
ちわわ、ちわ~!おいさんだよ!
キミは皇室についてどれだけ知っているかい?
最近、皇位継承の話題が多いけど、女性天皇って大丈夫なのか?


どういうことじゃ?
だって男系男子で継がせることが決まりそうなんだろ?


いや、そうとは言い切れん。
皇室とは時代と共に変わってきた歴史があるのじゃ。
今回紹介する「皇室論」を読めばそこらへんがまるっとわかるはずだぞ?
なるほど、その辺りを詳しく知りたいな

\ ココがポイント!/

『皇室論』は、現代日本が直面する皇位継承問題に鋭く切り込んだ一冊なのじゃ!!
高森明勅氏は、歴史的視点と現代的課題を織り交ぜながら、女性天皇の可能性や皇位継承の安定化について論じている。特に、伝統と現代社会の価値観の狭間で揺れる皇室の在り方を、多角的に分析している点が特徴的だ。本書は、皇室に関する知識が浅い読者でも理解しやすいよう平易な言葉で書かれており、皇室の未来について考える上での貴重な指針となるだろう。皇位継承問題に関心を持つすべての人にとって、必読の書である。
皇室論
天皇陛下が生前退位の意向をお示しなられている。
安倍政権成立後、現政権によって女性宮家設立の案が潰されて以来、「皇室がこれから存続していくのか?」という不安がずっと続いていたが、今回のニュースは衝撃的な出来事だった。
そんな皇室に関する国民の不安が漂う中、一体、今の日本人にどれほど皇室について正しい知識を持った人たちがいるだろう?
今回はそうした皇室を知る上で非常に役立つ入門書をご紹介したい。
まず本書を読んでびっくりした。
この本には皇室について知らないことばかりが載っていて、わしが知っていると思っていた皇室に関する知識は、誤解もしくは洗脳に近い偏見だったということを痛感した。
本書には皇室や歴代の天皇などについて色々書かれているが、そうした難しいことは実際に本書を読んでいただくことにして、今回はこの本の中から、いわゆる皇室に関する意外と知らない知識をいくつか取り上げてみたい。
菊のご紋は後鳥羽天皇に由来
皇室のご紋章は「菊」。
これは鎌倉時代の後鳥羽天皇が菊のご紋を好まれたのに由来するとされる。正式には「十六葉八重表菊形」で、天皇陛下と内廷の皇族方(皇后陛下と皇太子一家)のみがご使用になる。
宮家は同じ菊でも「十四葉一重裏菊形」が使われる。
『皇室論』p9
菊であることは知っていたけど、その始まりが後鳥羽天皇から始まっていたというのは知らなかった。
そして同じ皇族でも天皇を中心とする皇族方と、宮家では菊のご紋の種類が違っていたことに気づかなかった。
やはり天皇や皇太子一家がご使用できる家紋というのは唯一無二の特別なものなんだね。
意外とそうした細かい決まりがあるなんて、普通の人はしらないですよ(;´∀`)
君が代の「君」は天皇のことではなかった。
国家「君が代」の元歌は「古今和歌集」に収められた長寿を祈る歌だ。
「我が君は千代にましませさざれ石の巌となりて苔のむすまで」(私の敬愛する人よ、千年先まで、小さな石が岩となり表面を苔が覆うようになるまでの長い歳月をどうか息災でいてください)
この場合の「君」は天皇に限定されないが、次第に天皇の長寿を祈る歌とも受け取られるようになっていった
『皇室論』p10
巷では左翼が国歌斉唱反対!なんて叫んでいるものだから、この歌が天皇について歌われている歌だとばかり思っていた。
わし自身どこかでこの「君が代」を「天皇を敬うための歌だ」という風に教わっていたから、左翼もあれだけ頑強にこの歌を歌うことに反対していたのだと解釈していた。
しかし、実はそれは間違いで、この歌はもともと古今和歌集から来ていたんですね。しかも長寿を祈る歌とはw
左翼も勘違い甚だしいのだな。
三種の神器は五つある
皇室は代々、皇位のしるしとして神話に由来する八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の『三種の神器』を伝えて来た。
そのうち、鏡と剣は、それぞれ本体と分身がある。
だから合計で五つ。
所在地は、鏡の本体が伊勢神宮(三重県)、分身は皇居・宮中三殿の賢所(かしこどころ)、剣の本体は熱田神宮(愛知県)、分身は皇居・御所・剣璽の間(けんじのま)、玉(本体のみ)も同じ。
『皇室論』p10
「三種の神器」なんていうもんだから、世間一般では3つしかないと思っていたかもしれないけど、実は写しと言われた「分身」を含めて五つもあるのだということをみなさんどれくらいの人がご存知だろうか?
わしは二年前、一人旅をして伊勢神宮にも熱田神宮にも行っているのでこれは知っていたけど、けっこう多くの人が「三種の神器」は3つしかないと思っていたんじゃないだろうか?
否。正解は五つですw
お母さんや友達にこっそり教えてあげよう!w(*´∀`*)
皇室の国民負担は年間200円
内廷費三億円に加え、全宮家の費用は三億円弱。
合計しても国民一人頭五円くらいの負担。
これに地方訪問や宮中晩餐会などの公務、皇居の修繕などにあてられる宮廷費や、宮内庁や皇宮警察本部の人件費等すべてトータルしても国民一人あたり年間二百円ほどの負担に過ぎない。
『皇室論』p14
これも意外なお話。
多くの国民の間で「皇室」といったら国民の税金で贅沢な生活をおくっている「特権階級」というイメージを持たれているだろうが、実は皇族方の暮らしは慎ましやかなもの。
そもそも特権階級というのは左うちわで悠々自適の生活をおくる富裕層のことである。
しかし、皇室には「国民の権利や自由」を奪われている身分なのだから「特権」であるはずがない。
皇室には職業選択の自由も、婚姻の自由も、参政権も、社会保障の自由も、住居地選択の自由も、経済活動の自由も、信教の自由もない。
そもそも「国民」ですらない天皇が「特権階級」であるはすがないのだ。
一方、国会議員の歳費は一人一億円。
国民一人あたり年間250円ほどの負担なのだそうな。
一部の私腹を肥やしている議員さんの方がよっぽど「特権階級」な気がするのはわしだけだろうか?
というように、ここに書かれていることは、わしらが知らない皇室に関することのほんの一部なのだが、その他にも皇室にまつわる意外な話や天皇の歴史などに触れられているので興味深い。
この機会に皇室についての知識を深めたい方は、この夏「皇室論」を読んでみてはいかがだろうか?
きっと、あなたが知らない皇室の真実が見えてくること間違いなしである。
良いところ
あらすじ
『皇室論』は、皇室研究家である高森明勅氏が、皇位継承の歴史と現代における課題を詳述した一冊である。本書では、過去の女性天皇の事例や、明治時代に制定された皇室典範における男系男子継承の背景を解説しつつ、現代社会における女性天皇の可能性についても言及している。また、皇位継承の安定化を図るための具体的な提案や、国民の理解を深めるための教育の重要性についても触れている。高森氏は、伝統を重んじつつも、時代の変化に対応した柔軟な思考が必要であると説いており、皇室の未来を考える上での重要な視点を提供している。
では以下に良いところを挙げていこう。
歴史的背景の丁寧な解説
高森氏は、皇位継承の歴史的背景を詳細に解説しており、特に明治時代の皇室典範制定時の政治的背景や、過去の女性天皇の即位事例について深く掘り下げている。これにより、現代の皇位継承問題がどのような歴史的経緯を経て形成されたのかが明確に理解できる。
現代社会に即した提言
本書では、現代社会における男女平等の観点から、女性天皇の可能性について積極的に論じている。
高森氏は、伝統を守ることの重要性を認めつつも、社会の変化に対応した柔軟な制度改革の必要性を訴えており、具体的な提案を提示している。
平易な言葉での解説
専門的な内容でありながら、高森氏は平易な言葉で解説しており、皇室に関する知識が浅い読者でも理解しやすい構成となっている。
これにより幅広い層の読者が皇位継承問題について深く考えるきっかけを得ることができる。
気になった方はこちらからどうぞ
悪いところ
次に悪いところを挙げていこう。
資料の偏り?
本書では高森氏自身の主張を裏付けるための資料が多く引用されているが、反対意見や異なる視点の資料が少ないため議論のバランスに欠ける部分があると感じる人もいるだろう。
一部主観的な表現
高森氏の強い思いが込もれているがゆえに、一部の記述が主観的に読める箇所がある。
読者によっては「論理より感情が先行している」と受け取られる可能性がある点は留意すべきである。
繰り返し表現が目立つ
皇位継承の必要性や制度改革の重要性など、強調したい主張が繰り返される場面が多い。
その結果として、内容に冗長さを感じてしまう読者もいるだろう。もっと簡潔な構成であれば、より訴求力が増すはずだ。
まぁでも色々わかりにくい部分を明確にしてくれているところがあるから、別にいいだろ。

まとめ
こんな人におすすめ!
- 皇位継承問題に関心があり、現代的な視点で考えたい人
- 歴史を踏まえて政治制度に興味を持つ学生や社会人
- 日本の伝統と制度の今後を真剣に捉えたい中堅層・知識人
『皇室論』は、皇位継承問題における議論を深化させるための一冊である。
高森明勅氏の豊富な知識と冷静な分析に基づく提言は、従来の「男系男子継承の絶対性」に対する異議申し立てとも読める。女性天皇をめぐる議論が進む今、本書は伝統を重んじつつも、時代に応じた制度改革の必要性を問いかけている。
本書は日本人にとっての「皇室とは何か」を考えるうえで、必ずヒントを与えてくれるだろう!

皇室とは過去に縛られるべきものではなく、未来に継ぐべき魂そのものなのじゃ。