

ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミはBECKは好きかい?
最近なんか元気出ねぇな〜。音楽でも変えてみっか。


ならBECKの『Colors』を聴くのじゃ。これは最高の作品じゃ!
え?BECKって新譜出してたっけ?


今作はめちゃめちゃ良い作品になっているのじゃ!
マジか⋯チェックしてみるわ。

\ ココがポイント!/

BECKのアルバム『Colors』は、単なるポップアルバムではないのじゃ!!
オルタナティブ、エレクトロ、ディスコ、インディーポップの要素を自在に操るBECKが、自らの音楽遍歴と美学を軽やかに再構築した作品である。
2017年にリリースされた本作は、耳馴染みの良さと奥行きのあるサウンドプロダクションが同居しており、聴くたびに発見がある。BECKの多面性と、音楽を“色彩”として捉える独自の感覚が全編に宿っており、日常に活力と創造性を与える一枚である。
音楽ファンだけでなく、日常を豊かにしたいすべての人に薦めたいアルバムだ。
※この記事はドラねこが実際に自腹で買った製品をレビューする記事です。
「良いところは良い、悪いところは悪い」とプロダクトをしっかりレビューする内容となっており、記事を読みつつ「お、これは良いな、買ってみようかしらん?」と思っていただいた方だけリンク先から「ポチって」いただけたら幸いです。「お前には一銭の金も渡したくないんだよ、この水色ネコメガネが!!」という方は、読まずにブラウザバックをすることを推奨します。
BECK「Colors」が傑作すぎて
とうとうやってくれたという感じだった。
10月に急遽新作アルバム発売&来日と聞いて「え?!(;´∀`)」となったわしだったが、さっそくAmazonで予約して、アルバムが届くのを「まだかまだか」と待ちわびていたのだ。
そして先日、ようやくわしの手元にアルバムがやってきた。
最近はめっきりCDなんて買わなくなってしまったわしだけど、自分が「これぞ!」と決めたお気に入りのアーティストはすべてCDを揃えたいと思っているので、今回のBECKも絶対に手に入れようと購入したのだ。
項目 | 内容 |
---|---|
アルバム名 | Colors(カラーズ) |
アーティスト | BECK(ベック) |
リリース年 | 2017年 |
ジャンル | オルタナティブ・ポップ/インディーポップ |
トラック数 | 全11曲 |
代表曲 | "Colors", "Up All Night", "Dreams" |
プロデューサー | BECK, Greg Kurstin |
受賞歴 | 第61回グラミー賞「最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム」受賞 |
それではさっそく開封の儀をしてみよう。
開封の儀
どーん!おお!紙ジャケだ。
これはひょっとしてBECKのCDで初めての紙ジャケじゃないか?
裏はこんなかんじ。
今回買ったのは日本語訳付きのものだったがそれでもお値段リーズナブルで2600円ほどで購入できた。
いつぞやのコールドプレイの「ゴースト・ストーリーズ」を5000円で購入したのに比べれば遥かに良心的である。
洋楽好きにはSpotifyがオススメ!
BECKはSpotifyなどでも無料で聴くことができます。
海外サービスなだけあって日本の音楽アプリより洋楽が充実していますので、ぜひお試しください。
良いところ
では以下に良いところを挙げていこう!
ポップでありながらBECKらしさが失われていない
『Colors』は一見するとポップで明るいサウンドが前面に出ているが、その裏にはBECK特有の遊び心とひねくれたコード感、音響センスがしっかりと息づいている。彼がこれまで築いてきたオルタナティブな感性が、より開かれた形でアウトプットされており、万人受けしながらも個性的であるという稀有なバランスが成立している。
聴くだけで前向きになれるトーンとテンポ感
アルバム全体に漂うポジティブなテンポと軽快なビートは、気分を高揚させる効果がある。
「Up All Night」や「Dreams」などは、朝の支度中や作業中に聴くのに最適なトラックであり、ライフスタイルのBGMとして機能する力を持っている。無機質な日常に、音楽という“色”を加えることができる。
音の緻密さとグレッグ・カースティンのプロデュース力
グラミー常連プロデューサー、グレッグ・カースティンとの共作によるサウンドの完成度は非常に高い。
隙のないミキシング、ベースラインの細やかさ、ボーカルの配置など、細部まで神経が行き届いている。ヘッドホンで聴くと、音の層が幾重にも重なっているのがわかり、ただの“軽いアルバム”ではないことが見えてくる。
結論を言うと今作のアルバムは「買い」である。
前作「Morning Phase」はグラミー賞を獲得したにも関わらず、個人的には「シー・チェンジ」の焼き直しみたいな内容に少し肩透かしを食らった感じだっただけに、今作は一聴してすくに気にいってしまった。
本人もグラミー受賞で、それまで書き溜めていた曲の大半は捨てたというだけあって、今作の力の入れ具合はそうとうなものである。
Colors
正直わしはEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)系は好きじゃない。
だがこのBECKの曲を聞いて、今のこのEDM全盛の時代に、BECKの才能はもってこいなんだなという印象を受けた。
WOW
「Wow」などの珍妙(失礼)なアレンジなんかも本当にツボで、聞いているとこのちょっとニューエイジかかった電波系ソングがなんともBECKらしくってクセになりそうである。こうしたものは「オディレイ」の中の「The New Pollution」を彷彿とさせて、非常にBECKらしいBECKワールドを展開している。
なんか仏教音楽みたいな極彩色豊かな音作りをしていて、しいて例えるなら音のマンダラ。たまらないw
Up All Night
「ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥン、ドゥンドドゥドゥン(パラララララ♪)」
それにしても今作のBECKのアレンジはうまい。
EDMってなんとなくドゥンドゥンしていてすべておんなじような曲に聞こえるけど、この「Colors」に収められている曲はどれもすべての曲に「BECKらしさ」がにじみ出ている。
ポイント
もともとBECKの作風スタイルは環境音や様々な楽器などを現代アート風にミックスして、ベースにはファンクや民族音楽などのような普遍的な音楽を現代風にアレンジする、というような方針を取ってきた。
今作はそんな過去の民族音楽風の曲調は姿を消したが、見事なダンスナンバーが数多く揃っていて、聞いていてまったく飽きることはない。
おまけに曲数が10曲というのもちょうどいい。
というのもこういったEDM系は曲調がどれも同じだからあんまりおんなじような曲が続くと飽きてしまう。
そうしたところをうまくかいくぐって見事なバランスで編み出されている本作は、これまでのアップテンポなアルバムの最高傑作ではないだろうか?
最近、嫌なことが続いていたのでこうした曲を聞いているとアップテンポな曲が、沈みがちな心を非常に励ましてくれる。
「EDMなんか興味ねぇ」という方には、ぜひこのBECKワールド前回の「Colors」を試してもらいたい。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では次に悪いところを挙げていこう。
BECKの過去作を好むリスナーには物足りないかもしれない
『Sea Change』や『Morning Phase』のような内省的でアコースティックなBECKを好むファンにとっては、『Colors』の陽性でポップな方向性がやや軽く映る可能性がある。過去との比較で評価が分かれるタイプのアルバムである。
歌詞の深みに欠けると感じる向きもある
サウンド重視のポップアルバムであるがゆえに、歌詞の文学的深みや象徴性を期待する人には物足りなさを感じる部分もある。ダンサブルで耳馴染みが良い一方、感情的な“刺さり”は弱めである。
アルバムとしての統一感に疑問を持つ人も
トラックごとの方向性がバラけていると感じるリスナーもいるだろう。「Colors」「Wow」「Fix Me」など、曲ごとにムードが異なるため、アルバム全体としてのコンセプト性はやや希薄と見る向きもある。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- ポップとオルタナティブの中間を楽しみたい音楽ファン
- 元気になれる音楽を日常に取り入れたい人
- BECK初心者で「まず一枚」から入りたい人
BECK『Colors』は、彼のキャリアの中でも特に“聴きやすく、それでいて深い”という稀有な立ち位置を確立したアルバムである。
単なるポップアルバムと捉えるには惜しい奥行きと緻密さがあり、それでいて日常の中にスッと入り込む軽やかさも併せ持つ。音楽で空間を彩り、気持ちをリセットしたい──そんな欲求に応える力を持つ作品である。
音楽をただ聴くだけではなく、使いこなす時代の“日常ツール”として、このアルバムは機能するだろう。

『Colors』は心を塗り替える音楽なのじゃ!