
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは世界のオタク模様を知っているかい?
その本、マジで面白いよな。


ほー、知っとるのか。
アメリカで日本のアニメがどう受け入れられたかを詳しく書いてるんだよ。


それは興味深いのう。
日本とアメリカのオタクの違いがわかるというのは貴重な本じゃのう。
こういうヤツ、アメリカにいたんだよ。実際にw

\ ココがポイント!/

『オタク・イン・USA』は、日本のアニメやマンガがアメリカでどのように受容され、変容してきたかを詳細に描いた一冊なのじゃ!!
著者パトリック・マシアス自身の体験を交え、文化の誤解や適応の過程をリアルに描写しており、日米のポップカルチャー交流史を理解する上で貴重な資料となっている。アメリカにおける日本のサブカルチャーの浸透過程や、現地ファンの情熱、そして文化的な摩擦や誤解について深く掘り下げており、オタク文化に興味のある読者にとって必読の書である。
オタク・イン・USA
ワシ自身かなり漫画が好きである。
それなのになんで自分のブログで漫画以外の本の紹介をしてんだと言われそうだが、まぁそれはしょうがない(*´∀`)
世の中にはワシなんかよりももっと熱く、すごい人達がいる。
それはオタクたちである。
え?オタク?オタクといえばキモいと思われている方。
いやいやいや……そうではない。ワシが今回語るのはアメリカのオタクの方である。
それにしても今回紹介するこの「オタク・イン・USA」は実におもしろい。この本は日本のアニメや漫画が、海外のオタクたちにどのように浸透しているかを綴ったアメリカ人によるオタク本である。
アメリカ人がオタクを語るというのはなかなか珍しいのではないか?
本日はそうしたアメリカ人が現実にどういった形で日本のポップカルチャーを見ているかみていこう!
国が変われば捉え方も違う
本書は、日本の漫画・アニメ(特にアニメ)は結構向こうの都合で再編集されたり、改悪されたりと切り刻まれてしまっているという現実があるということを教えてくれる。
しかし、それでもアニメを見たいがために情熱を燃やすアメリカのオタクたちは、日本人ではありえないような情熱を発揮して、なんとか元の作品を手に入れようとコミュニティを作ったり、有志を集って内容を英訳し、上映会を開いたりと涙ぐましい布教活動を実践していて、その行動派を文字で追っていくと涙が出てくる。
彼らは大まじめに、素晴らしいアニメ文化を広めようと賢明な努力で必死に奮闘しているのだ。
……そこまでして日本のアニメが見たいのか…(;´Д`)
そんな思わず涙がにじむような彼らファンの純粋な熱意は感動である。
それにしてもこの人達は本当にアニメやマンガが大好きなんだなぁと感心してしまう(=´▽`=)
わしはそこまでアニメが好きではないからあんまり親近感わかないけど、これを読んでいるとホントに日本のアニメは世界で通用するポップカルチャーになれるのかな?と思ってしまう。
セーラームーンに過剰反応するフェミニスト
しかし、美少女戦士セーラームーンがフェミニストたちから女性蔑視とやり玉に挙げられたりしているという事実を目にした時は正直驚いた。
そうか、向こうの人達はセーラームーンが女性蔑視の象徴と見てしまうんだ。その非寛容さというか真面目にそんなことを取り組んでいるフェミニストたちのアホさ加減というか、日本とのアニメの捕らえられ方の違いがなんとも馬鹿らしい。
もっと他に議論しなくちゃいけないことが世の中にはあるだろうに……(;´Д`)
しかも一度はセーラームーンは放送中止に追い込まれているんですね。そしてそれを署名運動までしてまた復活させてしまうとは……
向こうのオタクたち、恐るべし。日本のオタクではこうはいかない。
またギャングスターのラッパーたちが日本のクールなスーパーロボット系の Tシャツを自慢気に羽織っているという箇所を読んでいると非常におかしいw
8Mileに出てきそうな強面のラッパーたちがガンダムとかトランスフォーマーとかのTシャツをきている姿を思い浮かべるとなんともおかしさがこみ上げてくる。
いちいちそういった日本のアニメが本国ではありえないような解釈をされて、一悶着あるところがアメリカらしくておもしろい。
でもそんな小難しい話になるほど意図的に作りこまれたアニメなんてあんまないと思うけどねw
そんなお国の事情で色んな解釈をされているアニメたちの話を余すところ無く紹介しているこの本は、日本人が読んで逆にカルチャーショックを受けること必須だろう。
「オタク・イン・USA」を読んでいると、日本ではあまり馴染みのないアニメが向こうではヒットしていることなどもよくわかる。
やっぱり、国が変わるとウケるアニメも当然違うということか。
そんなアメリカの、日本のポップカルチャーに対する反応を書き記した貴重な文献として、本書は非常に優れた一冊であること間違いないだろう。
良いところ
あらすじ
本書はアメリカにおける日本のアニメやマンガの受容史を、著者自身の体験と共に綴ったルポルタージュである。
1970年代から2000年代にかけて、日本のサブカルチャーがアメリカでどのように紹介され、どのような誤解や変容を経て受け入れられてきたのかが詳細に描かれている。例えば、『ウルトラセブン』の英語吹き替え版での改変や、『宇宙戦艦ヤマト』が『スター・ブレイザーズ』として放映された際の変更点など、具体的な事例を挙げながら、文化的な摩擦や適応の過程を明らかにしている。
またアメリカのオタクたちが日本のコンテンツをどのように受け入れ、独自のコミュニティを形成していったのかも描かれており、日米の文化交流の一端を知ることができる。
では以下に良いところを挙げていこう!
詳細な歴史的背景の描写
本書は、1970年代から2000年代にかけてのアメリカにおける日本のアニメやマンガの受容史を、具体的な事例を交えて詳細に描写している。例えば、『ウルトラセブン』の英語吹き替え版での改変や、『宇宙戦艦ヤマト』が『スター・ブレイザーズ』として放映された際の変更点など、文化的な摩擦や適応の過程が具体的に示されており、読者は日米間の文化交流の複雑さを理解することができる。
著者自身の体験に基づくリアルな描写
著者パトリック・マシアス自身がアメリカのオタクとして日本のサブカルチャーに深く関わってきた経験を持つため、その視点からの描写は非常にリアルで説得力がある。彼自身の体験や観察を通じて、アメリカのオタクコミュニティの実態や、日本のコンテンツがどのように受け入れられてきたかが生き生きと描かれている。
文化的誤解と適応の過程の分析
本書の核心は、日本のアニメやマンガがアメリカに輸入される際に生じた「誤解」と「再構築」にある。宗教観や暴力表現、性的描写などの規制によって編集され、時には本来の意味を失うこともあった。だが同時に、それらがアメリカ的解釈で再生産され、独自の文化として成長していく過程もまた興味深い。単なる受容ではなく、"翻訳されたカルチャー"がいかに現地で機能していくのかが見える。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
専門的な知識が前提の記述も多い
本書は熱心なファンや研究者にとっては宝の山だが、一般読者にとっては少々専門的すぎる記述が多い。特に1980~90年代のアニメタイトルや声優、制作スタジオの話は、予備知識がないと理解が難しい場面もある。
日本側の視点が少ない
アメリカでの受容史を描くというテーマ上、どうしてもアメリカ視点に偏る。
日本のクリエイターやオタクがどうこの逆輸入的ブームを捉えていたかという視点が欠けており、より双方向的な分析が欲しかったところだ。
内容が古く感じられる部分もある
出版から時間が経っているため、現在のアニメ配信(例:Netflix、Crunchyroll)やSNSによる海外展開のダイナミズムには触れられていない。時代を感じさせる記述もあり、現代の動向と照らして読む必要がある。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- アメリカのアニメファン文化の起源に興味がある人
- 日本のサブカルがどう海外に受容されたかを知りたい人
- 海外オタクと文化交流してみたいと考えている人
『オタク・イン・USA』は、日本アニメの海外進出をただの成功物語ではなく、文化的誤解や葛藤を経た「翻訳と変容」のプロセスとして描き出す貴重な書籍である。パトリック・マシアスのリアルな視点とユーモアを交えた筆致によって、アメリカのオタク文化がどのように形成されてきたかが生き生きと語られている。内容的には少々古さもあるが、歴史的な文脈を押さえた上で現在を捉えるには十分有用だ。アニメ文化のグローバル展開に興味がある読者には、必読と言えるだろう。

異国の地に根付いたオタク魂、存分に味わうがよいのじゃ!