ちわわ、ちわ～！おいさんだよ！
キミはアニメなどの背景は好きかい？
背景画ってさ、ただの舞台装置だろ？
いやいや、それは違うのじゃ。背景こそ物語の心なのじゃ
でもジブリだったらキャラが主役じゃね？トトロとかさ。
男鹿和雄の筆がなければ、トトロの森も生きてはおらん
そんなにかよ。
＼ ココがポイント！／
『男鹿和雄画集（ジブリ THE ARTシリーズ）』は、単なる背景美術のまとめではなく、一つの世界観そのものなのじゃ！！
風景が語り、空気が流れ、時間が止まる――そんな感覚を紙面で味わえる稀有な画集であり、アニメ背景美術というジャンルを芸術の域に押し上げている。『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』といったジブリ作品の情景が、緻密な筆致と圧倒的な観察力で描かれ、まるで“その場所に行ける”かのような錯覚を覚える。男鹿の描く風景は、キャラクターの心情と呼応し、物語の余白を埋める。
「背景が主役になる」その瞬間がこの画集には確かにある。ジブリを深く知る者ほど男鹿の仕事の尊さに打たれるだろう。
男鹿和雄画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)
ずっと欲しかったので注文するのにワクワクした。
手に入れられなかったものが今目の前にある……うれしい限りであるｗ
今回紹介するのは「男鹿和雄画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)
」という本。
スタジオジブリの素晴らしいアニメーション美術をじっくりと勉強したいと思っていた。
今回はそんな画集がどのようなものか、じっくり見ていこう。
開封の儀
パッと開くとこの画集に収録されている絵がほとんど「となりのトトロ」が多いことがよくわかる。
初めてトトロを観たとき、背景の緻密さに子供ながら驚いたもんだけど、こうして画集でじっくり観てみるとやっぱりものすごい画力なんだと、改めて宮﨑駿の世界の凄さを実感した。
トトロの他にも「平成狸合戦ぽんぽこ」や「おもひでぽろぽろ」など先日失くなった高畑勲監督の作品も収録されていて、やはり日本の風景をアニメーションで描かせたら男鹿和雄氏は日本一うまいことが、この画集を手にとってみてよくわかる。
とてもこの画力にはかなうわけはないのだが、
先達の貴重な美術資料として今回この本をじっくり拝見させてもらった。
決して足元にも及ばないが、少しでも自分のいたらない画力を向上させるためにもこの本を片手に、これからも研鑽を積んでいきたいと思った。
日本の素晴らしいアニメーション美術の本を購入できてよかった。
ただ欲を言うともう少しカラーの背景画を載せてくれていたらもっと勉強になったのに。
トトロの映画の背景で男鹿和雄さんが描いたものは大体ここに載っているものだけだからこの分量なのか？
ジブリファンは背景美術を眺めながら、トトロの世界にハマってもいいし、またアニメの背景を描きたい人はこれを資料にしても差し支えないと思う。
どちらにしても改めてスタジオジブリの底力を感じさせる一冊であった。
良いところ
あらすじ
本書はスタジオジブリの美術監督・男鹿和雄による背景画を一挙に収めた画集である。
『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『千と千尋の神隠し』など、数々のジブリ作品において彼が描いてきた情景美の集大成ともいえる内容となっている。単なる収録ではなく、ラフスケッチから本番用の完成背景、さらには制作時のエピソードや技術的考察も掲載されており、彼の思考や観察眼の鋭さが如実に伝わってくる。田園風景、雨の道、古民家、山間の村など、日本の原風景を繊細に描いたその画面は、どこか懐かしく、見る者の感情を揺さぶる。
「風景で語る」ことを可能にした稀代の職人・男鹿和雄の軌跡をこの一冊で辿ることができる。
では以下に良いところを挙げていこう！
風景に“物語”を宿らせる圧倒的描写力
男鹿和雄の画風はただの写実を超えている。
田舎のあぜ道、夕暮れの路地、雨に濡れた軒先――その一枚一枚に、時間や温度、音までもが感じられるような描写力がある。背景でありながら、そこには確かに物語がある。ジブリの世界観を成立させている“空気感”の正体は、まさに彼の絵の力なのだ。
制作プロセスや思考の軌跡が分かる構成
本書は単なる画集ではなく、男鹿自身によるコメントやエピソード、現場でのこだわりが丁寧に記載されている。ラフから本番までの変化、筆づかいの工夫、背景に込めた意図などが具体的に語られており、アニメ制作や背景画に興味を持つ者にとっては極めて有益な資料となっている。
日本の原風景へのノスタルジーを喚起する力
男鹿が描く風景には、どこか懐かしい“日本”が息づいている。
昭和の町並み、静かな田舎、木造家屋の陰影――それらはもはやジブリ作品の一部である以前に日本人の記憶に直結する風景である。
ページをめくるたびに忘れていた景色と感情が呼び戻される感覚がある。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
一般的な画集と比べ価格がやや高め
豪華な装丁と大判仕様ゆえに価格が一般的な画集よりも高い。初心者やライト層には購入のハードルとなる可能性がある。
解説がやや専門的に偏る部分もある
制作裏話や画材の話などは絵や映像制作に関心のある読者には興味深いが、純粋にビジュアルを楽しみたい読者には情報過多に感じられることもある。
原画の再現性に若干ムラがあるページも
印刷の関係で一部のページでは色味やコントラストが原画と異なる印象を受けることがある。特に暗部や湿気を表現した場面では再現性にややバラつきが見られる。
なんだよ、この本！めっちゃいい本じゃん！
見てるだけでジブリの映画が脳内に印象的なあのシーンが再現されるぜ。
まとめ
こんな人におすすめ！
- スタジオジブリの世界観を深く味わいたいファン
- 絵を描く人、背景美術に興味があるクリエイター
- 日本の原風景や静かな情景に心惹かれる人
『男鹿和雄画集』はアニメ背景というジャンルの枠を超えた“風景芸術”の結晶である。
ジブリ作品を彩ったあの情景の数々が一枚絵として静かに、しかし力強く語りかけてくる。技術的にも高い完成度を誇りながら、観る者に懐かしさや温もりを届けるその力は、まさに職人のなせる業だ。解説や裏話も豊富で、読み応えも抜群。
ジブリ好きなら一度は手に取りたい逸品であり映像や絵の表現に関心のある者なら永久保存版となるだろう。
この一冊はな、ただの画集にあらず。時を越えて心を包む風景の宝箱なのじゃ。
