
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは背景はうまく描ける方かい?
背景ってなんか描くのしんどくね?


お前、背景こそ物語を語る舞台なのじゃぞ。
いや、パースとか光源とか意味わかんねぇし。


それを一から教えてくれるのが『背景描き方事典』なのじゃ
でもなぁ⋯事典って分厚くて難しそう。

\ ココがポイント!/

『デジタルイラストの「背景」描き方事典』は、背景を“なんとなく”ではなく“理屈で描く”力を身につけさせてくれる良書なのじゃ!!
構図、遠近、光と影、色彩、空気感──背景に必要なすべての要素を初心者にもわかるように視覚的・構造的に解説している。特筆すべきはその網羅性と即効性。見開き2ページでテーマごとに完結する構成は、辞書的にも実践的にも活用可能。読み物ではなく、描くための道具として手元に置いておく価値がある。背景に悩むすべてのイラストレーター、特に「キャラは描けるが背景は苦手」という層にとって、必ず役立つ一冊だろう。
初心者から脱却したい人間には最初に読んでおくべき背景指南書である。
デジタルイラストの背景 描き方辞典
はてなブログの方でずっと「ドラねこ絵日記」というブログを書いていた。
そこではずっと「500枚チャレンジ」という企画を自ら開催し、風景画500枚を毎日描くということに挑戦していた。
いた……というか今でもし続けている。
でも、そんなことを続けていても、ずっと絵を描いていると自分の絵の下手さ加減にいい加減うんざりしてくる。
とにかく描けない。そしてうまくならない。どうすればうまくなるのか?
レベルが上がるのか?そんなことを毎日悶々として反芻していた。
このままではイケナイ。
なんとか絵のレベルをアップしたいと思って色々な資料を探してみるも、ド素人の自分が使えそうな一冊を見つけることができた。
それがこの「「デジタルイラストの「背景」描き方事典」である。
本書は開いてみると内容もわかりやすく、よく描くいろんなシーンを色々ピックアップして解説してくれている。わかりやすくどの絵も描きやすそうである。
解説も丁寧でわしみたいな下手くそでも、実際に手を動かしていくとひょいひょい描ける。
海とか地面とか草原とか木とか。今までどうやって描いているんだろう?とはてながいっぱいついていたようなアニメーションなどの風景画の描き方が色々つぶさに解説されている。
特に自分は草原とか木とか植物系の描き方がホントに苦手なので、この本を片手にシコシコと絵を描いている。
これのおかげでどうしようもなかった自分の絵の実力が、ある程度上がったのだから感謝してもしつくしえない。
読むだけではダメだけど……
ただやはり欠点をあげるとすると、
注意ポイント
すべての風景画テクニックを網羅しているわけではないし、またこれだけ読めばすぐに絵がうまくなるわけではない。
やはり血の滲むような努力をしなくては一定のレベルの絵を描くことはできないと思う。
ではお前がそれくらいの努力はしているのか?と言われるとまったくそんなことはないのだが、それでも徒手空拳で闇雲に努力をしていくよりも本書が指し示してくれる位置を歩むだけでも精神的に遥かにマシであろう。
これを読めばある程度、画力の足しになることは間違いない。
ただまだまだ自分の絵の実力は足りないと本当に痛感しているので、前回と紹介した本と今回の本だけでは物足りないだろうけど、頑張って努力をしていこうと思った。
やはりこうした参考書は本を読むだけではダメなのだ。実際に手を動かしてこそ身につく類の本なのである。
というわけで、この参考書を片手にこれからも絵を描くぞ!
良いところ
あらすじ
『デジタルイラストの「背景」描き方事典』は背景画における基礎から応用までを1冊に詰め込んだ実践的なガイドブックである。
内容は「構図」「遠近法」「ライティング」「素材」「色彩」「空気感」など背景を成立させるために必要な技術をテーマごとに解説。それぞれの章は見開きで完結する形式になっており、辞書のように使える点も大きな特徴だ。著者の豊富な実例とプロの視点がふんだんに盛り込まれており、単なるテクニックだけでなく「なぜそうするのか」という理由付けが明快である。またCLIP STUDIOなどのデジタルツールに対応している点も親切。
読み進めることで、背景を“描く”ことが“理解して設計する”行為へと変わっていく構成になっている。
では以下に良いところを挙げていこう!
網羅性が圧倒的で、迷わず使える構成
本書は背景描画に必要な知識をほぼすべて網羅している。
「空の描き方」「建物の遠近感」「照明の方向」など場面や対象別に細かく分けられており、必要な情報をすぐに引き出せる構成が魅力である。特に初心者にとっては、「何がわからないかすらわからない」という状態から「今の自分に必要なのは何か」を気づかせてくれる。見開き完結スタイルは反復学習にも最適で、読むというより“使う”本である。
図解が多く視覚的に理解しやすい
背景の理論は言葉だけでは伝わりづらい。
しかし本書はイラストと図解によって直感的に理解できるよう工夫されている。「光源の位置で影がどう変わるか」「遠近で建物の線がどう収束するか」など、実例を通じて即座に理解が進む。加えてプロのイラストとラフの比較が掲載されており、完成イメージとその設計プロセスが一目でわかるのも秀逸だ。
初心者〜中級者への成長ステップに最適
「背景を描く」という行為はただ上手くなるだけではなく、理論と経験の積み重ねが必要だ。本書はその第一歩として極めて親切かつ段階的な設計がなされている。初めは模写で構わないし、技術が進めば応用的な使い方もできる。“ながら学習”にも適しており辞典として開きながら作業するスタイルにも向いている。上級者にとっても「抜けがちな基本」を見直すための再確認ツールとなるだろう。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
スタイリッシュな演出に乏しく、やや地味
内容重視ゆえにレイアウトやデザインに華やかさはあまりない。SNS映えするようなビジュアルや読者を感情で惹きつける演出は控えめで、やや無機質に感じる部分もある。
絵柄・作風の幅がやや限定的
掲載されている作例がリアル寄りかつ中性的なタッチに偏っているため、ポップ・アニメ調・絵本風などを志向する読者にはやや応用が難しい箇所もある。もう少し幅広いスタイルをカバーしていれば、汎用性はさらに高まっただろう。
一度読んで理解できる内容ではない
基礎から応用までカバーしているがゆえに、情報量が膨大で一読して終わりという性質の書ではない。習熟するには繰り返し使う前提での読解が必要となるため「気軽に読んで即マスター」という期待には応えにくい。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- キャラクターは描けるが背景に自信がないイラスト初心者
- 背景を理論的に理解したいデジタル絵師
- 1冊で辞書的にも使える実用書を探している人
『デジタルイラストの「背景」描き方事典』は背景描写を苦手とする描き手にとって、非常に信頼できる“地図”であり“道具箱”である。知識が断片化されがちなテーマを見開きで整理し、実例と図解で論理的に導いてくれる点が特に秀逸。演出性に乏しい部分はあるが、堅実な構成ゆえに長く使える。
理論派の読者や効率よく画力を積み上げたい人にとって、この1冊は確かな伴走者となるだろう。

背景とは絵の“奥行き”を語る舞台装置──描くほどに己の世界が広がるのじゃ。
迷い多き若き絵描きよ、道標はすでにここにあるのじゃぞ。