
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは読んだ本の感想は全て一冊のノートにまとめているかい?
本って読んだそばから忘れるだろ。


記憶せぬ読書は砂に水を注ぐがごとしなのじゃ。
メモってもノート分けてるとどこに書いたか分かんなくなるし。


ならば“1冊のノート”にまとめるのが正道なのじゃよ
え、1冊に全部!?
逆に混乱しないんか?

\ ココがポイント!/

『読書は1冊のノートにまとめなさい』は、現代人にとっての読書の課題を1冊のノートというシンプルかつ強力な方法で解決する実用書なのじゃ!!
著者の奥野宣之は「記録よりも思考を残す」ことを重視し、ノートに読書の記録を一元化することで知識を結びつけ、創造力や発想力を高めることを提唱する。
本書は読書ノートを“情報の墓場”にせず、“知的生産の道具”に変える方法論を具体的かつ簡潔にまとめている。分けずに1冊に書くことの意味、分類よりも文脈、そして情報は「探すより、思い出す」ことが重要であるという思想は、多くの読書術と一線を画す。
まさに「読む力」ではなく「考える力」を鍛える一冊である。
読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版]
普段からたくさん本を読むわしは、知っての通りこのブログは以前「読書日記」と銘打って、色々読んだ本の感想を記事にして、なるべく記憶にとどめようと努力はしている。
しかしそう言っても、月20〜30冊くらい本を読むわしが、その全てをこうしてブログで記事にしているかといえば、そうではないことはご覧の通りだ。そこは必ず取捨選択の上で成り立っているのだ。
しかしそうすると、
その他に記事として書かれることなく埋もれてしまう本も出てきてしまう。
実際に図書館などで本を借りてきて、わしは一週間に1、2冊しか記事を書かないものだから、他にも記事にしたい本があっても一週間後には読んだ時の感動や内容を忘れてとても記事にできない時がある。
それではあまりにももったいない。
こうして記事にされる本の内容は頭にインプットされても、後の本は時がたったら忘れてしまったのでは、意味がないのだ。
そこで登場するのが今回ご紹介するこの本は、以前も紹介した奥野宣之氏が誰にでも簡単に、読んだ本の内容を頭の中にインプットして、必要なときにアイデアとしてアウトプットする技術。
以前はこのブログも読書日記として更新していたときは、毎日ネタがなかったので読んだ本を片っ端から備忘録よろしく自分なりの言葉を添えて、書評のような真似事をして書いていた。
しかしブログに書くにしても根気がいるし、インターネットという大勢の人の目に触れるものに書くのだから、読む本も選ばなくてはいけないという意識がどうしてもはたらいてしまう。
これでは記事にされなかった本が、いずれはわしの記憶の海の底に沈んでいくのは目に見えている。
そこで、 そうした読んだ本を全て覚えておく方法はないものか、と探していたところ、この一冊に出会った。
本書の冒頭で著者の奥野氏はどうしたら読んだ本を、記憶に留めておけるかをこう語っている。
では、どうすれば「読みっぱなし」をやめて、呼んだ本のことを頭に残すことができるのでしょうか。
読んだ本の内容を、なるべく忘れないように、自分の血や肉としていきたい。
本の情報をきちんと体に落として、読書を楽しみながら自分を作っていきたい。
(中略)
しかし、もっとも忘れてはいけない基本的な読書の目標とは、
「一冊一冊から、きちんと自分なりに何かを学ぶ」
ということではないでしょうか。
月に何冊以上読むとか、一冊を何十分で読むかと言ったことは、この目標の前ではどうでもいいことです。
(中略)
より早く本を読むことを目指してトレーニングしたり、月に何万円も本を買って乱読したり、ロジカルな思考能力を鍛えたり、といったことは、それからでも遅くありません。
それよりも、自分が求めていることに答えてくれそうな本を、一冊一冊しっかりと選ぶ。そしてその一冊と真摯に向き合い、本から学ぶ努力を重ねる。
この方が賢明ではないでしょうか。
p9・10
こうした姿勢は、普段わしが本をよむ際にも通じるものがある。
世の中には多くの本が存在する。そして、そんな本全て読むことなど出来ない。
故に限られた時間と自分の手の届く範囲の中で、少しでも多くの本からの知識を自分自身に還元するためには、ただ漫然とたくさんの本を読むだけでは限界があるのだ。
そこで登場するのが、読書を「ノートにメモするという」方法である。
やり方は至ってシンプル
普段何気なく本を読んでいる方で、ここまで読まれた時点で「すげぇめんどくせぇ」と思われた方もいるだろう。
読書メモを手書きで書くのは面倒ではないか、と思う人は多いでしょう。
(中略)
本の抜き書きをしたり、感想を手で書き残すことはただの「作業」ではありません。
確実に、将来のアウトプットの仕込みになるのです。
思考とはガスのようなものです。今このときは、はっきり「ある」と思っても、あっという間に霧消してしまいます。
それにそのままではどんな考えなのか自分自身でもよくわからない。
(中略)
また紙に書いて言語化した思考は、そのままの状態よりずっと扱いやすくなる。アイデアの材料として、「取り回し」がよくなるのです。
p34・35
しかし、そんなに尻込みする必要はない。何も特別なことをするわけではないからだ。
使うものは一冊のノートを用意して、以下に書かれているようにすればいい。
その方法は「ノートに一元化する技術」にこう書かれている。
- 何でもここに書く
- 時系列を守る
- 日付を入れておく
- 速記や略記を駆使する
- とりあえず貼る
p52
非常にシンプル。どれも簡単なことばかりだ。
ここに書かれていることは、実は普段から自分もノートに書き込んで実践していることばかりだった。
しかしこの中でもわしが一番注目したのは「とりあえず貼る」というものだ。
新聞の書評やチラシ、本の帯までもノートに貼ってしまおうというのは、さすがに考えつかなかった。
確かに、文章だけ書いておくよりも何かしらビジュアルに訴えるものを合わせて貼っておいた方が頭に残りやすいだろうし記憶にも定着するだろう。
これを読んでさっそくわしも買った本の帯や、図書館から借りてきた本の貸出レシートをノートに貼っておくことにした。見栄えは一気に明るくなった。
これなら後日ノートを見返す際に、パッと開けばすぐにどこに何が書いてあるかわかりやすいし、どんなことを書いていたかも記憶に残りやすくなるだろう。
そういった小さなテクニックがこの読書ノートのミソなのである(*´ω`*)
読書ノートは「ねぎま式」で
それでも「読書ノートなんてめんどくさくてやってらんね~よ」という方へ。
いやいや、読書ノートといっても書くことはこんなに少なくても良いんですw
読書ノートに入れていおきたい最低限の情報は、次の三点です。
- 書いた日付
- 本のタイトル
- 著者名
p116
たったこれだけでも一向にかまわないと著者は言う。
その他に、もっとくわしく読書ノートをつけたいのなら……
上記の三点に加えて、次の二点を記録しておきます。
- 自分にとって重要な記述(抜き書き)
- その文章に対しての自分の感想(コメント)
p117
を書いておくことをオススメする。
この「自分にとって重要な記述」自分がその本を読んで、一番感銘を受けた、あるいは重要だと思った部分の一文だけを抜き出して、それにその時どの文章を読んでどう思ったのか「自分の言葉」を書いておくことがなによりも重要だと本書は指摘する。
なるほど、たしかにわしもただ単純に本の中の名文や名言だけを書き残していて、何年か経ってその文章を見直して見たとき、その文章を読んだ時の感動が抜け落ちていることがよくある。
「なぜ自分はこの文章を選んだんだ?」というような前後の記憶が全く思い出せない。
もうその頃には、その時たしかに感じていたはずの感動がガスのように抜けてしまっているのだ。
これでは揺れる電車の中、スマホ片手に必死に文章を打ち込んでもまったく意味が無いw
このように読んだ本のタイトルとその本の中で感銘を受けた部分、そして自分の感想を交互にノートに買い込むことを「ねぎま式」読書ノートという。
読書ノートはブログなどのアイデア出ししたい時にも、後日きっと何かしら役に立つに違いない。
ブロガーこそ、このようなノート術を利用すべきなのだろう。
ということで、これなら記憶の定着にもうってつけだろうと、わしも早速やってみた。
ノートを開いて「読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版]」から引用したのは次の文章。
アイデアを出すときにも、無から生み出すことはまず出来ません。
考えというものは必ず何らかの刺激に対するレスポンスです。
p130
確かにアイデアと言うものは、何か外部からの刺激が合ったときによく現れるようだ。
これは金言。きっといつかわしに役立つアイデアの源になることだろう。
さっそく、この一見わかりきったような法則を、ノートに写しておいた(*´ω`*)
良いところ
あらすじ
本書は、読んだ本の内容を記憶・活用するために「1冊のノートにすべてを集約する」ことを提唱する読書術指南書である。
奥野は、複数のノートやデジタルツールで情報を分散させるのではなく、アナログな1冊のノートに思考を積み重ねていく手法を取る。この方法により情報同士がつながり、知的ネットワークが構築されるという。
読書中に思いついたことをそのまま記録する「メモ読み」書き写すのではなく要点や問いを書く「抜き書き」、そしてそれを日常的に見返すという運用法までが、丁寧に解説されている。
「ノートは整理するためのものではなく、考えるための場である」という視点が新しく、読書と記憶、発想の関係性を見直すきっかけとなる内容である。
では以下に良いところを挙げていこう!
情報を「記録」から「知恵」に変える構造
本書の最大の魅力は、読書によって得た知識を単なる情報ではなく、思考の素材として再構築する方法を提示している点にある。
「1冊にまとめる」という制限によって、情報は自然と取捨選択され、要点が凝縮される。
さらに、分けずに混ぜることで、異なるジャンル同士の知識が交差し、独自の視点や新しい発想が生まれる。この“知識の化学反応”を促す仕組みは、まさに創造的読書術の真髄である。
シンプルで再現性が高い手法
複雑な手帳術やデジタルツールに頼ることなく、誰でもすぐに始められる点も評価が高い。
用意するのは、ただのノート1冊とペンだけ。方法論も「思いついたことを書く」「後から見返す」「ジャンルを分けない」と、極めてシンプル。面倒なルールや細かい分類が不要なため、継続しやすく、習慣化にもつながる。ノートの使い方に悩むすべての人に希望を与える手法である。
読書の本質を捉え直す哲学がある
「読書=情報収集」という短絡的な理解を超え「読書=思考のきっかけ」として捉え直す思想が本書にはある。
特に「ノートに書くことで記憶に残りやすくなり、思考が進化する」という指摘は、実体験に基づいた説得力がある。
読書をインプットだけで終わらせないために、何をどう残すべきか。本を読むだけでは満足できない“考える読書人”にとって、本書は大いなる指南書となるだろう。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪いところ挙げていこう。
ノート1冊主義が合わない人もいる
本書は“1冊で完結させる”ことを強く推しているが、すでに複数のノート術を使っている人や、ジャンル別に記録したい人にはかえって不便に感じるかもしれない。
また、スケジュール帳やメモ帳と併用する場合の使い分けがやや曖昧な印象を受ける。
デジタル活用の視点がやや欠けている
アナログノートに特化しているが現代ではデジタルと紙の併用が一般的である。本書にはデジタルツールの利点や連携の話がほとんど出てこず、紙中心の読書法に偏りすぎているきらいがある。
ノート活用後の実践例が乏しい
ノートを書くところまでは詳細だが「書いたものをどう活用するか」という実践例や応用の話が少ない。例えば仕事での応用や、創作・企画にどう活かすかまで踏み込んでいれば、より実用性が増しただろう。
そこらへんは好みだろうけど、気にならないヤツは気にならないだろうな。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 本を読んでも記憶に残らないと悩んでいる人
- ノート術をシンプルにしたいミニマリスト志向の人
- 読書を思考や企画の源泉にしたいクリエイター・企画職
『読書は1冊のノートにまとめなさい』は、知識を記録するためではなく、思考を育てるための読書術を提案する一冊である。シンプルな方法だからこそ、再現性と継続性に優れ、誰でも実践できる。
「ノートに書く=思考を深める行為」として捉えるこの発想は、多読や速読が重視される昨今において、極めて本質的なアプローチである。
読書を手段ではなく目的へと昇華させたい人にこそ、このノート術は強く響くだろう!

読んで忘れるのは、読んでおらぬに等しいのじゃ。
思うがままにノートに記せば、知は血となり骨となる――これぞ読書の極意なのじゃ