
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは紙とデジタルのメモ帳、両方使いこなしているかい?
ノートって、いまは全部デジタルでいいだろ?


いや、紙も見過ごせん。手を動かすことで脳も動くのじゃ
全部クラウド管理できるのって最高じゃん


だがな、アナログの“余白”こそがひらめきを生むこともあるんじゃ。
まぁ紙は紙の良さがあるけどよお⋯

\ ココがポイント!/

『Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術』は「ひらめき」と「情報整理」の両立を実現する発想法なのじゃ!!
アナログノートでは自由な発想や感情の流れを記録し、Evernoteではその情報をクラウドで検索・蓄積・再利用する。単なるメモ術ではなく、思考の生産性を格段に高める“システム”としての完成度が高い。紙の自由度とデジタルの利便性を融合させたこの方法は、現代の情報過多社会において、新しい「脳の使い方」を提示している。
特にビジネスパーソンやクリエイターにとって、発想力を維持しながら効率化を図るには極めて実践的で再現性の高い技術といえるだろう。
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術
最近、フリーランスになってアイデアを生み出す必要に日夜駆られている。
毎日机に向かって「ああでもない、こうでもない」と必死でアイデア考え続けなければ食えないのだ。
わしの趣味でイラストレーターをしつつ、それだけでは食っていけないので、ロゴなどを作ってはせっせとクラウドソーシングで売っている。
わしはまだそんなに実績もないので、ロゴを作るにしても経験はプロに比べるとまだまだ浅い。
そんな数あるグラフィックデザイナーの中で肩を並べるためには、やはり人より抜きん出たアイデアが必要になってくるのだ。
一体どうやったら群雄割拠するプロたちを出し抜くアイデア生み出すことができるのだろうか?
そこでいろいろアイデアに関する本を探っていたらこんなおもしろい本に出会った。
本書はそうしたアイデアをいかに出して活用するかという方法を、アナログとデジタル両方の視点で解説してくれる本である。
正直、この手のアイデア本は読み慣れている。
というのも散々去年この手の本をたくさん読み漁り、ブレスト(ブレインストーミング)だのなんだのの方法がまことしやかに書かれていた。
一般的なところでは、
マトリックス法、マンダラート、マインドマップ、カード分類法……
などなど……挙げれば枚挙に暇がないほどである。
わしも色々やってみたが、そのどれもがほとんど役にはたたなかった…(;´Д`)
それは、そうしたいろんなアイデアを挙げるための方法以前に、アイデアをいかにメモるか?という大前提が欠けているのではないか?
わしはそれにハタと気づいた。
そうだよ、アイデアを生み出す以前に、もっと効率よく間をメモる方法を知っておかなくちゃ、アイデアがわき出してもそれと気付かずにスルーしてしまうじゃないか!発想法もいいけどその手前の段階で大切なアイデアをいかに保存して活用するか?これを知らずしてアイデアを生み出すことは出来ないだろう。
そんなわしの疑問に、本書は色々な視点で応えてくれた。
何もしないでアイデアは生まれない
もし、何も準備しないで「なにかインスピレーションが浮かばないかな~」と待っていても、それが訪れることはありません。アイデアを生み出すためには、準備が必要です。
資料や情報を集めたり、あるいは長時間それについて考えたりと、準備にあたる行動は様々ですが、アイデアを生み出すためにはいくつかのプロセスがあり、しかも時間がかかるという点では共通しています。
アイデアは一日にして成らず、というわけです。
「Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)」 p18
まったくもって当たり前の話だが、わしはこの一文を読んで目の前が開く思いがした。
今までわしはアイデアを生み出そうとしていたにもかかわらず、どこか神頼みで実はなにもアイデアを掴もうとする準備をしていなかったのだ。
これではいいアイデアが浮かぶはずもない。
良いアイデアと捕まえる準備とはまずは「種」と「土」について知っておかねばならない。
アイデアは「土」と「種」の出会い
本書における「種」は、気づきを意味しています。
その中身は「ちょっとした疑問」や「引っかかる問題」あるいは「ふと浮かんだ着想」です。
対して「土」は、その人の知識、知見、体験、教養、考え方、といったものを指します。
(中略)
タバコの広告で言えば、「消費者はタバコにかっこよさを求めているのかもしれない」が「種」です。
そして様々なかっこよさのイメージが「土」になります。
当然、多くのイメージを持っている人の方がアイデアのバリエーションは多くなるでしょう。その中にカウボーイのイメージが混ざっているかもしれません。
この二つをくっつければ、馬上でタバコをくわえるカウボーイの広告が出来上がります。
p28
わしの中ではこの一文を読むまでアイデアというものは漠然としたイメージしかなかった。
しかし、アイデアはこうした「種」と「土」の出会いなくして生まれない。
言われてみれば当たり前の話で、確かに今で良いアイデアが生まれた時というのはこの「種」と「土」の出会いがあった時だった気がする。
そうしたことも考えずに、漠然と「何か良いアイデアは浮かばないかな〜?」ではいつまでたっても浮かぶはずもないのだ。
それ故にメモを持つことに重要な意味があると思う。
良く大切なことは自分の頭にいつも残るため、その時生み出たアイデアが大切なものであるならメモることは不要だ。と考える人がいる。
以前はわしもそうだった。
「わしは記憶力がいいから、いつでも思い出せるさ」
と自分の記憶力を鼻にかけて大切なアイデアもろくすっぽメモらずに、そのまま忘れてしまうことがよくあった。
これは自分の中に、
良いアイデアなら絶対に頭に残って忘れるわけがないという、根拠の無い自信を持っているためだ。
しかし、頭に残ったアイデアが全て良いものだという保証はどこにもない。
表現を変えれば、ポケットに残ったものは大切なモノかもしれないが、大切なものが全てポケットに残っているとは限らない、というわけです。p60
いつまでも頭の中に置いて置いたのでは、そのアイデアが良いアイデアか悪いアイデアかを見分けられることはできない。
むしろそうしたものは
一度文章にして残しておき、後日見直すことによって、生まれたアイデアが価値あるものかどうか客観的な見方ができるのだ。
わしにはこの視点が欠けていた。
これは恥ずかしながら本書の言う通りだと思った。
思いついた「アイデア」を活かせてこその「アイデア」だ
しかしもちろんメモったアイデアをそのままにしておいては意味が無い。
わしもよくやってしまうが、アイデアを思いついてメモするところまではやっても、そのメモを後で見返さないということがよくある。
アイデアを生み出すタイミングになって描いた内容を思い出せてこそのメモです。そして書いた内容を思い出すためには「見返す」ことが必要になります。
極端なことを言ってしまえば、取ったメモを見返さないのは、メモを取らないこととほとんど変わりません。
見返しができていない状態では、メモが役に立っている感じがしないのは当然といえるでしょう。
(中略)
この見返しはアイデアが必要になった時だけではなく、定期的に行うことがポイントです。
そもそもクリエイティブな仕事をしているのでない限り、毎日アイデアが必要になるということはないでしょう。
この問題に対しては、見返しをスケジュールに加えてしまうのが効果的です。
週に一回、月に一回など自分で予定を決めてしまって、その日に見返し作業を実施するわけです。
p92
何年も前に書き留めたこれは良いアイデアだと思ったものも、こうして見返すことによって、そのアイデアが良いものか取るに足らないものであるかを冷静に判断することができる。
つまり、時がアイデアの良し悪しを決めてくれると言っても過言ではない。
しかし、普段の生活ではそうした見返しというものをつい忘れてしまう。
だが本書ではこの「見返す」ということが大切であると強調する。
これを読んでわしはさっそくEvernoteなどにメモした情報やアイデアは週に一度は見返すことにした。
こうすることによって、その時「素晴らしい!」と思ったアイデアも、実は大したことないものだと冷静に判断できるようになった。
考えついたアイデアも時の試練に晒すことが大切なんだね(;´∀`)
その他の具体的なアイデア活用法
本書にはこの他にもアイデアを「いかにメモるか?」という活用術の他に、出したアイデアを「いかに活かすか?」という具体的な活用方法にも触れている。
その内の一つがマインドマップだ。
わしは以前にもこの方法を多くの本から読んで知ってはいたが、イマイチうまく活用することができなかった。
そんなわしは今回マインドマップというものにまた新たな発見が出来たような気がした。
その詳しい使い方は本書に譲るとして、本書ではそのマインドマップのコツ以外にも、斬新なアイデアを生み出す心得みたいなものも取り上げている。
新しいアイデアを求めるためには、既に枠にこだわらずにアイデアを求めていくことが重要です。
しかし斬新すぎるアイデアはその実現が困難なことがあります。
それは表現上の問題や、技術的な問題、あるいは物理的な製薬の問題など、様々な問題がアイデアの実現の前に立ちはだかるからです。
p168
確かに斬新なアイデアは「斬新過ぎるが故に」様々な問題を抱えている。
もし斬新なアイデアを具現化したいのならば、
現実に現れる問題にも取り組まなければならないということだろう。
人は安易に斬新なアイデアを求めたがるが、そうした弊害を計算することなくアイデアを生み出してしまうと、後に大変なことになるかもしれない。
世の中にはそうした発明や政策といったものは現実にいっぱいある。
斬新なアイデアはそれゆえに一段とハードルが高くなっていることにわしらは気づくべきだろう。そうでなければ斬新なアイデアが害を及ぼすことは現実にいくらでも起こってくる。
そうしたことも踏まえて、これからこのブログのアイデアや仕事についてのアイデアをこの本を参考にしながら色々出してみようと思ったのだった。
良いところ
あらすじ
本書は著者が長年にわたり試行錯誤して確立した「アナログ×デジタル」発想法を紹介する実用書である。
冒頭ではなぜ紙のノートが今なお重要なのかを脳科学や心理学の視点から説明し、Evernoteの活用術と組み合わせることでアイデアの質と量が向上する理由を論理的に展開する。具体的な章立てではアナログノートの書き方、Evernoteでのデータ整理術、双方をつなぐ運用ルール、日々のワークフローへの落とし込み方が豊富な図とともに解説されている。さらに実際の使用例や著者の失敗談も盛り込まれており、読者が自分の生活に即応用できる構成となっている。
単なるテクニック紹介にとどまらず「思考のOSを更新する」ための指南書として機能している。
では以下に良いところを挙げていこう!
思考を深める「余白」と「構造」のバランスが秀逸
紙ノートで自由に書くことで脳が活性化し、直感的なアイデアが生まれる。一方、Evernoteではその記録を構造化・再整理することで、深い理解と再利用が可能になる。アナログとデジタルの長所を生かし、思考の“生成”と“蓄積”が両立できる点は、本書の最大の魅力といえる。
実践に落とし込めるノウハウが具体的かつ再現性が高い
単なる理論紹介にとどまらず、日常的な運用方法が丁寧に解説されている。使用するノートの種類、記入のルール、Evernoteのタグ付けルールなど、すぐに真似できるノウハウが満載である。机上の空論ではなく「使える技術」として機能する内容が多い。
書き手のリアルな経験に裏打ちされた説得力
理論だけでなく著者自身の試行錯誤や失敗談が随所に盛り込まれており、読者に寄り添う温度感がある。うまくいかなかった例を含めて共有することで、読者が完璧主義に陥らず、柔軟に自分のスタイルを構築できるよう配慮されている。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
Evernoteありきの内容で他サービス利用者には不親切
基本的にEvernoteを軸に展開されているためNotionやOneNoteなど他サービスを使っている人には活用の幅が狭い。応用例がもう少し広がればよかった。
運用コスト(手間・時間)が意外と高い
紙とデジタルを連携させるにはスキャン、タグ付け、整理などの作業が必要であり、初心者には若干ハードルが高い。慣れるまで時間がかかる点は注意が必要である。
スマホ世代にはアナログの必要性が伝わりにくい
アナログノートの効用についての説明は丁寧であるものの、完全デジタル世代にはその魅力が直感的に伝わりにくい。もう少し若年層向けの工夫があってもよかっただろう。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 情報整理と発想力を両立させたいビジネスパーソン
- デジタル一辺倒に限界を感じているクリエイター
- 書くことで考える習慣を取り戻したい自己啓発志向者
『Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術』は、発想と整理、直感と構造、自由と効率を見事に結びつけた思考支援書である。アナログノートによる自由な発想と、Evernoteによる効率的な管理を連携させることで、単なる記録を“未来のアイデア資産”に変える力がある。運用には多少の慣れが必要だが、その先にある思考の深まりと創造性の広がりは計り知れない。情報社会を生き抜く知的武装として、一読の価値がある内容だと断言できる!

発想とはの、自由と整理の往復運動によってこそ深まるものなのじゃ。