
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミはモテる人間になっているかい?
そんなにモテたいかあ?


モテたいやつはモテたいのじゃ!
めんどくさいだけだと思うがなあ?


二村ヒトシってAV監督が、全部“モテ”が鍵って本に書いてたのじゃ!
お前⋯またそんな本に影響されて⋯⋯

\ ココがポイント!/

『すべてはモテるためである』は、AV監督・二村ヒトシが自身の経験と鋭い観察眼をもとに、「モテないことの苦しみ」と「人間の承認欲求」を解き明かした衝撃作なのじゃ!!
恋愛ハウツーではない。むしろ恋愛における“どうしようもなさ”を受け入れた上で、それでも「なぜ人はモテたいのか」「どうすればモテなくても生きられるのか」を追求している。
モテる=愛される=価値がある、という現代の構図に対し、著者は「モテなくても自分を愛せるか?」という問いを突きつける。結果この本は“モテの肯定”ではなく“モテへの執着の手放し”を優しく導く書であり、読む者の心を丸ごと受け止めてくれる包容力がある。
つまり本書の核心は「モテたい気持ちを否定しない」ことにあり、それこそが現代の孤独に対する最大の処方箋なのである。
すべてはモテるためである
今年はもまったくモテなかった。
いや、今年だけじゃなくてもう最近めっきり女性と話もしていない。
若い女と接点がない生活を4年近く続けているんだから当たり前と言えば当たり前。
そんなわしもだんだん仕事が落ち着いてくるにつれて、女にモテたいと思うようになってきた。
女にモテる!これは男子に生まれたものの宿命として避けては通れない道であるw
そんなわしなのだが、モテるにしたってこれからどのようにモテたらいいか全然わからない。
そんな折、先日國分功一郎氏の本を読んでいて今回紹介する本を絶賛していたので興味をひかれて読んでみた。
それがこの「すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)」である。
この本は帯に「なぜモテないかというと、それは、あなたがキモチワルいからでしょう」
という非モテなおっさんには身も蓋もない言葉が書かれているが、なかなかモテ本の中でも異彩を放つ名著である。
では、本書からモテない男がいかにしてモテるようになるのか?
その方法を簡単に抜粋してみよう。
自分の居場所がない男はモテない
女にモテるか。モテないか?
それは外見や性格などによって決まる部分もあるだろう。
しかし、本書ではそうしたものはあまり重視しない。
それよりもモテない男の内面、
「キモチワルい」かどうかを重視して、本書は話が進んでいく。
そんな中、まず最初に目に止まったのは本書のこちらの一文
「なにが好きかを自分でわかってるか」ということは、おおげさに言うと「あなたには、ちゃんと自分で選んだ【自分の居場所】があるか」ってことです。
くさいことを言いますけど「心のふるさと」みたいなとこがあるか?ってことです。そこに帰れば、とりあえず臆病にならずにすむ、ふるさとです。
「すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)」p76・77
モテるためにまず必要なことは、自分が得意とする「何か」
自分が選んだ「居場所」があるかどうかにかかっているというところがおもしろい。
確かにモテている人を見てみると、なんとなくみんな何かしらの居場所があって、そこで輝いている人ばかりなような気がする。居場所といっても別に音楽業界でロックスターになって女をはべらせて……みたいな極端なものでなくてもよい。
自分が得意としたもの、好きなものに熱中しつつ、それを誇れるかどうか?にかかっているというのだ。
もっとい平たく言うと、
自分を評価してくれる「現場」を持っているか?と言い換えてもいいかもしれない。
そのように自分が何かしら活躍できる場所があるかどうか?
そうすれば、金が無くても顔が悪くても自然と人としてモテるようになるというのだ。
まぁ、よく考えてみればここらへんは、当たり前と言えば当たり前の話。
しかし、そんな「居場所」を持っていたとしてもそれだけでは決してモテないという。
そして次に重要なのがコレである。
得意な物をひけらかさない
よくオタクなどでハマっているものを聞いてもいないのに、ペラペラとひけらかす人がいる。
これは上記の「キモチワルい」男の典型である。
そうしたことを相手を読まずに自慢してしまうやつが本書では最もモテない男だと断言する。
確かにそういった男はキモチワルい。
わし自身も自分の身に覚えのあることながら、そうした自分自慢をしてしまう男の気持ちというのもよくわかる。
しかし、わしもある程度年をとって過去の振る舞いを眺めた時に、たしかにそのような態度は女の子に嫌われるだろうな、と痛い自分の姿を記憶と共に蘇らせてしまう。
そう、男はなにか得意なものがあるからといって、居場所があるからといって、それをひけらかしてはいけない。
それはほのかに香る芳香のように、全身に漂わせていなければならない。
では、居場所のある男がとるべき「態度」とはどんなものだろうか?
ハマっている自分をタレ流してるとキモチワルい人になります。
くれぐれも、あなたの【好きなこと】が特別なのは「あなた自身にとって」だけなんだということを忘れないでください。
(中略)
「自分は好きなことがあって、自分はそのことに誇りを持ってるんだから、自分は大丈夫」という自信を、自分の中にしまっといて、他人には(狙った女にすら)軽々しく自慢したりしないのが、かしこい人間の「誇り」なのです。
p80・81
自分の好きなことを軽々しく自慢したりしないのが、かしこい人間の「誇り」!
これだ!これがわしには足りなかったのだ!思い返してみれば、いつもわしはこのような態度を取ってこなかった。
それは自分に得意なものがなかったということもあって、「ほのかに香る大人の色気」的な雰囲気をまとっていなかったのだ!
なるほど、これじゃあわしがモテないのも仕方ない(´;ω;`)
モテることってなんだ?
そして本書では「モテる」ことってなんだ?という本質的な質問にも答えている。
あなた僕が、女性に「モテたい」と思うのは(あるいは「やりたい」と思うのは)どう考えてもただ単に性欲のせいだけじゃ、ないですよね。
きっと人間は、他人から「あなたは、そんなにキモチワルくないよ」って、保証してほしいんです。「やらせてくれ」とか「僕とつきあってくれ」って他人に言うのは、そういうことです。
p101・102
そう、男がモテたいという思いの根本にあるのは、だれか大切な人に「あなたは大切な人なんだよ」って言ってもらいということなのだ。
そして、それは女性であればなおのこと嬉しい。
男はそんな風に言ってくれる女性を誰の心の中にも描いている。
そんな自分の中の理想の女を大切にしていくことが大事なのだ。
女心のわかる男がモテる男だ、などと言いますが。
「女ってのは、こういうとき、こういうふうに考えて、こう行動する生き物だ」なんてデータをいくら収集しても、あまり意味はありません。
何度もくりかえしますが女性はナマモノで、一人ひとり、ちがうのです。それよりも、自分自身を「知る」ために【自分の中の女】となかよくしましょう。
「自分の中の【女】が、どんな女なのか」を理解してあげましょう。
「自分の中の【女】がキモチワルい女だったりすると、あなたのほうから好きになった女性に思いをちゃんと伝えられなかったり、最悪の場合は、自分でもキモチワルいなぁと思う女をなぜか好きになってしまったりしてロクなことがありませんから、性格を治しましょう。
p174・175
自分の中の【女】がどのような女か理解する。
これがまずはモテない男子が始める、一番大事な要素なのだろう。
単純にたくさんの女にモテたい、チヤホヤされたいと思ってもその夢はかなわないのだろう。
どのような女に俺はどんな風にモテたいのか?
それをより冷静に、具体的にしていった時、男の中身が変わり、行動も変わるのだろう。
でも、愛して欲しい理想の女が「複数」いた時どうしたらいいのだろう?
良いところ
あらすじ
AV監督として多くの男女を見つめてきた著者・二村ヒトシが「人はなぜモテたいのか」という問いを起点に、現代人の心の闇をえぐり出していく。
『すべてはモテるためである』は、「モテる=幸せ、モテない=負け」という風潮に縛られ、苦しむ人々へのカウンターだ。モテたいのにモテない。努力しても報われない。そんな人間の不安や焦燥を、著者は極めて優しい言葉で肯定する。「自分の価値は他者に決められるものではない」と諭しながらも、「でも誰かに認められたいよね」と共感し続ける姿勢が胸を打つ。本書には“解決策”はないが、“救い”はある。読者はページをめくるたびに、自分の過去の痛みや劣等感と向き合いながら、それでも「生きていていいんだ」と思えるようになるだろう。
モテをめぐる本質的な人生論がここにある。
では以下に良いところを挙げていこう!
“モテたい”を否定しない優しさ
多くの自己啓発書や恋愛論ではモテたいという気持ちを「未熟」や「他者依存」として断罪しがちだが、本書はそれを否定しない。「あなたがモテたいのは当然」と全肯定する優しさが、読者の心をまず癒やす。
恋愛ではなく「人としての承認」を描く
「恋愛=価値」ではなく「人間関係における承認」の問題を扱う深さがある。モテる/モテないを超えて、「人としてどう生きるか」というテーマに自然と行き着くため、読後には人生そのものを見直すきっかけになる。
誰でも共感できる“モテの地獄”描写
「LINEが返ってこないときの不安」「イイ人止まりで終わる絶望」「自分なんて無理だと思う夜」…そんな“あるある地獄”を言語化する描写力が抜群である。自分だけが苦しいわけじゃないと実感できる一冊。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
明確な解決策がない
この本は“癒やし”にはなるが“戦略”にはならない。「こうすればモテる」といった具体的アクションを求める読者には、やや物足りなく映るだろう。
重いテーマが多く、気軽には読めない
承認欲求、劣等感、自己否定など、かなり重たいテーマを直視する内容が多い。軽く読み流すにはしんどく、精神状態によっては読むのに体力が要る。
男女論がややステレオタイプ寄り
一部の記述では、男女の役割や性差についての見解が固定的に感じられる箇所もある。現代の多様性に敏感な読者には引っかかる可能性がある。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- モテない自分に価値がないと感じてしまう人
- 恋愛や承認欲求で心がすり減っている人
- 自己否定から抜け出せずにいる人
『すべてはモテるためである』は、モテたい、愛されたい、でも報われない——そんな人間の本質的な苦しみを、深く、優しく、そして鋭く描いた作品である。AV監督という異色の経歴を持つ著者・二村ヒトシだからこそ語れる、リアルな人間の弱さと救済の物語。この本を読むことで、読者は“モテ”という言葉の裏にある、自尊心や生存欲求、そして「それでも生きていたい」という願いに気づかされるだろう。モテる必要はない。だが、モテたいと願う心を恥じなくていい。この本は、そんなあなたをそっと肯定してくれる!

モテたいと願う心こそ、人の証…恥じることないのじゃ!