
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは、hideって聴いたことあるかい?
X JAPANのギタリスト?名前は知ってるけど⋯⋯それがなんだよ?


いやこれがマジでヤバい!
『HIDE YOUR FACE』ってアルバムを聴いてみ。ぶっ飛ぶぞ!
だって90年代の音なのに全然古くないんだよ!
はぁ?そんなわけねえだろ。


いやいやいや⋯⋯音楽好きなら一度は通るべき道なのじゃ。
マジでhideの天才っぷりを舐めたらアカンぜよ!
\ ココがポイント!/

『HIDE YOUR FACE』は、hideという存在が単なる「X JAPANのギタリスト」ではなかったことを証明する一枚なのじゃ!!
今回はそんな思いを込めてhideについて語ってみたいと思うぞ!
ロックの枠に収まらない多彩なサウンドは、まるで未来を先取りしたかのような独自性に満ちている。単なるソロ作品ではなく、hideというアーティストが内面の美学と狂気を全開に放出した芸術作品だ。攻撃的なギター、重厚なビート、遊び心にあふれたメロディ。それらを見事に融合させたこの作品は、今なお色褪せることなく、多くのリスナーを魅了し続けている。
時代を超えるパワーを持ったアルバムであり、hideの真髄を知るうえで避けて通れない一枚である。
HIDE YOUR FACEは名盤か?
先月、デザイナーであるH・R・ギーガー氏が死去されたという一報を聞きまして、hideの大ファンであるわしは、すぐに「HIDE YOUR FACE」のジャケットを思い出したw
みんなどうせ、エイリアンとかを引き合いに出して追悼していると思うので今回わしはそんなH・R・ギーガーと縁のあるhideの1stアルバム「HIDE YOUR FACE」について、追悼の意味を込めまして語ってみたい。
このアルバムは、もう何度聞き返したかよくわからない。
青春時代、周りでは鈴木亜美だ浜崎あゆみだモーニング娘だと騒がれていた頃、わしは一人で貪るようにhideを聞いていた。
中でも一番最初に聞いたアルバムは「HIDE YOUR FACE」だったと思う。
あの頃はお金も無くてアルバムが買えなかったわしは、シングルをちょこちょこ買っては、名曲である「DICE」や「50% & 50%」などをガンガンに何度もリピートさせて聞いていたwww
アレほどまでに音楽にのめり込んでた日々はない。
あの頃、わしの全てはhideだった。
そんな頃、兄が「HIDE YOUR FACE」を買ってきた。
そのアルバムを聞かせてもらった時の衝撃は、いわゆる「稲妻に撃たれた瞬間」というヤツで、今でもよく覚えているw

あの時は本当に衝撃的だったのじゃ!
良いところ
まずこの絵はなんじゃろう?


こわいでしゅ!
っていうか、わしも正直怖かったw

おどろおどろしいマスクをかぶった男が、片目だけ向いてこちらを見ているジャケットは衝撃的だった。
これがhideのアルバムだと知らなかったら、絶対にわしはこんなアルバムは買わなかっただろうw
わしもこのアルバムが欲しかったのだが、遺作である三枚目の「Ja,Zoo(ヤズー)」の発売日が迫っていたので、お金をためなくてはならなかったわしは買うことができなかった。
小学6年生のころの話である。
そしてあるとき買った、hideの特集をしていた音楽雑誌にこのアルバムのジャケットデザインを担当していたのが、エイリアンなどで有名なH・R・ギーガーだということを知った。

その頃までギーガーなんて知らなかったのじゃ!
H・R・ギーガーデザインのマスクをアルバムにつかう
H・R・ギーガー(ハンス・ルドルフ・ギーガー、Hans Rudolf Giger 、1940年2月5日 - 2014年5月12日)は、スイス人の画家で、デザイナー。
ハンスリューディ・ギーガー(Hansruedi Giger)またはハンス・リューディ・ギーガー(Hans Ruedi Giger)とも表記される場合がある。
スイスのクールで誕生、その後にチューリッヒで建築とインダストリアルデザインを学んだ。
レコードおよびCDのカバーアートの制作や、映画『エイリアン』でのデザインで知られている。
2013年秋に階段から転落し、療養中の2014年5月12日に病院で死去した。74歳没。
その頃はまだ、エイリアンは観たことがなかったわしだが、なんとなくあの気持ち悪いエイリアンのビジュアルは知っていたのでその名前にはピンときた。

ああ、あのエイリアンの人ねって。
ギーガーの大ファンであったhideは、ダメ元でジャケット用のオブジェのデザインを依頼し、二つ返事でデザインされたオブジェが送られてきたという。
そんな送られてきたオブジェによってこの気持ち悪いアルバムジャケットは作られたのだw
奇抜なアルバムジャケットはよそに、このアルバムに収められている曲は素晴らしいモノばかりだった。

今回は、その素晴らしい曲をいくつか紹介してみよう。
良いところ
では以下に良いところを挙げていこう!
独創的なサウンドデザイン
『HIDE YOUR FACE』の真骨頂は、hideが全編で見せる圧倒的な音のセンスにある。
ロックにインダストリアル、ポップに近いキャッチーさを織り交ぜ、各曲がまったく違う表情を持ちながらも、hideという核で統一されている。この多彩さが聴き手を飽きさせず、何度聴いても新たな発見をもたらす。例えば「DOUBT」のような凶暴なナンバーと、「50% & 50%」のようなポップな曲が同居しているのに違和感がないというのは、hideの構成力の賜物である。
歌詞に込められたメッセージ性
一見突飛に見える歌詞も、その根底にはhideの人間性や社会に対する洞察がある。
虚無感、怒り、ユーモア、優しさ。それらが歪んだロックの中に絶妙にブレンドされている。「TELL ME」や「OBLAAT」などは、聴き込むほどにその奥深さに気づかされる。「見た目」で語られがちな彼だが、実は非常に文学的かつ哲学的であったことがこのアルバムから伝わってくる。
サウンドプロダクションの完成度
hideはサウンドプロダクションにも強いこだわりを持っていた。
『HIDE YOUR FACE』は1994年の作品とは思えないほど、音質やミックスが現代的であり、今聴いてもまったく古さを感じさせない。特にヘッドフォンで聴いたときの音の広がり、ギターの厚み、ドラムのキレの良さは、hideが単なるギタリストではなく、優れたプロデューサーでもあったことを証明している
hideはSpotifyなどでも無料で聴くことができます。
海外サービスなだけあって日本の音楽アプリより洋楽が充実していますので、ぜひお試しください。

いやぁ、本当にこの曲は聴きまくったよねw
その当時、ヘビーメタルって存在は知っていたけど、どういうものか知らなかったわしにはこの曲は衝撃だったのじゃ!
普通ヘビメタって、曲調が早くて激しいだけになりがちなのに、hideの作る曲にはメロディーにポップさと美しさが残っているんだよね。
そうしたメロディーラインが素晴らしいというhideの特徴とともに、もうひとつ歌詞の良さがあげられるだろうな。

HIDE YOUR FACEの名曲・いくつかあげてみた。
hideの歌詞は、普通のビジュアル系のバンドの薄っぺらい感じとはどこか違って、詩の中に物語の面白さがあります。このDICEの歌詞も耽美な感じがいいですよね。今のビジュアル系に、こういった歌詞は書けるのかな?
この「EYES LOVE YOU」は「50%&50%」とともには同時リリースされたhideのソロデビューシングルなんですよね。
シングルのジャケットも当時は斬新で「50%&50%」とは色違いの緑色で3D仕様になっていて、二つを並べると絵柄が浮かび上がるようになっていました。
わしの持っているシングルは通常版なので3D仕様になってないけど、hideはよくこうした奇抜なアイデアでファンを喜ばせていたんだね。ちなみに「50%&50%」は同じ絵柄で赤い色になっているんです。
そしてこの曲の作詞が森雪之丞さんなんですね。
少し気味の悪い詩に、hideは真逆の明るい印象の曲を合わせてきて、美しくもポップなこうした曲調にしたとか。
完成した曲を聞いた森雪之丞氏は、この意外な曲調の組み合わせに驚いたそうな。

曲の後半部分でギターソロが急にスパニッシュギター風に変わる感じとかカッコイイよね!
こういったアイデアも天才のなせる技であるw
こちらがシングルに収められているバージョンの「50%&50%」
後ろの激しいドラムが、実はモータウンビートを刻んでいて、一聴してモータウンビートとはわからない曲調の作り方はさすが。
こんなうまいモータウンビートの使い方をした人は、日本ではあんまりいないんじゃないかな?
ちなみにアルバムに収められている「50%&50%」はこのバージョンではなくて、アコースティックギターでアレンジされた「Crystal Lake Version」である。
このアレンジも素晴らしいですね。
爽やかなギターアンサンブルとhideのボーカルがマッチしている。
後ろで奏でられているのんきなバイオリンがたまらなくおもしろいw
まさかあんなに跳ねていた曲がこんなしっとりとした曲調になるとはw
この曲も何度聞き返したことか。
実は個人的にこの曲がアルバムの中で1、2を争うほど好きな曲で、何度も聞いてはこの難解な歌詞の意味について頭を悩ませたものである。
この曲に出てくる「僕の目玉のオブラートが」って一体なにを指しているんですかね?
オブラートってなんのことを言ってるんだろ?
今でもこの歌詞の意味がわからず、気になって夜も眠れませんwww

誰かわしに教えて!
そしてこのアルバムの最後の曲としてご紹介するのは、何と言ってもhide名曲「TELL ME」だね。
この曲は実は2つのバージョンが存在していて、一つ目はこのアルバムに収録されているhideの若いボーカルが際立つ「TELL ME」と、「ROCKET DIVE」のような骨太のソリッド感溢れる感じのhide with Spread Beaver版「TELL ME」。
「ツアーがhide with Spread Beaver版終わったら”TELL ME”のレコーディングやるよ!」とhideの口から度々発せられていたことを契機に、「hide with Spread Beaver appear!!"1998 TRIBAL Ja,Zoo"」のあと、hideが残した未発表テイクのヴォーカルを使用してレコーディングされたものだそうな。
もっとわかりやすくいえば
「爽やかなTELL ME」と
「チャラいTELL ME」www
わしはこの「TELL ME」という曲が本当に好きで、hide with Spread Beaver版よりこのアルバムに収められている
「チャラいTELL ME」もhideの可愛らしさが出ていて大好きなんですけど、「TELL ME」といえばやっぱりこの「爽やかなTELL ME」ですwww
この曲は青春時代、誰もが一度は感じる、どこにも溶け込めない、どこにも居場所が見つけられない

この世界から切り離されてしまった少年の心を美しく歌った名曲だとわしは思う。
つーか、中二病的な歌詞だよなw

名曲「TELL ME」は思春期の少年の心の叫び
この詩はおそらく、中学時代イジメにあっていたhideの実体験から生まれた少年の哀しみの叫びなんだと思う。
hide自身が体験したことだから、この曲を聞いている孤独な少年たちの心に響くのだろう。
そうした、若者の奥底からほとばしる魂の叫びをhideはさわやかに歌いあげている。
わしはこのhideのさわやかな歌い方が好きだ。
どうしてこんなにもさわやかに歌いあげることができるのだろう?
それは多分、hide自身が過酷な少年期の迷いの中で、なんとか自分を活かす道を見つけ、その嵐のような孤独をなんとか切り抜けて、距離を置くことが出来たからこそ、このように歌うことが出来たのだろう。
hide自身もわしらと同じように、コンプレックスを抱えた孤独な少年だったのだ。
しかしhideはそうしたコンプレックスに正面から向き合い、
しっかりアートとして花開かせることが出来た。

よう考えてみればそれはすごいことじゃ!
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
次に悪いところを挙げていこう。
初見には取っつきにくい楽曲構成
『HIDE YOUR FACE』は、曲ごとのジャンルの飛び方や音作りの濃さがすさまじく、音楽初心者やJ-POPに慣れた耳には少々ハードルが高い。特に「POSE」や「OBLAAT」のようなアヴァンギャルドな楽曲は、最初は混乱を覚えるかもしれない。
万人受けするアルバムではないのが正直なところである。

まぁ、ここはしょうがないよねw
一貫性のなさと受け止められる可能性
hideの魅力である「多様性」は、逆に一貫性のなさとして受け取られる危険もある。
アルバムとしての流れを期待すると、ジャンルの飛び方に違和感を覚える可能性がある。統一されたコンセプトアルバムを求めるリスナーには、まとまりのなさと映るかもしれない。
歌唱力にクセがある
hideのボーカルは、感情表現が豊かで個性にあふれている一方で、テクニック的には粗さが目立つ場面もある。「上手さ」よりも「表現」を重視しているため、聴く人によっては違和感や不快感を抱くかもしれない。
とくに高音のシャウトやねちっこい表現は、好みが大きく分かれるポイントである。
そこらへんは履いている人の好みで気にならないヤツは気にならないだろ。

まとめ
こんな人におすすめ!
- ロックにとどまらない音楽を求めている人
- hideやX JAPANのファンで、ソロ作に触れたことがない人
- 独創的な音楽と刺激を日常に求める人
『HIDE YOUR FACE』は、hideというアーティストの深層に触れることができる濃密な一枚である。
音楽的に幅広く、攻撃的でありながら繊細な側面も持ち合わせたこのアルバムは、単なるロックアルバムという枠を超えている。聴き手に挑戦を投げかけるような構成でありながら、何度も聴くうちに中毒性を帯びてくる。「hideらしさ」とは何かを知るためには、まずこのアルバムを聴くべきである。
30年経っても色褪せないどころか、ますます魅力が増しているという事実が、その完成度を物語っている。

音楽に「型破りな自由」を求めるなら、『HIDE YOUR FACE』は聴かなければならないアルバムである。