涙でお茶が飲めません。血と汗と涙の緑のしずく

2016年4月20日

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涙でお茶が飲めません。血と汗と涙の緑のしずく

2016年4月20日

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ドラねこ
ドラねこ

こんちわ、おいさんだよ。

オマエは茶は好きかい?わしは好きだよ!

いや、知ってるけど……

まいける
まいける
リク
リク

ボクもお茶はすきだよ!

ポポポ!

ポコたん
ポコたん
ドラねこ
ドラねこ

そこで今回は「茶の世界史―中国の霊薬から世界の飲み物へ」を紹介するのじゃ

でもオレはどちらかっていうとコーヒーの方が好きなんだけどな。

まいける
まいける

 

前回まではこちら

カンタン実践!やってはいけない住まいのNG風水。という話(*´ω`*)

茶の世界史

なかなか興味深い本である。

今までわしもお茶の本はいろいろ読んできたが、西洋人自らが西洋史を紐解きつつお茶について語った本はこれが初めてである。

 

この本はよくあるお茶の美味しい淹れ方や、お茶の種類を解説したホッと和むような本ではない

西洋が、長年中国からお茶を輸入しつつ、自身の植民地でお茶を栽培するまでの欧米列強による搾取の物語をつづった歴史書である。

 

これを読んだら、

もうあなたは今までと同じようにはお茶は飲めません(特に紅茶

 

血と涙によって作られた茶の世界

これを読むまで知らなかった。

世界的に見たお茶の歴史が、数多くの血と汗と涙の悲劇彩られていたことを

 

西洋のお茶の栽培の歴史は、

インドを中心とした植民地の奴隷労働から始まる。

それまでは、全てお茶を中国からの輸入に依存していた。

それは西洋(特にイギリス)はその風土によってお茶を自国で栽培出来なかったからである。

 

それが大航海時代を境に帝国主義が世界を圧巻し、インドを植民地として獲得したイギリスは、まずはコーヒーをインドで栽培をし始める。

原住民を奴隷として酷使しながら。

しかし、そんな金儲けを企むイギリス人どもをあざ笑うようにコーヒーの木は一つのウイルスによって全滅してしまう。

そんな中でも粘り強く頑固な職人気質を持ったスコットランド人の手によって、農作物が壊滅状態に置かれ、飢餓と貧困で喘いでいたインドをわずか6年で復活させる。

 

この真面目なスコットランド人こそ、インドで初めて、西洋人としてお茶を栽培させることに成功した男だった。

彼の血と汗と涙にまみれた働きにより、イギリスは中国から輸入しなくても大量のお茶を手に入れることができるようになった。

しかしそんな真面目な労働者たちの思惑とは別に大資本による大規模茶園買収の魔の手が忍び寄る。

 

金儲けを企む大資本の介入により、インドは奴隷労働と搾取の場になるのだった。それがかの有名な紅茶メーカー・リプトンの前身である。

 

こうして紐解いていくと西洋の茶の歴史はおもしろい。

日本のお茶がぼんやりとした平和な思想のもとに大成していった。

日本の茶の歴史はここでいちいち紐解くまでもなく千利休によって身分の卑賤も階級の上下も差別されない誰もが平等に楽しめる茶の湯として始まった(北野大茶湯 - Wikipediaなど)

 

それに比べ西洋は過酷な支配と労働によって生み出されていくのである。

 

それが今でも続く帝国主義の産物なのである。

 

コーヒーも男女平等に飲めなかったイギリス

西洋では茶を飲むことは誰もが平等に喫するものではなかった。

そこには階級制度の元、厳格な差別があった。

 

イギリスではコーヒーは男が飲むべきものであるとして、男たちだけがコーヒーショップに入り浸り、株や冒険や商売の話にのめり込んで夜な夜な盛り上がり、ついには夜のお勤め放棄してしまったという

そしてコーヒーは女が飲むべき飲み物ではないと、コーヒーショップに入ることも禁止してしまい、当時の貴婦人たちからコーヒーを取り上げてしまったそうな。

 

この仕打ちに女たちが収まるはずがない。

コーヒーショップから閉めだされてしまった女たちは、腹いせに上流貴族の女たちを中心にして、当時珍しかったお茶を女たちが自由に楽しめるように運動を繰り広げ、今に通用するお茶のマナーなどを作り、逆にお茶を飲めない男たちを無作法者と相手にしなかった。

 

こうして、女たちから総スカンを食らった男たちは、自ら頭を下げて女たちがティーパーティーを繰り広げている席に赴き、その手ほどきを受けてご機嫌を取る破目になった。

 

こうして、立場は完全に逆転した。

イギリス女のなんとしたたかなことよw(;´∀`)

 

こうしてお茶の需要がますます高まるにつれ、茶の価格も高騰し、その需要に答えようと金儲けに抜目のない野心家たちが、なんとか自国で茶を栽培出来ないものかと自国を飛び出すのだった。

 

それが、後々世界に悲劇をもたらすことになるのである。

 

瞠目すべき日本の茶の歴史

インドでは原住民過酷な奴隷労働酷使され、中国ではアヘン戦争が勃発し、かつての大国は、見る影もない屈辱の植民地として堕していくことになる。

 

西洋の欲望が、彼の地に現代まで続く根深い傷跡を残すことになる。

そのせいでインドは世界で最大の茶の生産国になるのは、歴史の皮肉だろうか?

 

そう考えると日本のお茶の歴史のなんと幸せなことよw

植民地や不当な搾取に遭うことなく、日本の「茶の湯」は独自の文化として発展することができた。

 

それこれも日本の武士階級たちが、影に日向にあの戦国の世を切り抜けながら、つかの間の平和をいまこの時は身分を忘れて楽しもうと千利休に茶の教えを請うたから、おかげでわしらは血塗られた歴史に彩られずにお茶を楽しむことができる。

 

 

そう考えると、

千利休はエライ! って話になるのかな?

 


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  • この記事を書いた人

ドラねこ(おいさん)

知識ゼロからグラフィックデザインを勉強し、15年間で200件以上の名刺やロゴデザインで生計を立てた実績がある。 在宅で生計を立てる方法や暮らしに潤いを与えるガジェットなどを発信中。 人呼んで乱視の猛虎! もし記事を気に入っていただけたらサイトをPlease Like & Subscribe!

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