラクターたちの何気ない日常描写に癒される
- 川崎市在住・出身者: 地元ネタが満載で、聖地巡礼も楽しめる地域愛に溢れた作品
『天体戦士サンレッド』は、ヒーロー物というジャンルに革命をもたらした唯一無二の作品である。悪役を主人公に据え、正義のヒーローを問題児として描くという逆転の発想は、20年経った今でも色褪せない斬新さを持っている。ニコニコ動画での爆発的人気や731本の関連動画投稿が示すように、インターネット文化に与えた影響も計り知れない。川崎市という具体的な地域との連携により、アニメが地域振興に貢献する成功例としても評価されている。確かに短尺による制約や地域限定性といった課題はあるものの、それらを補って余りある魅力と独創性を持った作品である。ヒーロー物の常識を覆したい、日常系コメディで癒されたい、そんな視聴者には間違いなく推薦できる傑作アニメだ。
ヒーローも悪役も人間くさいところが魅力なのじゃ。まさに笑いと生活力で戦う作品なのじゃ
ヴァンプ将軍の生き様に学ぶことは多いのじゃ。


