ちわ!おいさんだよ。
キミはしまなみ海道をチャリで旅したことはありますか?
しまなみ海道がどこにあるかも知らねぇよ。
ボクまだ自転車乗れないよ。
ポー・・・
たぬき、オマエにはムリじゃ。足が短いんだからw
しまなみ海道は尾道から向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島などを経て愛媛県・今治市までを通る全長60kmほどの幹線道路のことじゃ。
普通に車が走る道路なんだけど、チャリダーの間では素晴らしいサイクリングロードとして有名な道なんだよ!
へぇ、そんな長いサイクリングロードがあんのか。
なんだかすごく楽しそう!
ポー・・・!
そう、わしも初めてこの時サイクリングロードを走ったんだけど、素晴らしい道だったのじゃ!
でもオマエ、このとき自転車なんか持ってないだろう?
だからレンタサイクル屋で借りたのじゃ。
尾道には自転車を貸してくれるレンタサイクルがたくさんある街なのじゃ。
でも、そこまで行くのにどれだけ苦労したか……
へぇ〜そうなんだ。
じゃあ今回はそこらへんが話のポイントなんだなw
「一人旅・後半戦」16日目
今回で広島・尾道の旅はラスト。
千光寺をあとにしたドラねこは、フェリーに乗って因島に渡り、しまなみ海道をサイクリングしながら素晴らしい景色を堪能する事にしたのでした。
しかし、その最中に思わぬアクシデントに見舞われることに……
これが最後のラストラン。それでは最後まで御覧ください。
前回まではこちら
長い長い坂を歩いて足を殺された話(*´ω`*)
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坂の街・尾道の聖地巡礼で足をやられたの巻
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広島観光8 因島のワナ!自転車が見つからない!
自転車に乗って、潮風を感じている。
海はどこまでも青く。透き通っている。
このままずっと走り続けられそうな気がして、がむしゃらに自転車を漕ぎ続けている。
……予定だった。
しかし、わしは未だに自転車に乗れずにいる。
話は1時間前に遡る。
尾道を観光したわしは、フェリー乗り場でフェリーに乗り、因島に来ていた。
尾道駅からしまなみ海道の入り口にもっとも近いのは向島である。
普通なら尾道から尾道大橋を渡って向島に行き、そこから四国まで特別に整備されたサイクリングロードを走ってしまなみ海道を行くのが一般的である。
それなのになぜわしはわざわざ向島に向かわずに、フェリーに乗って因島にいるかというと、先日、ゲストハウスでダニーにこの尾道のおもしろい観光スポットはどこかと聞いた時、すぐさましまなみ海道をサイクリングすることをススメられた。
しかしわしは内心、不安を感じずにはいられなかった。
この広島に滞在できるのは旅費からいってせいぜいあと一日。
その日までにしまなみ海道なんて遠い所に行って無事帰って来ることができるのだろうか?
それに、そもそもわしは自転車を持ってないし。
ダニー「大丈夫っすよ。
しまなみ海道には至る所にレンタサイクルの場所がありますし、距離も向島から自転車で行くと長くなってしまうけど、因島までフェリーで行けばサイクリングコースを3分の1はショートカットできます。そこからならしまなみ海道の半分・大三島まで3、4時間で行ける距離ですよ。」
わし「え?そんなもんで行けるんですか?(゜o゜;」
ダニー「はい。もし自転車を借りるなら、尾道のフェリー乗り場でも貸し出しているんですけど、因島に着いてから向こうで借りた方がいいですね。」
わし「へぇ、因島にもそんなレンタサイクルがあるんですか。」
ダニー「ありますよ!
しまなみ海道には自転車を借りられる所はいっぱいあります。
もし時間があるなら自転車は500円で借りられますからしまなみ海道をサイクリングするのが気持ちよくておすすめですよ。」
わし「え?500円?!Σ(゚д゚lll)ガーン!
そんな安く借りられるんですか?」
ダニー「それに大三島には穴場のお店があって、大山祇神社の鳥居の真正面にある食堂ではボリュームたっぷりの海鮮丼が398で食べられるんですよ?」
わし「さ、398円?!Σ(゚д゚lll)ガーン!
それは是非行ってみたいです!ヽ(=´▽`=)ノ」
と、いうことで海鮮丼に釣られてわしは大三島までレンタサイクルでサイクリングすることに決定した。
尾道駅の近くの船着場にはダニーの言うとおり多くの自転車を貸し出しているレンタサイクルのターミナルが設けてある。
しかし、ここで自転車は借りてはイカン。
因島で借りたほうが良いとダニーからの忠告を素直に信じていたわしはそのまま船着場にあるコインロッカーに大きな荷物は預けて貴重品だけを持ってフェリーのチケットを買った。
そして船に待つこと10数分。
ようやく小さなフェリーがやってきた。
フェリーと言っても全然大型なものではなく。
せいぜい、よく都心とかにある観光船くらいのサイズ。
船に乗り込もうとすると、わし以外の大勢の客は、みんな自転車を抱えて自転車ごとフェリーに乗り込んでいく。
そう、このフェリーは小型ながらも自転車も積むことができるのだ。
自転車を持たずに船に乗るのはわしぐらい。
その様子を横目で見つつ、
「みんなこれからサイクリングに行くんだな(*´∀`*)
さすがしまなみ海道。ダニーの言うとおりサイクリングを楽しむお客さんがいっぱいいるんだ。」
と、のんきに構えていた。
レンタサイクルが、ない?!
因島の井口港に着いた。
しかし、降りたのはわしただ一人。
あとの人たちはそのまま船ごとどこかの船着場に行ってしまった。
ここしまなみ海道は因島だけではなく他の島にも定期的に止まるところがあるらしい。
一人ぽつんと因島に置き去りに去れ、呆然としつつもあたりを見渡すと、船着場の周りにはなにもない。
レンタサイクルのターミナルもない。
あれ?おかしいな?
因島についたら自転車を借りれる場所があるって聞いていたけど、
どこにもそれらしきものはないぞ?(;´∀`)
もっと離れた場所にあるのだろうかと、周囲を10分ほど歩いてみたが、そんなものは見つからない。
近くには小さなフェリーの待合所があるのみ。一応、帰りの船の時刻を確認する。
帰りは5時の船に乗ればどうやら帰れそうだ。それを逃したら次は7時。
なるべく5時には帰って来られるようにしよう。
途方にくれながらもここにいつまでもいてもしょうがない。
歩きながら誰かにレンタサイクルの場所がどこか聞かなくては。
歩くこと15分。
平日だからだろうか?あたりにひと通りはほとんどない。
まったくの過疎の村。どこにも村人らしき人の姿は見られない。
なんとなーく、この辺りから嫌な予感が押し寄せてきた(;´∀`)
それでも歩いていたらやっと一人のお兄ちゃんを見つけた。
そのお兄ちゃんはこの島に似つかわしくないヘアースタイルをした今どきの若者風の感じ丸出しの、決して頭が良さそうに見えないタイプの青年である。
正直、この手のタイプの青年には普段はあまり話しかけたくはない。
しかし、今はそんなことも言ってられないので、思い切って勇気を出して聞いてみた。
すると、お兄ちゃんはこの島に人が来たことがさも珍しそうにわしをポカンと見つめつつこう言った。
お兄ちゃん「レンタサイクル?このあたりでそんなもんがあるなんて聞いたこともない!」
えー?!Σ(゚д゚lll)ガーン!
ちょちょちょ、ちょっ待てよ!(キムタク風)
こっちは確かにそうしたものがここ因島にもあるって聞いてやってきたんだけど、もう少しちゃんと考えてみてよ!
お兄ちゃん「えぇー?・・・・・・そういえば、ここからもっと先にそんなもんがあるって聞いたことがあるような・・・?」
わし「もっと先ってどのくらいですか?」
お兄ちゃん「どのくらいって、多分ここの島の反対側だよ。歩いて行ったら多分3、4時間かかるよ?」
わし「さ、3、4時間?!Σ(゚д゚lll)ガーン!」
それは困る!
それじゃサイクリングする前に自転車を借りた時点で一日が終わってしまうじゃないか!
しかも行っただけで3、4時間でしょ?
お兄ちゃん「往復したら6、8時間ってところじゃない?多分。」
ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
それじゃ明日の朝、実家に帰れないじゃないか!
こんな人も通らない泊まるところもない所で野宿かい!
大変なことになってきた。
よく自分で調べもせずに人のいうことを鵜呑みにして来たせいで、とんでもない事態に巻き込まれそうになっている
いや、まて!早まるな。
このお兄ちゃんが言ってることをそのまま信じるわけにはいかない!
もしかしたら実は近くにレンタサイクルがあるかもしれない。
このお兄ちゃんは宛にならんぞ。なにせこんなビジュアルだもんなw
とにかく他の人にも話を聞こうと道を行くが、行けども行けども人には会わない。
ようやく見つけた小さな電気屋で、中に入ってレンタサイクルの場所を聞いてみた。
店長らしき男「レンタサイクル?
いやぁ…ここらへんではそんなもんは聞きませんなぁ」
店員らしき女性「あ。それならもしかして宮浦港のことじゃないですか?あそこならレンタサイクルやってるってきいたことありますけど」
店長らしき男「ああ!宮浦港か!それなら確かにレンタサイクルはやってるわぁ!」
わし「???(;´Д`)。宮浦港ってどこですか?」
店長らしき男「宮浦港はここの反対。島の反対側ですわ。
歩いて?ここから歩いて行ったら3、4時間はかかりますよ?」
ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
やっぱりあのお兄ちゃんが言っていたことは本当だったのかぁ!
店員らしき女「あ、でも、ここからまっすぐいけばそんなにかかりませんよ。島を海沿いにグルっと回ると時間かかるけど・・・」
店長らしき男「ああそうか!この目の前の道を真っ直ぐ行って、右に折れた道を真っ直ぐ行けば確かもっと早く着くはずだわ」
わし「真っ直ぐ?ホントに?( ;∀;)」
こうして、親切な二人に道を教えてもらい、その方向に進みながらすぐさまナビで宮浦港を検索する。
すると、あった!宮浦港まで30分!
30分?!(゚∀゚)!!
よっしゃーーーーー!!!
よかった!
これならなんとか無事、自転車を借りてからサイクリングもできそうだ。
こうして、ようやくそのレンタサイクルをしている宮浦港に着いたのはそこから30分後。
この時点で、因島に着いてからすでに1時間が経過していた。
苦労した甲斐があった?しまなみ海道サイクリングロード
ようやく宮浦港に着いた。
ここまで来るだけでだいぶ苦労した。時刻はすでに1時を超えている。
午前中に尾道の坂を何度も登り降りしたのがツライ。
今になってあのダメージがこの足に出てきてしまっている。
サイクリングする前からすでにもう足に来ている状態で、自転車を借りようとすると、ここでまた問題が発生した。
レンタサイクルのおっちゃん「ていっても、
もう貸し出せる自転車全部貸し出しちゃってないんだよね。」
え━━(;゚Д゚)━━!!
ちょ、ちょっとまってよ、おっちゃん!ここまで来てそれはないでしょ!
ここに来るまでわしがどんだけ苦労して来たと思ってんのよ!
ちらりと横を見ると、まだ幾つか自転車が残っている。
わし「これなんすか?ここにあるこれ借りるちゃいけないんすか?!(゜o゜;」
おっちゃん「いや、これは他で貸していたのが却って来たやつだから、他の場所にまた持って行って返さなくちゃいけないんだ。」
わし「あの、お願いですから、これでいいんで貸してもらえませんか?!
3、4時間、・・・遅くても5時間ぐらいで今日中には返しますから!」
おっちゃん「あんた、どこまで行くの?」
大三島まで行って戻ってくるつもりだと言うと、それなら今日中に必ず返してくれるなら貸してもいいと話はようやくまとまった。念のため身分証のコピーと保証金・千円を払わされる。
おっちゃん「今日中に返してもらえるなら、ここじゃなくて他の場所にどこでも返してもらっていいけど、その場合はこの保証金は却って来ないですけど、いいですか?」
と聞かれる。「いい」と答えると、ようやく自転車を乗れることに。
ふー、よかった。
これでなんとかサイクリングはできることになった。
意気揚々と自転車にまたがり、やっとしまなみ海道をサイクリングの旅に飛び出すことができた。
しまなみ海道は最高のサイクリングロード!
だいぶ時間が遅れてしまった。
「五時間以内に帰ってくる」約束したので大急ぎでチャリを漕ぐ。時間は刻一刻と迫っている!
早く!早く行かねば!
ちんたらこいでたら5時間以内に戻って来ることはできない!
周りの風景もそっちのけで最初から全速力で走り抜けるわし。
潮風を浴びてのんびりサイクリングの夢は、この時点で消え去った。
しまなみ海道は確かに素晴らしいサイクリングロードだった。
あたりは瀬戸内海の美しい海が右手に延々と続き、わしの他にもチャリダーがチャリをせっせとこいでいる。
この道路は確かに走りやすい。
多くのサイクリングを楽しんでいるバイカーを横目に、わしはダントツのスピードで駆け抜ける。
うりゃーーー!!!(# ゚Д゚)
井口橋からのすばらしい海を眺める しまなみ海道
しまなみ海道のサイクリングロードは意外と坂が多い。
というのも普段の道は平坦なのだが、島から島へと移るときには必ず坂道を登り、山にかかっている大橋を走って向こう岸の島へと渡るのだ。
ちなみに橋の通行には通行料を払わなければいけない。
その料金は50円〜200円と島によって値段はまちまち。
今回渡った井口橋は50円ほど。
反対側の方に募金箱のような箱が設置されていてそこで払う仕組みだ。
上と下の2枚はその橋から眺めた瀬戸内海の島々の風景。
うおおお~!青い海がどこまでキレイ!(=´▽`=)ノ
突然何故か現れた自衛隊のヘリ
途中、橋を渡りきって島を下っているとき、妙なものが見えた。
あれは・・・・・・ヘリ?(゜o゜;
近づいて見ると確かにヘリである。しかも海上自衛隊って描いてあるぞ?
なんであんなところにヘリが置いてあるんだ?
遠くから見るとこの通り。
崖っぷちになぜかヘリが突き出る形でサイクリングロードの一端に突き出ていた。
あれは、なんだったんだろう?(;´∀`)
お寺のテーマパーク耕三寺
さて、大三島まで半分の距離にある耕三寺に到着した。
ここには珍しい仏像を展示した宝物館や、現代アートを思わせる石庭などがあるものすごく広い敷地のテーマパークのようなお寺だという。
本来なら、ここに寄ることが予定に入っていた。しかし、今は事情が違う。
なにせ5時間以内に帰ってこなければならないために泣く泣く中を見たいのをガマンして、入り口から写真だけ撮って先に進むことにする。今度また来た時にじっくり見てみよう( ;∀;)
それからまた次の多々羅大橋を超えて、ようやく大三島にたどり着く。
がんばれわし!
ゴールの大山祇神社はもうすぐだ!
しかし、ここらへんから地形の様子が打って変わって急に凸凹した坂道に変わってくる。
こいでもこいでも終わらない上り坂にわしの足はもう限界。
午前中の尾道のダメージが、ここらへんで響いてきた。足が重くていうことをきかない。
こんなことなら尾道の坂なんか登らなかったらよかった(TдT)
一日の内に尾道としまなみ海道両方を周るなんて無茶なスケジュールをたてなければよかった!
あまりの坂道のしんどさに、サイクリングをしたことを激しく後悔するわし。
もうつらい、本当に辞めたい!
しかしまて、待つんだ!この先に大山祇神社の前には498円で食べられる海鮮丼があるんだ!
海鮮丼!498円
せっかくここまで来たんだ!これを食わずになんとする!
うおおおおおおおおおおおおおおおお!
海鮮丼!(# ゚Д゚)
もうダメだ!足がつりそうだ!(;´Д`)
海鮮丼!(# ゚Д゚)
イクラがわしを待っている!
足が!足がいうことをきかない!(;´Д`)
海鮮丼!(# ゚Д゚)
マグロもわしを待っている!
こんなところで、
死んでたまるかぁ!!!(# ゚Д゚)
それにしても、ツライ(;´Д`)
本当につらい!( ;∀;)
だれか、だれか助けてぇ!(´;ω;`)
怒りの海鮮丼
ようやく大山祇神社に到着する。
ここまでくるのにかかったタイム、2時間弱。
よし!なんとか2時間半をきった!これならなんとか5時間以内に帰ることはできる!
時間を無駄にしないために神社前に停めてある自転車の一群に駐輪しようとする。
と、その時!
ない!ないないない!
自転車の鍵がない!( ;∀;)
さっき自転車を借りた時、ポケットに入れたのに失くなってる!
なんてこった!これじゃ駐輪できないじゃないか!(;´Д`)
あわてて来た道を歩いて確かめてみる。
10分ほど探してみたものの、あたりには見当たらない。
どうやらあまりにも激しく自転車をこいだために、ズボンのポケットから鍵が飛び出してしまったらしい。
「ということは、鍵は今きた道のどこかに・・・(;´∀`)」
どうしよう?
まさかここまで来て鍵を失くすなんて!
このままじゃ五時間以内に自転車を返しても鍵は弁償しなければならない!
はぁ…なんてこった(;´Д`)
ここまで来てなんでこんにツイてないんだ!
しかし、不幸はまだ終わっていなかった!
そのときにはもう頭が疲労と絶望のあまり真っ白になってしまっていた。
なのでここはとりあえず、腹ごしらえをして大勢を整えよう。
借り物を自転車を、他の自転車たちの中に紛らわせながら隅っこに鍵なしで駐輪し、鳥居の目の前にある食堂に歩いていく。
ダニー曰く、
店には「大きな漢字で書かれた垂れ幕がかかっている」
というからその場所はすぐわかった。
店に入ってみると、店の中は満員で座るところもないくらい人がいる。
うわぁ、やっぱりここは人気店なんだ。
たまたま前を通りかかったおばちゃんの店員に
わし「あの~・・・この店、海鮮丼ってやってますか?(;´∀`)」
と恐る恐る聞いてみる。
すると店のおばちゃんは露骨に嫌そうな顔をして、
おばちゃん「やってますけど、あれは3時でラストオーダーです。もう終わってますよ」
と言われる。
なぁにぃい━━(;゚Д゚)━━!?
ちょ、ちょっとまってよ、おばちゃん!
海鮮丼のラストオーダーがあるなんて聞いてないよ!
それに食堂が3時でラストオーダーって、
早過ぎるだろ!
と、慌てて携帯の時計を見て見ると時刻は3時11分をさしている。
じゅ、11分前におわってるぅ━━(;゚Д゚)━━!?!
わし「あ、あの3時で終わりって、
まだ11分しか立ってないじゃないですか。
そこをなんとかギリギリセーフにしてもらえませんかね?(;´∀`)」
おばちゃん「ダメです!もう海鮮丼は終わりの時刻ですし、材料も失くなっているんです!」
(ざ、材料って、)(;´Д`)
あたりをちらりと見渡すと、
カウンター席の前には寿司屋のカウンターよろしく新鮮な魚介類が山と積まれている。
わし「あ、あそこにまだいっぱいあるじゃないですか。」
おばちゃん「(少し苦しい感じで)あ、あれは違います。違うお料理に使うもので、もう先約が決まっています!」
絶対嘘だろ、このババア!(# ゚Д゚)
先約が決まってるもん、わざわざ見せておいたりなんかしねーだろ!
その後もなんとか頼み込むも、そのババアはダメの一点張り。
汗水たらして限界まで自転車をこいできたわしは海産物一つも食えずに終わったのだった。
潰れろバーカ!(# ゚Д゚)
ありったけの悪態を心のなかで吐いて、その食堂をあとにする。
その日のメシは、近くの道の駅にあったバナナで済ませた。堪らずに涙がこみ上げてくる。
わしはなんでこんなところで、
250円のバナナなんか食べてるんだ?(´;ω;`)
ホントならあそこで海鮮丼が食えたのに。
たった11分違いのせいで。
ハッ!待てよ!Σ(゚д゚lll)
11分って、わしがここに到着して鍵を探さなかったらギリギリ間に合った時間じゃないか!
うわぁぁぁぁぁ!しまったああああああ!(TOT)
あの時鍵をなくさずにそのままここに来ていれば、なんとか海鮮丼は食べることができたんだ!
なんで、
なんでこのタイミングで鍵なんかなくしたんだぁ!
本気で悔しくて、自分のマヌケさを呪ったわしなのだった(´;ω;`)
海鮮丼はなくても最高のパワースポット
ようやく、涙のバナナでハラを満たし終えたわしは、ふらふらした気持ちで大山祇神社の境内に足を踏み入れた。
もう、自転車なんかどうでもいい。
盗まれようがどうなろうが知ったこっちゃないという気持ちで、そのまま鳥居の横にある石垣に駐輪し、境内を散策する。
平日でも境内では屋台で草花を多く売っている。
食べ物の屋台が殆ど無いのが印象に残った。が、いまのわしにはありがたい。
こころなしか、全てを失ったわしには、この神社が暖かく迎え入れてくれているように感じた。それくらいここ大山祇神社は暖かなエネルギーが漂う素晴らしいパワースポットだった。
大山祇神社
大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)は、愛媛県今治市大三島町宮浦にある神社。式内社(名神大社)、伊予国一宮。旧社格は国幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。
全国にある山祇神社(大山祇神社)の総本社である。
三島神社や大山祇神社の総本社であり、山の神・海の神・戦いの神として歴代の朝廷や武将から尊崇を集めた。大山積神を祀る代表的な神社ということもあり、山神社の総本社とされることもある。
源氏・平氏をはじめ多くの武将が武具を奉納して武運長久を祈ったため、国宝・重要文化財の指定をうけた日本の甲冑の約4割がこの神社に集まっている。社殿・武具等の文化財として国宝8件、国の重要文化財76件(2012年現在)を有し、境内には国の天然記念物「大山祇神社のクスノキ群」がある。また、昭和天皇の研究を展示した海事博物館が併設されている。
近代においても、日本の初代総理大臣の伊藤博文、旧帝国海軍連合艦隊司令長官・山本五十六をはじめとして、政治や軍事の第一人者たちの参拝があった。現在でも、海上自衛隊・海上保安庁の幹部などの参拝がある。
祭りがあるわけでもないのに境内は多くの人で溢れている
大山祇神社は古くから海運業を営む者達に海の守り神として信仰されてきたというが、それほどまでに古くから地元の人達に愛され続けている神社なのだろう。
さて、参拝し終わった後は、すぐにまだ帰る気がしない。
ここ大山祇神社の境内には歴代の天皇や武将たちが戦勝祈願に奉納した武具甲冑が宝物館に飾られているというから、それを見に行ってみよう。
宝物館
こうしたモンスターハンター顔負けの大太刀が幾つか飾られていたりもする。
中には写真撮影禁止の看板もないし、係員もとくにいないので多分撮ってもいいのだろう。
宝物館は海事博物館と合わせて共通で1000円。
中には多くの鎧や刀なんかも展示されていて見ていて興味深いモノが多かった。
それもそのはずこの宝物館には、甲冑の国宝・重要文化財が全国の8割を所蔵しているという甲冑好きにはたまらない宝物館なのである。
それにしては宝物館の中はこういってはなんだがパッと見、サビレている。
しかしそれでも中の展示物はアッと驚くようなものが満載の絶対におすすめの場所ではある。
他にもここは、歌舞伎の創始者と言われた出雲のお国ともゆかりの深い神社であるとか。その外にも多くの有名な武将たちとも関わりのある神社なんだそうな。
いやぁ、偶然寄ったとはいえいいもんが見れてよかった(*´∀`*)
海鮮丼なんかどうでもいいやw
最後の最後にまさかの…
こうして、大山祇神社の宝物館を堪能したわしは、隣にある海事博物館も足早に宮浦港に帰ることにする。タイムリミットは2時間を切っている。
やばい!早くなんとか早く帰らなければ!Σ(゚д゚lll)ガーン!
鳥居の自転車がある場所に戻ってみると、チャリは盗まれずにまだそこにいた。
ほっと胸をなでおろしつつ、自転車に跨がり来た時以上の気合をこめてペダルをこぎだし走りだす。
もう瀬戸内海の海も日が傾きつつあった。
シャカシャカシャカシャカ!!!!
自転車を漕ぐこと鬼の如しw
来た時より衰えている体力を、気合でカバーしながら重い足をとにかく動かす。
ここらへんまで来ると、疲労はまさにピークを超えている。
限界突破!
その文字が象徴するかのようにただひたすら自転車をこぎまくるわし。
ひー!ひー!つらい!しんどい!(´;ω;`)
あしが、脚が動かない。
来た時と違ってもう海鮮丼の魔法はない。
おまけに食えなかった落胆がわしの脚を更に重くする。
ヒー!ヒー!
なんで、なんで尾道の坂道なんかあんなに登ったりしたんだ!!(´;ω;`)
もうこの時には後悔しまくり。
午前中尾道観光をした自分を心の底から呪いつつ、とにかくこぐ!こぐしかない!
こがなくちゃ!こがなくちゃ家に帰れないんだよ!
明日には、久しぶりの実家に帰りたいんだ!
こんなところで野宿なんかゴメンなんだよ!
こげ!こぐんだ!オレ!
脚がもげても、自転車の上で燃え尽きても、魂で漕ぎまくるんだ!
うおおおおおおおおおおおおお!!!(# ゚Д゚)
その時、
ぶちっ
と、左足のひざのお皿から嫌な音がした。
そして、ひざにありえないくらいの激痛が走った。
ぎゃあああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ!!!!!!(TOT)
思わず自転車ごと、その場に倒れこむ。七転八倒しながら道を転がるわし。
ひざがありえないらい痛みを発している。
この時どうやらわしはひざに3本あるうちの靭帯を一つ切ってしまったらしい。
どこまでもツイていないしまなみ海道道中記。
激痛の走るひざを抱えながら、なんとか左ひざには負担をかけないように自転車をまた再び漕ぎ出す。
それでもこぐたびにひざには激痛が走るが、それを我慢しながらなんとか宮浦港まで辿り着いたわしなのだった。
間に合った。
しかし、時間を見るとすでに4時半過ぎ。
そういえば、井口港にフェリーは5時に来るんだった!
いかん!このままでは間に合わん!
タタでさえここから井口港まで歩いて30分かかったんだ!
走っていかなきゃ間に合わないじゃないか!
5時のあとのフェリーは7時なんだ。
乗れなかったらここであと2時間も過ごさなきゃならなくなる!
自転車をターミナルに返し、鍵をなくしたことを気付かれないように奥の薄暗い場所に自転車を戻す。その後保証金の1000円を受け取り、脚を引きずりながら激痛に耐えつつ小走りしてきた道を走っていく。
(おじさんゴメン!鍵をなくしたことは悪かったけど、それを言ったら、またなんやかんやで話が長くなってフェリーに乗り遅れるから、今回だけ、勘弁してください!(TOT)
心のなかで、罪悪感をいっぱいにしつつ、
これは天罰なのかもしれないと思いながら、激痛にさらされる脚を引きずりながら走りだした。
なんとか、港には着いた。
ギリギリ5分前。しかし5時を過ぎても船は現れない。
小さな待合室に張られている時刻表の紙を確かめてみるが、きっちり、5時と書いてある。その次は7時。やはり間違ってない。
一体どういうこと?!
結局、その後船が来たのは5時35分頃。
わしはなんとか遅れまいと必死に自転車をこぎ、ひざを痛め、痛い脚を引きずりながらここまで来たのに船の方が遅れてきやがった。
これだったら、あんなに必死になって自転車なんかこがなきゃよかった。
そうすればひざも痛めずにすんだのに。(´;ω;`)
こうして、最後まで散々なしまなみ海道サイクリングの旅であった。
次回は、いよいよ一人旅もラストです。