

ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは会計は好きかい?
家計簿って三日坊主で終わるんだよな


風船会計なら続けやすいのじゃ
風船?なんだそりゃ?


収入を“風船”に見立て、使える分を分ける仕組みなのじゃ
なるほど、ゲーム感覚で管理できそうな本だな。

\ ココがポイント!/

『風船会計メソッド』は、収入を「風船」に見立てて分配・管理することで、家計簿に挫折した人でも無理なくお金をコントロールできる手法なのじゃ!
松本めぐみ氏は、FP(ファイナンシャルプランナー)として数多くの家計相談を重ね、複雑な仕組みよりも「続けられる」ことに重きを置いた。本書は従来型の家計簿に代わる新提案であり、実際に家計簿利用者の約6割が「1年以内に挫折する」(出典:マネーフォワード社調査、2021年)というデータを踏まえると、そのニーズは非常に高い。結果として、本書は「家計簿に疲れた人」や「数字が苦手な人」にとって現実的であり、生活の安心感を高める実用書であると言えるだろう
難しい会計が簡単に理解できる?!
なんとなくお金の勉強をしてみたい。
最近漠然とそんなことを考えるようになった。

なんというか、最近はお金に余裕が出来てきて、少しNISAとか始めたからかなぁ?
金回りが良くなってくると目先のことより、大局的に会計を見直してみたくなるよな。
で、なんでこの本なんだ?


YouTubeでこの本の著者と名越康文先生が対談していた動画をみたのじゃ。
それで興味を覚えてのう。
これか⋯⋯なかなか面白い対談だったな。


それで興味を覚えて読んでみたのじゃ。
感想
では、まず本書のあらすじを要約してみよう!
あらすじ
本書『風船会計メソッド』は収入を一つの大きな「風船」に見立て、そこから「生活費」「貯金」「娯楽」などの小さな風船に割り振っていくという考え方を提案する。特徴はシンプルさで、従来の家計簿のように細かく記録する必要がない。収入を目に見える形で分配することで、「今月どこまで使えるか」が直感的に把握でき、無理なく継続できる仕組みとなっている。著者の松本めぐみ氏は、FPとして相談を受ける中で「数字が苦手な人ほど家計管理に悩む」という現実を踏まえ、このメソッドを開発した。複雑な仕分けや完璧な記録を求めず、むしろ「ざっくりで良い」という発想の転換が本書の核心である。結果として、家計に対する心理的負担を軽減し、ストレスなく貯金を習慣化できる内容となっている。
本を手にとってみると一瞬、不安になった。
何故なら会計の本のはずなのに、本が、あまりに薄かったからw
会計の本というなら、簿記の教科書や税理士の教科書みたいにめちゃくちゃ分厚いものである、というイメージがあっただけにこの薄さはちょっと拍子抜けというか、「こんな薄い一冊で本当に会計が学べるのか?」と不安になったのだ。
しかし、その不安は杞憂であったと本書を読んで直感した。
これは難しい会計の世界をわかりやすく無駄を省いた本だったのだ。それゆえに本の厚さが薄かったのである。
貸借対照表は豚の貯金箱?!
財務諸表を読めば、仕事も立体的に見える
企業経営のなかで、会計や財務は非常に大切な要素です。なぜなら、きざまな数字は「今会社として何をすべきか」を示してくれるからです。
財務諸表が読めるようになると、仕事が立体的に見えてくるようになります。例えば、上司から売上目標100万円と言われたときに、単にその105円を点で捉えるのではなく、100万円という金額がどんな意味をもっているのか、達成できた場合、できなかった場合にそれぞれどんなインパクトがあるのかなど、背景もストーリーで理解することができます。
そこで取り入れてほしいのが、私が考案した「風船会計メソッド」です。
貸借対照表を豚の貯金箱に置き換えました。なぜなら、貸借対照表は会の資産が書かれているからです。貯めてきた資産(まるで、豚の貯金相におこづかいを貯めたような)を表しています。そして、後述しますが、損益計算書を「風船」に、キャッシュフロー計算書は豚の貯金箱の頭に置き換えます。
P12
貸借対照表というのは、たとえば少し会計の本を読んだり、税金の計算などをする際にYouTubeの動画を学んでいるとよく目にする言葉である。
しかしそれが具体的にどのようなものを指すのかよくわからない。前のめりに本を読んだり動画を見ても理解できない。
なぜならあまりにも日常で接点のない言葉だから、である。
しかし、本書を読んで変わった、貸借対照表という聞き慣れない言葉が「=豚の貯金箱」とわかりやすいものに置き換えられたから、であるw
そしてその他にも損益計算書を「風船」キャッシュフロー計算書「豚の貯金箱の頭」と名付け、ユニークなメタファーでわかりやすく貸借対照表の見方を教えてくれるのだ!

こ、これはわかりやすい!
確かに別の言葉に置き換えてくれると、パッとイメージしやすいよなw

資産・負債・純資産を見るための貸借対照表
どんな会社も企業活動の結果として、お金や有価証券、不動産などをもっています。なかには借金などマイナスのものもあるでしょう。貸借対照表にはその結果がしっかりと反映されていますが、数字だけ見てもよく分かりません。
例えるなら、貸借対照表は「豚の貯金額」。普段は中身がよく見えないけれど、ある日思い切って「貯金額の中身を見てみよう!」と割ってみたら、中身が一目瞭然になります。
豚の貯金箱を頭の中でイメージしてみてください。貯金額はお金を貯めるものですよね?貸借対照表には、会社を創業して10年なら、10年かけて積み上げてきた資産から、使った資産が引かれ、今残っている資産がすべて書かれています。
まずは「豚の貯金箱」を割ってみる
貸借対照表は、理解して分析できるようになればすごく面白いのですが、私自身それが本当に苦手でした。一つひとつの科目が何を表しているかは理解できますが、点でしか理解していなかったので、「これを見て何をどう手を打っていけばいいの?」と思っていました。
会計セミナーや経営分析セミナーにもたくさん参加しましたが、多くの公式に自社の決算書数字を当てはめていくものでした。そのときは分かった気になっても自社に戻って実践に活かせなかったのです。
そこでこの第1章では、貸借対照表の「読み解き方」を簡単にお伝えします。難しい専門用語は最低限におさえ、会計初心者でも無理なく理解できるように意識しました。
まずは、勇気を出してあなたの会社の「豚の貯金額」を割ってみましょう!
P19
豚の貯金箱を割るところからまずは会計の理解は始まり、それを「タテタテ」「ヨコヨコ」と見比べて自社のリスクを冷静に分析し、何を為すかを考えるところから会社の経営は始まると本書はわかりやすく教えてくれる。
売上は風船
次にユニークなところは売上を風船と例えているところだ。
損益計算書はとても重要な書類
この「風船会計」では、損益計算書を「風船」と「気球」で表現しています。
そもそも損益計算書とは、会社の利状況について記載されている書類です。その記載は収益・費用・利益に分かれていて、会社が費用を何に使い、どれだけ売上が上がって、どれくらい儲かったのかを読み取ることができます。
全体の売上を「風船」で表現する
風船の全体が「売上」で、風船外観が大きいと売上が多く、小さいと売上が少ないです。そして、風船の中には「重り」が入っています。この重りが変動費と呼ばれる経費です。会社で発生する経費は大きく2つのグルーブに分かれます。この「グループに分けてあげる」というのがポイントです。
風船はそのままでいいかというと、そうではなく、その中にはどれも必ず「重り」が入っている。
そしてこの重りが会社を経営していくうえでの経費となるので、利益が全て自社のものになるわけでなく風船という売上の中に経費という重りが必ずつきまとう。ではその会社が好調な時はどう計るのかというと、その風船にヘリウムガスがどれだけあるかにかかっているという。
ヘリウムガスを「気球」に移していく風船にどんどんヘリウムガスがたまってきたら、そのガスを今度は「気球」に移していきます。この気球には、あらかじめ「固定費」という重りが入っています。この固定費は売上の大きさに関係ありません。コーヒーの売れた数が0杯のときも、10杯のときも100杯のときでも、この重りの大きさ(費用)は変わらないのです。変わらないため、固定費といわれます。
頑張って風船を膨らませ、ヘリウムガスを増やしてこの気球をどんどん浮かせてこそ、自社の経営がうまくいくというわけです。
P60
そう会社にとって良い利益とはヘリウムガスのことでこれが風船の中で大きく膨らむと企業は順調な成長を遂げているということになるのだ。
おもしろい例えだな。
こうやって「風船」とか「重り」とか「ヘリウムガス」とか、色んなものに例えてくれることによってその会社の内実がわかるようになっているのか。


わかりにくい会計の中身がこのような表現でより身近に感じることができるようになるのうw
より自由な経済活動のための組織作り
経営者も社員たちも「自分でいられる」組織づくり
風船会計を使うことで分かりにくかった会計知識が若手社員にも定着するようになります。そして、組織という輪郭を立体的なストーリーとして皆で描くことにより、認知を共有することができました。次に私がやりたかったのは人が仮面を被らずにその人のままでいられる組織をつくることです。
どうすればつくれるのか?自分自身を振り返ってみると、昔、私はKPIを細かく設定したり、ルールをつくったりした時期がありました。そのときの私は「細かく数値目標があったほうが管理しやすいし、業績も達成しやすいはずだ」と思っていました。
しかし、今になって当時の私の心の奥底を覗いてみると、「恐れ」があったことが分かりました。
「経営者としてちゃんとやれているか?」
「利益は出せるのか?資金は大丈夫か?」
「人事問題がまた起こるんじゃないか?」
私の行動の起点は「恐れ」だったのです。
誰もが仮面を被らずにいられる組織をつくるには、恐れを克服したり、見ないようにしたりするのではなく、まず自分自身が仮面を取って、怖がっている自分を許して認めることが必要です。
私は恐れ、不安、悲しみが湧いたときに都度それを感じて、その奥にあるものを感じていくことで、ルールでガチガチにせずに従業員たちの個性も活かせることに気づきました。きっと、自分のなかの陰も陽も受け入れて器が広がったのだと思います。
P92

会計と聞くと数字が羅列した文章が並び難しいという印象を得るが、本書を読んでいくとその考えから開放されてより自由な会社経営ができるんじゃないとか思わせてくれる内容だったのじゃ。
この本をと読むまで確かにちょっと会計とか経理の話って難しいと思っていたけど、読んで貸借対照表の読み方を学べば、恐れることなく自分の会社の経営に活用することが可能なんだな。
会計って意外と深い話だぜ。


なんでも豊満財政で行ってしまっては、会社という組織は継続することが出来ないのじゃ。
勉強する必要があるのうw
良いところ
では以下に良い点を挙げていこう!
シンプルで続けやすい仕組み
多くの人が家計簿を続けられない理由は「記録の細かさ」にある。本メソッドは「収入を分けるだけ」という非常にシンプルな仕組みで、三日坊主になりにくい。FP協会の調査によると、家計簿の平均継続期間は3か月未満が過半数(出典:日本FP協会、2020年)。その点、「風船会計」は記録に時間を取られず、自然に続けられるのが大きな強みである。
視覚的・直感的に理解できる
お金を「風船」にたとえる比喩はわかりやすく、数字が苦手な人でも視覚的にイメージしやすい。特に「どの風船が大きいか、小さいか」で優先順位を理解できるのは大きな特徴だ。行動経済学の研究でも、人は「視覚化された情報」の方が行動に結びつきやすいとされている(出典:カーネマン『ファスト&スロー』)。この点は、本書が幅広い層に支持される理由だろう。
心理的ストレスを減らす効果
従来の家計簿は「使いすぎの罪悪感」や「計算ミスの不安」を生みやすい。本メソッドは「ざっくり管理」で十分と明言することで、心理的ストレスを軽減する。結果として、挫折せずに前向きに家計と向き合える。これは「継続できる仕組み」を最優先する現代のライフスタイルに合致している。

読みやすくて理解しやすい本書は会計を理解するうえでの最初の一歩になる本なのじゃ。
正直これ一つで全てが理解出来ているわけではないが、これを読んで置けば会社経営であまり間違った判断はしないかもしれないな。

気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
では以下に悪い点を挙げていこう。
精密な分析には向かない
これはあえてなのだろうが、本書はまずわかりやすさに重点を置いているため、例として精密な分析などは乗っていない。
収入や支出をざっくりと管理するため、細かい出費分析や投資計画には不向きである。将来的に資産形成を精密に行いたい人には物足りないだろう。
応用の幅に限界がある
基本的な枠組みはシンプルだが、複雑な収入体系(副業収入や不規則な収入など)を持つ人にとっては、単純化しすぎて使いづらい面がある。
習慣化には工夫が必要
シンプルであるがゆえにこれ一冊読めば会計や税金のことが「すべてわかる:と勘違いして、もっと細かな税金の知識などを「放置してしまう」リスクもある。メソッド自体は続けやすいが、実際に生活に取り入れるには、これを入門として様々な財務の本を読み、学び続けることによって、本人のモチベーション維持を続けることが不可欠である。

もう少し実際の会社の売上などを参考に例に出してもらえた方がよかったかもしれないな。
まぁそのかわりに三匹の子豚の例えが頻繁に出てきてくれるのじゃがなあ。
三匹の毛色違うも豚がそれぞれカフェを経営していて、それがどのような結果になるのかをわかりやすく解説してくれているのは助かるぜ。


こういったものを参考に個人で経営をしている事業主は頑張って自社の経営をうまくいかせたいものじゃ!
まとめ
こんな人におすすめ!
- 家計簿に何度も挫折した人
- 数字や計算が苦手な人
- 気軽に家計を整えたい主婦・若年層
『風船会計メソッド』は、従来の家計簿に疲れた人にとって救世主的な一冊である。収入を「風船」に見立てて分配するという直感的な仕組みにより、数字が苦手でも家計を整えられる。データ上でも家計簿挫折率が高い現実を考えれば、この方法は非常に実践的である。ただし、精密な資産形成や投資を考える層には物足りない部分もある。それでも「続けられること」を重視した本書は、多くの人の生活を楽にし、お金に安心感をもたらすだろう。

お金の管理は完璧でなくてよい、続けられる仕組みこそが大切なのじゃ